2008年07月11日

Earth,Wind & Fire『Gratitude』

灼熱ライブにスタジオ録音のオマケ付き!EW&Fの絶頂期を示す1枚☆Earth Wind & Fire『Gratitude』
Gratitude
発表年:1975年
ez的ジャンル:灼熱ライブ系ポップ&メロウ・ファンク
気分は... :音楽年齢不詳が僕の理想かな!

音楽って、自分の感覚で自由に聴いて楽しむべきものだと思います。
だからこそ、音楽の感覚に違いがあると厄介ですよね。
特に年代の差に起因する感覚の違いは、ギャップを埋めるが相当難しい気がします。

例えば、70年代、80年代の音楽にお詳しいオールド・ファンの方が、あまり聴いていないであろう90年代以降の作品のレビューを書いたとします。それをリアルタイムでそうした作品を聴いてきた人が読むと、"聴くポイントが全然違う!"、"基本的に感覚が古い"と感じることが少なくないはずです。

その逆も然りで、その時代を知らない若い音楽ファンが70年代作品のレビューを書くと、それを読んだオールド・ファンの方は"実際はそうではない!"、"まだまだ修行が足らん"とお叱りの言葉を言いたくなるのではないでしょうか。

こうしたギャップを埋めるためには、やはりある程度の知識・情報は必要なのかもしれませんね。

僕の場合、、自分の音楽感覚がオヤジ臭くならないように、若い音楽好きの人と交流を持って加齢臭が出るのを抑えています(笑)。いくつになっても音楽年齢不詳!というのが僕の理想です(笑)

さて、今日は老若男女問わずみんな大好き!Earth,Wind & Fire(EW&F)です。

本ブログでこれまで紹介してきたEW&F作品は以下の3枚。

 『Open Our Eyes』(1974年)
 『That's the Way of the World』(1975年)
 『Spirit』(1976年)

4枚目となる今回はEW&F絶頂期の灼熱ライブを収録した作品年)、『Gratitude』(1975年)です。

個人的には、『Head to the Sky』(1973年)、『Open Our Eyes』(1974年)、『That's the Way of the World』(1975年)、『Gratitude』(1975年)、『Spirit』(1976年)、『All 'N All』(1977年)までがEW&Fの絶頂期だと思いマス。

その中でも本作『Gratitude』は同じ1975年リリースの『That's the Way of the World』と並ぶ>EW&F最高傑作だと思っています。僕以外にも『Gratitude』を最高傑作に推す人は多いのでは?

本作のオリジナルは2枚組LPです。
A面からC面2曲目までがライブ録音、C面3曲目とD面がスタジオ録音という構成になっています。ライブはシカゴ、LA、セントルイス、アトランタ、ボストン、NY、フィラデルフィア、ワシントンDCでのライブが収録されています。

ファンク・バンドとしてのEW&Fの魅力を堪能できるライブになっています。個人的にはクロスオーヴァー/フュージョンのテイストも堪能できる点が好きですね。

チャート的にも『That's the Way of the World』に続き全米アルバム・チャートNo.1に輝き、EW&Fの地位を不動のものとしました。

全曲紹介しときやす。

「Africano/Power」
「Africano」(アルバム『That's the Way of the World』収録)と「Power」(アルバム『Last Days and Time』収録)のメドレー。いきなりのハイテンションですね。Andrew Woolfolkのサックスが印象的ですな。

「Yearnin' Learnin'」
この曲も『That's the Way of the World』収録曲。ライブで聴くと、思わず踊りたくなる曲ですよね。

「Devotion」
アルバム『Open Our Eyes』収録の名曲ですね。イントロと共にジャニーズと錯覚しような黄色い歓声がこだましまくります。Philip Baileyってアイドル的な人気があったのかもしれませんね。元々大好きな曲なので、ライブ・ヴァージョンにもウットリです。本ライブ・ヴァージョンはNaughty By Nature「Rhyme'll Shine On」のサンプリング・ネタにもなっていますね。

「Sun Goddess」
Maurice WhiteがプロデュースしたRamsey Lewisの同名アルバムのタイトル曲。イントロのギター・カッティングを聴くとテンション上がってきますな。観客も一体となって大合唱となるのがグッド!

「Reasons」
この曲も『That's the Way of the World』収録曲。このスロウはPhilip Baileyの独壇場ですな。やはり黄色い大歓声ですっ!

「Sing a Message to You」
1分半に満たない収録ですが、会場を盛り上がるにはピッタリのアップ・チューンです。

「Shining Star」
お馴染みEW&F初の全米No.1ヒット(『That's the Way of the World』収録)。このライヴ・ヴァージョンではEW&Fならではのファンク魂を聴かせてくれます。

「New World Symphony」
ドラマティックにクロスオーヴァー/フュージョンしているインスト。このあたりはR&B好きというよりジャズ/フュージョン好きの方が楽しめる仕上がりですね。

ここまでがライブ録音です。

「Sunshine」
ここからがスタジオ録音。この曲はArrested Development「Natural」のサンプリング・ネタとしてもお馴染みですね。派手な曲ではありませんが、Philip Baileyのファルセットがマッチする爽やかな仕上がりがジワジワきます!

「Sing a Song」
ベタだけど僕の一番のお気に入りはやっぱりコレ。シングルカットされ、全米ポップ・チャート第5位、同R&Bチャート第1位となったヒット曲です。みんながハッピー&元気モードになれるポップ・チューンですね。Philip BaileyのラブリーなヴォーカルもPhoenix Hornsのゴキゲンなホーンもグッド!

「Gratitude」
タイトル曲はミッド・ファンク。Verdine Whiteのベースがいいカンジですな。

「Celebrate」
密かなお気に入り曲。爽快なメロウ・グルーヴですね。EW&Fならではのクロス・オーヴァーのりがグッド!

「You Can't Hide Love」
シングル・カットもされたCreative Sourceのカヴァー(Skip Scarborough作品)。D'angeloによるライブ・カヴァー(『Live At The Jazz Cafe,London』収録)でもお馴染みの曲ですね。意外とクールな仕上がりのミディアム・スロウです。

EW&Fを単なるディスコ・バンドと誤解している方は、本作や『That's the Way of the World』を聴けば認識を新たにすると思いマス。
posted by ez at 00:58| Comment(8) | TrackBack(0) | 1970年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
初めて買ったコンパクトディスクがこれでした。
名盤ですよねぇ〜。
このあとが『Spirit』ですか。まさに絶頂期という感じですね。
Posted by けん at 2008年07月11日 13:16
ん?前段の文章、気になるなー。

世代間ギャップは、あって当たり前。それぞれの(アルバムを)聴いたインプレッションがあっていいと思うけど。 それをいたずらに否定されるということはないはず。
Posted by Masato at 2008年07月11日 22:42
☆けんさん

お久しぶりです。

EW&Fならば、けんさんからコメント頂ける予感がしていました(笑)
EW&Fってベタですけど、長年聴いていても全然飽きませんよね!

ところで新シーズンのイルカ軍団はどうなるんですかね。
勉強不足で全然把握できていません。
今年のエースQBは誰なんですかね?J.テイラーは残留するのでしょうか?
ドラフト1位指名のOTジェイク・ロングには大活躍して欲しいですね。
シーズン開幕までに予習しておきま〜す。
Posted by ez at 2008年07月12日 01:02
☆Masatoさん

ありがとうございます。

誰かからお叱りのコメントを頂くだろうなぁ、と思っていました(笑)

> 世代間ギャップは、あって当たり前。
> それをいたずらに否定されるということはないはず。

実態はそうだと思います。
あとはそのギャップを埋めたいと思うか否かの問題だと思います。

僕の場合、ギャップが埋まると楽しいだろうなぁ!との想いが強いので、このような事を書いてしまうのかもしれません。

その意味では、「異なる世代の音楽観を否定しない」という相互不可侵ではなく、「異なる世代の音楽観とシンクロしたい」という(若い世代に)歩み寄るアプローチを志向しているのでしょうね。
Posted by ez at 2008年07月12日 01:04
世代間のギャップというか、単に表層上のイメージ(それは大抵一時期のヒット曲をラジオやTVで聞いただけ植え付けられてしまったもの)だけで判断して、その固定観念をずっとホールドしちゃうのが問題なんじゃないでしょうーか。

もっと具体的に言うと、上記『Spirit』の記事中で触れられているDavid Fosterのイメージがそういう感じ。
例えば、'Got To Be Real' / Cheryl Lynn はDavid Fosterの手癖フレーズ満載曲ですが、「David特有の甘さ=大味でクドい」って思う人は居ないでしょうしね。 David Fosterの本質を理解しているなら、「大味でクドい」って言うのは、彼の持ち味の半分程度なんじゃないかと思うのですが。

まとめると、「自分が嫌い/苦手と思っているものは、大概自分の無知に起因する」ってことですかね。 ギャップあって当然、と思う人は、そこら辺の自分の無知を自覚できない(したくない、するのが恐い)人なんじゃないかしら、とか思ったりも。
Posted by mu. at 2008年07月12日 03:24
☆mu.さん

ありがとうございます。

> 「自分が嫌い/苦手と思っているものは、大概自分の無知に起因する」

聴かず嫌いで、いろいろ聴いているみると案外悪くはない!ということはありますよね。知識・情報が増えれば、感覚が自分に馴染んでくる音楽があることも確かだと思います。

でも、「無知を解消すれば、その音楽が好きになる」という論法は無理があると思います。それが成立するのは、せいぜい「好きなジャンルの嫌いなアーティスト」程度なのでは?例えばへヴィ・メタル嫌いの人が、その分野の名盤をいくら聴いてもへヴィ・メタ好きになることはないように思います。

基本的に音楽の好き/嫌いは、知識・情報量ではなく、感覚・嗜好の違いの問題だと思います。

> David Fosterの本質を理解しているなら、「大味でクドい」って言うのは、
> 彼の持ち味の半分程度なんじゃないかと思うのですが。

David Fosterを嫌いという奴はおかしい!という前提があるようですが(笑)
僕の場合、別にDavid Fosterの作品が全て嫌いな訳じゃありませんよ。大好きな作品も数多くあります。本人や楽曲が云々という以上に「David Foster絡みだから名曲・佳作」のように説明されるのが嫌いなのだと思います。一方で「●●絡みだから大好き!」という作品も数多くあるのですが(笑)...人間の嗜好なんてそんなものなのでしょうね。
Posted by ez at 2008年07月12日 12:00
今年ドルフィンズに入ったジェイク・ロングとチャド・へニーはきっとやってくれるでしょう!
ツナ氏の手腕にも大いに期待しています。

僕も『All 'N All』までで一区切りつける考え方には賛成です。
「I AM」以降のアルバムは、リリースされた当時はちょっと残念に思った事を覚えています。
(後に聞き直して、「まあ、これはこれでいいか」と笑)

David Fosterといえば僕が大好きな映画「君がいた夏」のサントラもなかなかクドイ(笑。
でも買っちゃいました(笑。
Posted by けん at 2008年07月18日 02:09
☆けんさん

ありがとうございます。

> ジェイク・ロングとチャド・へニーはきっとやってくれるでしょう!
> ツナ氏の手腕にも大いに期待しています。

けんさんのお墨付きならば、やってくれるでしょう!
この際なので、思い切った若返りもいいかもしれませんね。
パーセルズにはチーム再建を断行して欲しいです。
Posted by ez at 2008年07月18日 15:39
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