2008年07月14日

Nicolette Larson『Nicolette』

愛しのニコレットは永遠です!フレッシュなデビュー作☆Nicolette Larson『Nicolette』
愛しのニコレット
発表年:1978年
ez的ジャンル:チャーミング系女性シンガー
気分は... :愛しのニコレットは永遠です!

ウエスト・コーストの歌姫Nicolette Larsonの2回目の登場です。

前回紹介した2nd『In The Nick Of Time』(1979年)に続き、今回はデビューアルバム『Nicolette』(1978年)です。

前回の投稿でも書きましたが、中学時代、僕の部屋にはNicolette Larsonの特大ポスターが長い間貼られていました。そのせいかNicolette Larsonはミーハー的に大好きですね。

1970年代半ばからセッション・シンガーとして活動していたNicoletteですが、大物プロデューサーTed Templemanの後押しでレコード会社との契約に成功します。そのTed Templemanプロデュースで本作『Nicolette』(1978年)をリリースした時、Nicoletteは26歳でした。

そんな満を持してのデビュー作に集まったバック陣は相当豪華です。Michael McDonald、Patrick SimmonsというThe Doobie Brothers勢、Paul Barrere、Bill PayneのLittle Feat勢、Linda RonstadtValerie Carterというウエストコーストを代表する歌姫たち、Van HalenのEdward Van Halen、それ以外にJimmie Haskell、Victor Feldman、Klaus Voormann、Albert Lee等が名を連ねます。

『愛しのニコレット』という邦題の通り、キュートでナチュラルなNicoletteの魅力をプロデューサーTed Templeman、ミュージック・ディレクターBill Payneがうまく引き出していると思います。

ミーハー的に好きですが、少し分析すると、Nicoletteのヴォーカルおよびアレンジが意外とソウルフルなあたりが好きなのだと思います。

全曲紹介しときヤス。

「Lotta Love」
邦題「溢れる愛」。アルバムからの1stシングルであり、Nicolette唯一の全米Top10ヒット(最高位第8位)。作者はNeil Youngであり、彼自身のヴァージョンはアルバム『Comes A Time』(1978年)に収録されています。

僕にとってのエヴァーグリーン・ソングの1つですね。当時はあまり意識していませんでしたが、ソウルフルなアレンジが絶品ですね。Nicolette自身のヴォーカルも適度にソウルフルなのでピッタリなのでは?Andrew Loveのサックス、Plas Johnsonのフルートもいいアクセントになっています。

「Rhumba Girl」
アルバムからの2ndシングル。Jesse WInchester作の「Rhumba Man」を改題したもの。Jesse WInchester「Rhumba Man」はアルバム『Nothing But A Breeze』(1977年)に収録されています。この曲もかなりソウルフルな仕上がりですね。Little Feat風のリズム・セクションがサイコー!

「You Send Me」
Sam Cookeの大ヒット曲のカヴァー。ここでは敢えてソウル色を強く出さず、ポップで甘酸っぱい仕上がりになっています。

「Can't Get Away from You」
いかにもウエスト・コーストなロック・チューン。リードギターはEdward Van Halen(匿名で参加)。Valerie Carter、Michael McDonaldらのバック・コーラスがかなりいい感じですね。

「Mexican Divorce」
Burt Bacharach作品。Ry Cooderのカヴァーもお馴染みですね(アルバム『Paradise and Lunch』収録)。トロピカルなテイストがいいですね。僕の場合、Nicoletteヴァージョンを先に聴いていたので、Ry Cooderヴァージョンを聴いた時にはエラく野暮ったく聴こえてしまいましたね。

「Baby, Don't You Do It」
Marvin Gayeのヒット曲カヴァー(Brian Holland、Lamont Dozier、Edward Holland,Jr.作品)。The Isley BrothersStevie Wonderといったソウル・カヴァー以外にSmall Faces(アルバム『From the Beginning』収録)、The Band(アルバム『Rock of Ages』収録)、The Who(アルバム『Odds & Sods』収録)等ロック・アーティストのカヴァーも多い曲ですね。NicoletteはLittle Feat風のファンキーな演奏をバックに、なかなかパンチの効いたヴォーカルを聴かせてくれます。

「Give a Little」
Bill & Fran Payne夫妻の作品。「Lotta Love」と並ぶ僕のお気に入り。AOR好きの人は気に入る仕上がりだと思います。ここでもAndrew Loveのサックスがムードを盛り上げてくれます。

「Angels Rejoiced」
Herb Pedersenとのデュエットによるカントリー・チューン。基本的には僕が苦手なタイプの曲ですがNicoletteなので許せちゃいます(笑)

「French Waltz」
Adam Michell作品。アルバムで一番地味な仕上がりですが、じんわり胸に染み渡ってくる佳作です。

「Come Early Mornin'」
キュートなカントリー・チューン。カントリーですが僕の許容範囲内です。バック・ヴォーカルにはLinda Ronstadtも名を連ねます。

「Last in Love」
ラストはJ.D.Souther & Glenn Frey作品。アルバム『You're Only Lonely』収録のJ.D.Southerヴァージョンでお聴きの方も多いのでは?ここではBill PayneのピアノとJimmie HaskellによるストリングスをバックにNicoletteがしみじみと歌い上げる感動的な仕上がりです。

Nicolette Larsonは、1997年に45歳の若さで死去してしまいました。
それでもNicoletteは僕にとって永遠に"愛しのニコレット"です☆
posted by ez at 03:49| Comment(6) | TrackBack(0) | 1970年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
ニコレット・ラーソンは1980年代の半ばにカントリー・シンガーへと転身して一定の成功を収めました。カントリーのみならず、サム・クック、マーヴィン・ゲイ、シュプリームスなどのソウル・ナンバーのカヴァーはもちろん、様々なタイプの楽曲を歌っていたことが良い経験になったのだと思います。
Posted by everywhere at 2008年07月14日 19:13
腰どころかヒザまで届きそうな長い髪を揺らしながら「溢れる愛」を歌う「動くNicolette Larson」を初めてTVで観たのはいつだったか・・。

彼女が亡くなったのを数年後に知ったときには、なぜか初恋の女性を失ったような悲しみがありました。
それほど大ファンというわけでもなかったのに不思議なものです。
Posted by Kaz at 2008年07月14日 23:41
☆everywhereさん

ありがとうございます。

僕の場合、適度にソウルフルなNicoletteのヴォーカルがウエスト・コースト・サウンドとうまく結びついた感じが好きでしたね。確かにどのようなタイプの曲でも歌いこなす柔軟性を持ったシンガーですよね。
Posted by ez at 2008年07月16日 00:01
☆Kazさん

ありがとうございます。

> なぜか初恋の女性を失ったような悲しみがありました。

その感覚とてもよくわかります!
僕の中のNicolette Larsonは、永遠に本作のジャケのようなピュアなイメージなんですよね。

youtubeで「溢れる愛」のPVを観ていたら胸に何か込み上げてくるものがありました。
Posted by ez at 2008年07月16日 00:02
溢れる愛、懐かしいです
FM雑誌を見てカセットテープに邦題を写したのを思い出しました。
この一曲だけでもかなり幅広い歌い方を披露していましたね。。。
Posted by けん at 2008年07月18日 01:48
☆けんさん

ありがとうございます。

僕も「溢れる愛」は、FMラジオやエアチェックしたカセットで聴いた記憶が強いですね。意外にソウルフルなヴォーカルにグッときました!
Posted by ez at 2008年07月18日 15:38
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