発表年:1972年
ez的ジャンル:サルサ絶頂期オールスター・ライブ
気分は... :サルサと言えばコレですな!
今日はサルサ超オススメの1枚、Eddie Palmieri『Sentido』(1973年)を紹介したかったのですが、Amazonに画像がないので断念しました。
代わりにセレクトしたのは同じサルサのアルバムFania All-Stars『Live At The Cheetah Vol.1/Vol.2』です。まぁ、サルサの歴史を語るうえで欠かすことのできない伝説のライブ・アルバムですね。
Fania All-Starsは、N.Y.サルサを代表するレーベルFniaのオールスター・グループ。レーベルの創設者Johnny Pachecoを中心にFaniaの看板アーティストが大挙参加しています。
『Live At The Red Garter』(1968年)、『Latin-Soul-Rock』(1974年)、『Live At Yankee Stadium』(1975年)といった名ライブ・アルバムをリリースしていますが、代表作ということであれば、やはり『Live At The Cheetah Vol.1/Vol.2』ということになると思います。
本作は1971年8月26日にN.Y.のクラブEl Cheetahで行われたライブを収録したものです。
ちょうどこのライブが行われた時期は、新しいラテン音楽としてのサルサがN.Y.のラテン・コミュニティで熱狂的に受け入れられた時期とリンクするものです。僕の曖昧な知識ですが、新しいN.Y.のラテン音楽に"サルサ"と命名したのは本作の「Introduction Theme」でもMCを努めた雑誌『Latin N.Y.』の編集長Dizzy Izzy Sanabriaだったと記憶しています。
本作におけるメンバーは、Johnny Pacheco(fl)、Ray Barretto(per)、Larry Harlow(p)、Willie Colon(tb)、Roberto Roena(per)、Bobby Valentin(b)というFaniaを代表する名プレイヤーに、Santos Colon、Hector Lavoe、Ismael Miranda、Pete "El Conde" Rodriguez、Adalberto Santiagoという多彩なボーカル陣が名を連ねます。
さらにゲスト&フィーチャリング・プレイヤーとして、Jose "Cheo" Feliciano (vo)、Ricardo Ray(p)、Bobby Cruz (vo) 、Roberto Rodriguez(tp)、Reinaldo Jorge(tb)、Barry Rogers(tb) 、Larry Spencer(tp)、Yomo Toro(tres)、Orestes Vilato(per)、Hector Zarzuela(tp)らが参加しています。
正直、若い音楽ファンが聴くのであれば、クラブDJにも人気の高い『Latin-Soul-Rock』あたりの方がピンと来るかもしれません。それでも、サルサ創成期の熱狂ぶりを伝えるドキュメントという点で、『Live At The Cheetah Vol.1/Vol.2』は歴史的価値を持つアルバムであり、ラテン音楽のマスト・アイテムとしてぜひ聴いて欲しいですね。
Vol.1とVol.2に分かれていますが、ゲットするならば絶対2枚1セットでどうぞ!
全曲を紹介しときやす。
「Introduction Theme」
単なるメンバー紹介なのですが、当時のサルサの熱気が伝わってきます。まず、雑誌『Latin N.Y.』の編集長Dizzy Izzy SanabriaがNYの有名なDJである故Symphony Sidを紹介します。そして、そのSidがグループのリーダーJohnny Pachecoを紹介し、Pachecoがグループのメンバーをスパニッシュ&英語で紹介していきます。
「Descarga Fania」
Ray Barretto作品。Vol.1で一番好きな演奏。Descargaとはサルサにおけるジャム・セッションのことであり、各プレイヤーのソロを堪能できます。クラーべのリズムに合わせた手拍子で観客もヒートアップ。相当テンション高いのがビンビン伝わってきますな。リード・ヴォーカルはAdalberto Santiago。
「Anacaona」
C.Curet Alonso作品。Jose "Cheo" Felicianoがリード・ヴォーカル。絞首刑となったカリブ海の女王アナカオーナの悲劇を歌ったこの曲は、サルサらしい哀愁のメロディを堪能できます。
「Quitate Tu」
Johnny Pacheco/Bobby Valentin作品。16分を超える長尺ですがリラックス・ムードの中でHector Lavoe、Pete "El Conde" Rodriguez、Ismael Miranda、Jose "Cheo" Feliciano、Adalberto Santiago、Johnny Pacheco、Santos Colonという多彩なヴォーカリストの歌を堪能できます。Yomo Toroによるトレス(ギターよりやや小さいキューバの弦楽器)・ソロで大いに盛り上がります。
ここまでがVol.1です。
「Ahora Venga Yo」
ここからがVol.2です。この曲はJohnny Pacheco作品。Bobby CruzのヴォーカルとRicardo Rayのピアノが大きくフィーチャーされています。個人的には「Ponte Duro」と並ぶVol.2のお気に入り。サルサならではの粋な感じが一番伝わってくる気がします。Ricardo Rayのピアノがサイコーにキマっています!
「Estrellas de Fania」
C.Curet Alonso/Johnny Pacheco作品。「Quitate Tu」同様、Adalberto Santiago→Hector Lavoe→Ismael Miranda→Pete "El Conde" Rodriguez→Santos Colon」とヴォーカリストのオンパレードです。僕はどうしてもHector Lavoe、Ismael Mirandaあたりが気になるのですが。
「Que Barbaridad」
Ismael Miranda作品。もちろんリード・ヴォーカルはIsmael Mirandaですが、途中からHector Lavoeも加わりと...サルサ・ファンの人気を二分する看板ヴォーカリスト2人の共演はたまりませんね。
「Ponte Duro」
Johnny Pacheco作品。Vol.2で一番お気に入りの演奏です。サルサらしくトロンボーン、トランペットといった管楽器とパーカッション系打楽器のエキサイティングな演奏を堪能できます。
「Macho Cimarron」
Johnny Pacheco作品。リード・ヴォーカルはPete "El Conde" Rodriguez。Johnny Pacheco(fl)、Larry Harlow(p)、Ray Barretto(per)、Willie Colon(tb)というグループの看板プレイヤー4人のソロを聴けるのがグッドです!
「Closing Theme」
伝説のライブの中締め(?)としてリーダーJohnny Pachecoのご挨拶でございます...
このライブの映像を収録した『Our Latin Thing』もあります!
Our Latin Thing / Nuestra Cosa
(でもサラリーマンには地獄のシーズンですが・・)
ezさんの記事もラテン関係が増えてくるのでしょうか。
Bossa Novaで涼むのもいいけど、SalsaやMamboで汗をかくのもサイコーっすよね!
でも僕はラテン系は全然詳しくないので、ezさんの記事を参考にさせて頂きつつ、暑い夏を乗り切るぞー!!
ありがとうございます。
暑い日が続きますね。
毎日鰻食べてスタミナつけたい気分です(笑)
> ラテンミュージックの似合う季節がやってきましたね〜。
そうですね。
ラテンに限らず、この季節だからこそ聴きたい作品ってありますよね。
サルサ、ブラジル、フュージョン、レゲエ、ラテン・ロック等夏らしい作品を取り上げる予定です。
お気に入りの音楽で、お互い夏を乗り切りましょう!