2008年08月06日

Gil Scott-Heron & Brian Jackson『It's Your World』

ラテン・フレイヴァーのクロスオーヴァー・サウンド全開!☆Gil Scott-Heron & Brian Jackson『It's Your World』
It's Your World
発表年:1976年
ez的ジャンル:ラテン・フレイヴァー系ジャズ・ファンク/クロスオーヴァー
気分は... :やった!1000回達成

1000回目の記事投稿です!
やはり感慨深いものがありますね。

ここまで継続できたのも、多くの方が閲覧くださるおかげです。
着実に訪問者数、ページ閲覧数が増えているのは本当に励みになります。
感謝!感謝!感謝!です。

投稿回数を自慢する気はありませんが、それでもこの1000本の記事は僕自身の貴重な財産だと思っています。記事を書くことで、今まで以上に作品に対する理解が深まったり、愛着が増してきた気がします。

「年代、ジャンルを問わず」という本ブログのコンセプトも、記事の投稿数が増えるほど面白みを増してきたのでは?時にはオヤジ趣味丸出しの場合もありますが、自称"音楽年齢不詳"の僕らしいセレクトになっているのではと思っています(笑)

"次は2000回目指して"なんて大きなことは言わず、1100回目指してコツコツ頑張りたいと思います。

さて、記念の1000回目にセレクトしたのはGil Scott-Heron & Brian Jackson『It's Your World』(1976年)です。

Gil Scott-Heronの紹介は、『Pieces Of A Man』(1971年)に続き2回目です。

ポエトリー・リーディング/ジャズ/ファンク/ソウル/ラテン等が融合した、まさにクロスオーヴァーなミュージシャンですね。元々詩人であったったGil Scott-Heronに音楽的な影響を与えたのが、リンカーン大学時代のバンド仲間Brian Jacksonです。

Gil Scott-HeronBrian Jacksonとの双頭名義で『Winter in America』 (1974年) 、『The First Minute of a New Day』 (1975年)、『From South Africa to South Carolina』 (1975年)、『It's Your World』 (1976年)、『Bridges』(1977年)、『Secrets』(1978年)、『1980』(1980年)といった作品をリリースしています。

その中でも最も内容が充実しているにが本作 『It's Your World』 (1976年)であると思います。冒頭3曲とラストの4曲がスタジオ録音、それ以外の6曲がライブ録音という変則ライブ・アルバムです(オリジナルはLP2枚組)。

メンバーは、Gil Scott-Heron(vo、el-p)、Brian Jackson(key、fl、vo)をはじめ、Danny Bowens(b)、Bilal Sunni Ali(ts、fl)、Barnett Williams(per)、 Tony Duncanson(per)、Reggie Brisbane(ds、per)、 Delbert Taylor(tp)、Victor Brown(vo)といったメンバーがMignight Bandとしてバックを努めています。

バックに Mignight Band を配するようになった 『The First Minute of a New Day』 (1975年)あたりから、ラテン色を加えてますます多彩なジャズ・ファンクを展開するようになったGil & Brianですが、そのクロスオーヴァー・サウンドが頂点に達したのが 『It's Your World』 だと思います。特にラテン色の強さが印象に残りますね。

1976年時点で現在にも通じるクロスオーヴァーな演奏をしていたことに驚かされます。

1000回目の記事投稿に関連させると、60年代、70年代、80年代の作品を紹介する場合、自分よりも下の年代の人たちが楽しめる作品か?という景色で作品を眺めるようにしています。そうした視点を持つことで、僕自身も作品に対する新たな気づきが生まれるのではないかと...音楽年齢不詳でいるためのトレーニングみたいなものです(笑)

その意味で『It's Your World』 は、まさに今聴くべき70代作品に相応しい1枚だと思います。

全曲紹介しときやす。

「It's Your World」
今でもクラブ・クラシックとして人気の高いタイトル曲。ラテン・フレイヴァーの心地良いミッド・グルーヴに仕上がっています。

「Possum Slim」
ニューソウル的な雰囲気も漂う仕上がり。Gil自身は特に歌の上手い人ではないと思うのですが、特別な何かを感じさせてくれますよね。

「New York City」
個人的にはスタジオ録音の中で一番のお気に入りです。初めて聴いた時、タイトルと出だしの雰囲気から"Al Kooper「New York City (You're A Woman)」のカヴァー?"なんて思ったりもしましたが、Gilのオリジナルです。実にムーディーなミディアム・スロウですが、中盤で一転サルサ・チューンへ豹変するところがサイコーですね。

ここまでの冒頭3曲がスタジオ録音です。

「17th Street」
ここからがライブとなります。Gilのヴォーカルをナビゲートするかのような、フルートの涼しげな音色が印象的ですね。

「Trane」
Alice Coltraneが(多分)故John Coltraneに捧げた「Gospel Trane」にGilが歌詞をつけたもの(「Gospel Trane」のオリジナルはアルバム『A Monastic Trio』収録)。さすがにアルバムの中で一番ジャズしていますね。
                                                              
「Must Be Something」
アルバム『The First Minute of a New Day』収録曲。地味ながらもGil & Brianを中心としたバンドのまとまりを感じるミッド・グルーヴ。

「Home Is Where the Hatred Is」
アルバム『Pieces of a Man』収録曲。ライブの中では「The Bottle」と並ぶハイライト曲だと思います。ジャズとファンクとラテンの美味しいところを凝縮させたような演奏ですね。特に中盤以降の盛り上がりはサイコーです!

「Bicentennial Blues」
Gilの原点であるポエトリー・リーディングです。ライブだと観客の反応もわかるので、これはこれで楽しいのでは?

「The Bottle」
Gilのキャリアを代表する名曲ですね。Paul Wellerのカヴァーなどでお聴きの方も多いかもしれませんね。アルバム『Winter in America』収録のオリジナル以上にパーカッシヴな展開です。バンドの持つラテン・フィーリング全開といった感じがサイコーです。これぞクロスオーヴァー!

「Sharing」
ラストは再びスタジオ録音です。Victor Brownのヴォーカルをフィーチャーしています。 じっくり聴かせるジャズ・ヴォーカル・チューンに仕上がっています。

今日からオリンピック始まりますね。
なでしこジャパンをみんなで応援しましょう!
posted by ez at 14:05| Comment(8) | TrackBack(0) | 1970年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
初めまして。
1000回おめでとうございます。この日に初コメントをしようとじっと待っておりました。

これだけ続けられるのはすごいことですよね。ブログが一つの作品ですね。自分は始めてまだ2ヶ月ですが、このブログを見習って頑張ります!
Posted by milkwood at 2008年08月06日 17:12
ezさん、

1000回目の記事投稿、おめでとうございます!!
これだけの量をほぼ毎日というペースで更新されたとは、さすがはezさんです!
これからも楽しみにしています:)
そしてこのブログがいつかまた別の形で作品となる日を密かに願っています。
Posted by M at 2008年08月06日 19:25
祝1000回!!
知識も文才も根気もない僕から見れば神がかり的な偉業です。

ところで今、ふと「記事を本にしたらどのくらい?」と思って計算したんですが、記事の文字数が1回当たり(おおよそ)2,500字だとして1000回で250万字。300ページ程度の文庫本で編集すると、約12冊分に相当しますね。
3年弱で12冊って、そこいらの小説家より文章書いてますね〜。

ツマラナイ話で恐縮でした。
これからも素敵な音楽に出会えること、楽しみにしてますので今後とも宜しくです。

おっと、Gil Scott-Heron。
歌詞の内容が理解できればもっといいんでしょうがサウンドと声だけでも最高にクールですよね!
Posted by Kaz at 2008年08月07日 00:34
☆milkwoodさん

ありがとうございます。

> ブログが一つの作品ですね。

そのように言っていただけるなんて、身に余る光栄です。
これを励みにこれからもコツコツ投稿を続けたいと思います。

何事も目前の出来ることを日々積み重ねていくと、その先に何か見えてくるのかもしれませんね。

お互いブロガー生活を楽しみましょう!
Posted by ez at 2008年08月07日 05:20
☆Mさん

ありがとうございます。
音楽談義を兼ねて、一度暑気払いしましょうね。
これからもお気軽にお立ち寄りください。
Posted by ez at 2008年08月07日 05:21
☆Kazさん

ありがとうございます。

> そこいらの小説家より文章書いてますね〜。

皆さんが、ビジネス文章を作成している間に、僕はブログ記事を作成しているだけかもしれません(笑)

でも少し真面目な話をすると、最近は公私共にコミュニケーション・ツールとしての文章の重要性を痛感しています。その意味では1000回記事投稿したということは、"文章1000本ノック"を受けたようなものかもしれませんね。頭で考えるより、体に覚えさせる方が効果があるかも?

> おっと、Gil Scott-Heron。

サウンド面ではこのアルバムで1つの頂点に達したような気がします。
ラテン・フィーリング濃い目な感じが気に入っています。

これからもKazさんと楽しく交流できるように投稿を重ねていきたいと思いますので、どうぞよろしくお願い致します。
Posted by ez at 2008年08月07日 05:24
こんにちわ!

いきなりで恐縮ですが、こちらのブログを当ブログにリンク付けして宜しいでしょうか?

ezさんのブログはかなり興味のあるものばかり細かくレビューされてますので、大変参考になります。
Posted by milkwood at 2008年08月07日 16:24
☆milkwoodさん

ありがとうございます。

> こちらのブログを当ブログにリンク付けして宜しいでしょうか?

全然OKですよ。当方は諸事情からリンク集を設けていないので恐縮ですが。
Posted by ez at 2008年08月08日 11:41
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