発表年:2008年
ez的ジャンル:21世紀ボッサ
気分は... :夏はボッサですな!
今日はこの夏一番のお気に入り新作アルバムSabrina Malheiros『New Morning』です。
Sabrina Malheirosはブラジル・リオ出身の女性シンガー。父はブラジルを代表するジャズ・ファンク/クロスオーヴァー・グループAzymuthのベーシストAlex Malheiros。そんな音楽一家の中で育ったSabrinaも当然のように音楽家の道を歩み、1991年には父のグループAzymuthのレコーディングに参加しています。
2005年にはAzymuthもバックアップしているイギリスのレーベルFar Outから、デビュー・アルバム『Equilibria』をリリースしています。このデビュー・アルバムをプロデュースしたDJ VenomことDaniel Maunickは、IncognitoのリーダーBlueyの息子さんです。
『Equilibria』は、ブラジル音楽ファンのみならず、クラブ・リスナーの間でも話題となり、2006年には『Equilibria』のリミックス・アルバム『Vibrasons』をリリースしています。
そんなSabrina Malheirosの最新作が2ndアルバムとなる本作 『New Morning』 です。
プロデュースは前作に続きDaniel Maunick。ソングライティングは、Carole Kingの名曲カヴァー「It's Too Late」を除き、Sabrina Malheiros自身が書いています(父Alex、プロデューサーDaniel等との共作含む)。また、70年代に活躍したアレンジャー/ソングライターArthur Verocaiが約半数の曲でアレンジを担当しています。
クラブ・サウンドも意識したサンバ/ボッサ・サウンドは"21世紀ボッサ"の謳い文句に相応しい出来栄えだと思います。純粋なブラジル音楽よりもボッサ感覚のクロスオーヴァーが好きな人がハマる作品かもしれませんね。
やはり夏はボッサですな。
全曲紹介しときヤス。
「Brisa Mar」
僕の一番のお気に入り曲。まさに"21世紀ボッサ"な仕上がり。ブラジル音楽好きもクラブ系音楽好きも気に入るメロウ・グルーヴ。Arthur Verocaiのアレンジがサイコーですね。
「Nova Estacao」
先週紹介したBrazilian Love Affairのラウンジ・ボッサに近いテイストを持った仕上がりですね。
「Sintonia」
ブラジリアン・クロスオーヴァー。以前に紹介したEsperanza Spalding『Esperanza』あたりと一緒に聴きたくなりますね。
「New Morning」
タイトル曲はコズミックな雰囲気も漂うクラブ仕様の"21世紀ボッサ"。UKクラブ・シーンらしい仕上がりがグッド!
「Alem Do Sol」
純粋にブラジル人シンガーソングライターを堪能できる仕上がりです。ジャケ写真のように誰もいない浜辺で聴きたいですね。
「It's Too Late」
Carole Kingの名曲カヴァー。 小粋なアレンジが気に入っています。
「Essa Cancao」
メロウ・ボッサ・チューンということで言えば、この曲が一番かもしれませんね。雄大でロマンティックなストリングスが盛り上げてくれます。
「Eira Nem Beira」
クラブ云々は関係なく純粋にブラジル音楽好きの人が気に入るのがこの曲なのでは?パーカッシヴな仕上がりがいいですねぇ。
「Connexao」
クラブ系リスナー向けブラジリアン・クロスオーヴァー。このあたりDaniel MaunickはさすがBlueyの息子って感じがしますね。国内盤にはボーナス・トラックとしてDisco Remixも収録されています。ハウス好きの方はこちらもどうぞ!
「Sem Pressa」
Azimuthのメンバーがバックを務めるクロスオーヴァー・チューン。90年代のAcid Jazzの雰囲気もありますね。
「Vou Voar」
落ち着いたソウル・サンバ。父Alexのバック・コーラスもいい感じです。
「Nuances」
収録曲の中で唯一イマイチな感じの仕上がりですね。
Elis Reginaの娘Maria Ritaあたりも含めて、ブラジル音楽は2世アーティストにハマるようです(笑)