発表年:1971年
ez的ジャンル:サウダージ系ボサノヴァ
気分は... :ジーコJapan頑張れ!
サッカー2006年W杯ドイツ大会の1次リーグの組み合わせ抽選が終わりましたね。しばらくはこれで頭が一杯になりそうっす。
日本が入ったF組(ブラジル、クロアチア、オーストラリア、日本)は、まぁまぁのクジ運なのでは?個人的には、ヨーロッパ強豪、南米、アフリカの組み合わせが最悪だと思っていたので、ヨーロッパ強豪国とアフリカを避けることができたのはラッキーだと思いマス。とはいえ、ブラジル、クロアチアの2ヶ国が予選突破というのが順当な予想ですよね。ジーコJapanには何としてもこの予想を覆して欲しいものデス。
ということで今回はボサノヴァ・アルバムの名盤Nara Leao『Dez Anos Depois』です。
Nara Leao(1942-1989年)は1962年デビューの「ボサノヴァのミューズ(歌姫)」と呼ばれていたブラジルの女性歌手である。本作は、軍事政権の圧力によりフランスへ亡命していた時期に、滞在先のパリで録音された。
デビュー前からボサノヴァ界で注目されていたNara Leaoだが、彼女自身は長年ボサノヴァというアプローチを避け続けており、実は本作が初の全編ボサノヴァ・アルバムである。ブラジルから遠く離れたパリの地で故郷への郷愁を強く覚えた彼女は、故郷を象徴するボサノヴァを歌わずにはいられなかったのであろう。殆どギターだけの伴奏で歌われるボサノヴァの名曲一つひとつに込めた彼女の想いが優しく伝わってくる。
一般的に、“ブラジル”と聞いてイメージするのは、サッカーやカーニバルであり、それらを通じてラテン系の陽気で楽しいブラジル人像を描くと思う。
一方で、“サウダージ(Saudade)”と表現される独特の感情を強く持つのもブラジル人である。サウダージとは、昔のことを懐かしく思い出すことや郷愁を意味するポルトガル語である。ジーコやアイルトン・セナ(今は亡き元F1世界チャンピオン)といったブラジルが生んだ世界的ヒーロー達には、まさにこの言葉がぴったりである。彼らは、多くの栄光を手に入れたスーパースターでありながら、いつもどこかもの悲しく遠くを見つめる表情が強く印象に残る。
ボサノヴァという音楽が日本人ウケする理由は、単にオシャレな音楽であるという以外に、このサウダージ感覚が日本人の感性とマッチしているからではないかなぁ?
オススメ曲を紹介しときやす。
「Desafinado」
ボサノヴァの創始者Antonio Carlos Jobim作曲のナンバー。このアルバムで一番のお気に入りデス。タイトルを直訳すると「音痴」。1958年にJoao Gilbertoが初めてこの曲を録音した時には、ホントの音痴が歌っていると思われたらしい。当時、ボサノヴァが新しい感覚の音楽であったことを示す話だよね!
「Rapaz de Bem」
労働は最悪の道徳なり!と歌うブラジル人らしいナンバー。
「O Amor Em Paz」
Jobim作曲、Vinicius de Moraes作詞という強力コンビによるメロウなナンバー。
「Outra Vez」
Jobim作詞・作曲のナンバー。去っていく恋人への切ない想いを歌っていマス。
「Samba de Uma Nota So」
Jobim作曲の軽快なナンバー。“一つの音だけで出来ているサンバ”のことを歌っているのだが、僕には全然意味がわかりません??
「Garota de Ipanema」
以前に紹介したとおりStan Getz/Joao Gilberto『Getz/Gilberto』(1964年)に収録され、ボサノヴァという音楽が世界中に知れわたるきかっけをつくったJobim作品。Naraはシンプルな仕上がりでカヴァーしてマス。
「Voce E Eu」
“あなたは...私なのです!”と軽やかに歌うラブソング。
「Fotografia」
またまたJobim作詞・作曲。やさしいメロディとロマンテックな詩がとてもマッチしていてステキです。
日本が入ったF組ばかり目が行きがちですが、サッカーファンとしては、C組(アルゼンチン、コートジボワール、セルビアモンテネグロ、オランダ )、E組(イタリア、ガーナ、アメリカ、チェコ)の激戦グループに大注目です!
macさんのようにポルトガル語がわかる方は、もっとこのサウダージ感覚を深く感じ取れるんでしょうね!羨ましい限りですっ。
これからもよろしくお願い致します。