発表年:1997年
ez的ジャンル:マンチェスター系UKロック
気分は... :初心を忘れず4年目に突入!
すっかり忘れていましたが、今日でちょうどブログ開設3年になりました。
これまでと変わらず、音楽年齢不詳の間口が広く、敷居の低いブログを書き続けたいと思っています。"音楽好き"のスタンスで作品を紹介する姿勢も貫いていきたいですね!
"音楽マニア"ではなく"音楽好き"のスタンスで、作品を"レビューする"のではなく"紹介する"という点は、かなりこだわっている部分なんですよ。このスタンスのおかげで、僕自身がブログ上で様々なジャンル・年代の作品を自由に楽しむことができるのかなと...
さて、4年目突入の1発目はUKのロック・グループ The Charlatans のUKチャートNo.1となった5thアルバム『Tellin' Stories』(1997年)です。
The Charlatans は1988年にバーミンガムで結成され、ノースウィッチを拠点に活動を本格化させます。当時はHappy Mondays、Stone Rosesといった マンチェスター・サウンド がブームであり、そうした流れの中でCharlatansにも注目が集まりました。1990年にリリースしたデビュー・アルバム 『Some Friendly』 はいきなりUKアルバム・チャートNo.1を奪取し、華々しいデビューを飾ります。
デビュー当時のメンバーは、 Martin Blunt (b)、 Tim Burgess (vo)、 Rob Collins (key)、 Jon Brooks (b)、John Bake(g)の5人。その後ギターがJohn Bakeから Mark Collins にチェンジしています。
1990年代前半にマンチェスター・ブームが終焉し、1992年末にはメンバーのRob Collinsが強盗未遂容疑で逮捕されるといったトラブルにも巻き込まれますが、グループは2ndアルバム 『Between 10th and 11th』 (1992年)、3rdアルバム 『Up to Our Hips』 (1994年)をリリースし、活動を継続させます。
そして、1995年にリリースした4thアルバム 『The Charlatans』 がUKアルバム・チャートNo.1に輝き、見事な復活を遂げます。
しかし、その直後に悲劇がグループを襲います。5thアルバムの制作中の1996年夏に Rob Collins が交通事故で急死してしまったのです。強盗未遂で逮捕されるなどのトラブルも引き起こしましたが、Rob Collinsが織り成すキーボードはグループの音の中核であり、その痛手は計り知れないものでした。
それでもグループは悲しみを乗り越え、1997年初めに今日紹介する5thアルバム 『Tellin' Stories』 を完成させます。 『Tellin' Stories』 は前作同様UKアルバム・チャートNo.1となり、亡きRobへグループの存続を誓ったのでした...
その後Tony Rogersが新しいキーボード奏者として加わり、バンドは今日まで息の長い活動を続けています。
ということで、メンバーの死という悲しみの中で制作されたアルバムが 『Tellin' Stories』 です。ただし、そんな危機的状況下で制作されたというのが信じられないほどの充実作に仕上がっています。
Rob Collinsの代わりのキーボード奏者として、急遽Primal ScreamのMartin Duffyがレコーディングに参加しています。また、Chemical BrothersのTom Rowlandsが数曲に参加しています。Chemical BrothersとCharlatansの間には過去にもChemical Brothersの2ndシングル「Life Is Sweet」(1995年)にTim Burgessのヴォーカルがフィーチャーされたり、4th『The Charlatans』の曲をChemical Brothersがリミックスしたりといった交流がありました。
本作ではアメリカ南部志向のアーシーな音作りが目立ちます。またTom Rowlands(Chemical Brothers)の参加が、アーシーなサウンドにデジタルなスパイスを振りまき、独自の音世界の構築に大きく貢献しています。
そして何より、全曲ソングライティングが素晴らしい点と、肉感的な骨太のロック・サウンドを聴かせてくれる点に僕は惹かれましたね。
マンチェスター・ブームの終焉、メンバーの死といった苦難を乗り越えて、よりたくましくなったバンドの勇姿が伝わってくる作品だと思います。
久々に聴きましたが、ズシッとした確かな手応えは当時と全く変わりありませんでした。
UKロックも捨てたもんじゃない!ロック離れの進む僕にそんな思いを抱かせてくれる1枚ですね。
全曲紹介しときやす。
「With No Shoes」
このオープニングを聴いただけで本作が名作だと確信できます。 アメリカ南部志向のアーシーなサウンドにTom Rowlandsが幻想的な音像を加え、Charlatansならではのサウンドを構築することに成功しています。曲も良いし、Tim Burgessの揺れるヴォーカルも雰囲気にばっちりハマっています。
「North Country Boy」
アルバムからの2ndシングルであり、UKシングル・チャート第4位のヒットとなりました。タイトルはBob Dylan「Girl From the North Country」がモチーフになっています。シングルのジャケも同じくDylanがモチーフになっています。アーシーな味わいから、彼らがアメリカン・ロックをも血肉とした骨太バンドであることが実感できるはずです。あとは曲が抜群ですね。ホント、彼らのソングライティング能力の高さには脱帽です。
North Country Boy
「Tellin' Stories」
タイトル曲はアルバムからの4thシングルにもなり、UKシングル・チャート第16位となりました。アコースティックな響きの中にコズミック&スペイシーな雰囲気が漂う音世界が展開されます。特に後半の雄大さは素晴らしいでしね。CharlatansらしさにTom Rowlandsがパンチのあるスパイスを効かせたカンジです。
「One to Another」
アルバムからのリード・シングルであり、Rob Collinsが全面参加した最後のシングル。UKシングル・チャート第3位のヒットとなりました。そういった話題を抜きにしても、キャッチーなメロディとエッジの効いたサウンドには強烈なインパクトがあります。Tom Rowlandsとのコラボが功を奏したかたちです。
「You're a Big Girl Now」
UKらしいフォーキー・グルーヴ。イナタさにグッときます。このあたりの緩急のつけかたが絶妙ですな。
「How Can You Leave Us」
純粋に曲の良さに感動できます。正攻法でここまで聴き応えのある作品に仕上げられるのはバンドの基礎がしっかりしているだからでしょうね。
「Area 51」
タイトルからするとイチローのテーマ曲か?...な訳ありませんな(笑)オルガン・サウンドとブレイクビーツのリズムが絡むファンキーなインスト・チューンです。
「How High」
アルバムからの3rdシングルとしてUKシングル・チャート第6位のヒットとなりました。ライブ・レパートリーとしてもお馴染みの曲ですね。ルーズなグルーヴ感とBob Dylanのように捲くし立てるTim Burgessのヴォーカルのマッチングが抜群です。
「Only Teethin'」
パーカッシヴなアコースティック・チューン。このあたりのアクセントの付け方もいいですね。
「Get on It」
Oasisが思い切りBob Dylanしてる感じです。Oasisは全く好きになれなかった僕がこんな説明をするのも変なのですが(笑)
「Rob's Theme」
タイトルの通り、Rob Collinsに捧げられたインスト。Robのキーボード・サウンドを思い出しながら、彼を偲びましょう!
あと数時間でW杯アジア最終予選「バーレーン対日本」です。
アウェーで勝ち点1をゲットしてくれば十分だと思います。
引き分け狙いで確実にそれを達成できる守備力があるチームは強いと思います。日本代表の実力は?