2005年12月16日

The Jam『Setting Sons』

Paul Weller率いるThe Jamの絶頂期を示したアルバム『Setting Sons』♪
Setting Sons
発表年:1979年
ez的ジャンル:硬派系ネオモッズ
気分は... :兄貴についていきマス!

以前Style Council『Our Favorite Shop』の紹介で書いたとおり、Paul Wellerは僕にとっての永遠の憧れの人だ。

Paul Weller(g)とBruce Foxton(b)、Rick Buckler(ds)による3ピースバンドThe Jamは、パンク・ムーヴメント真っ只中に、ダークスーツに細身のネクタイというモッズ・ファッションで1977年にデビューしたバンドである。

当時は、The Jamもパンク・ムーヴメントの中から出てきたバンドの1つという扱いが多かったように思う。ただし、Sex Pistols、Clash、Damdといったアナーキーなアジテーターというイメージが強い他のパンクバンドとは、明らかに違う存在だったけどね。

僕がJamの存在を知ったは、シングル「Going Underground」が全英No1になった頃だったと思う。ある音楽雑誌を見たら、UKの音楽専門誌によるアーティスト人気投票結果が掲載されており、各部門をJamが総ナメにしていた。それまで、僕がリアルタイムで聴いていたのは全米チャート上位のアーティストが中心であったが、全米チャートで全く見かけたことがないバンドがUKでダントツの人気を誇っているという事実に正直驚いたねぇ。

日本でもUKパンクバンドは音楽雑誌で紹介されてはいたが、大きな扱いだったのはSex Pistols、Clashあたりで、The Jamはかなりマイナー扱いだったと思う。そんな知る人ぞ知るみたいな点でもJamおよびPaul Wellerに大きな興味を覚えた。

そんな時に購入したのがその時点での最新作だった『Setting Sons』だ。当時はモッズやネオモッズなんて言葉さえ全く知らなかった僕は、かなりラフでノイジーな音を予想したんだけど、聴いてビックリ!“意外と音楽的なマジメなバンドなんだ”というのが第一印象だったかなぁ。

その後、Jamのオリジナルアルバムは全作揃えたが、やっぱり『Setting Sons』が僕のイメージするJamに最も近いと思いマス。

オススメ曲を紹介しときやす。

「Girl on the Phone」
僕のJam初体験となったオープニング・ナンバー。とにかく小気味良い!という印象だったねっ。今聴くと、Paul WellerのR&B好きがよく反映されている曲だよねっ。

「Thick as Thieves」
聴いた途端“これだっ!”と思ったね。LPのA面2曲目のこの曲に出会ってから、僕のPaul Weller信奉が始まった。飾り気のないシンプルなカッチョ良さに目覚めたってカンジだったかな。

「Private Hell」
エッジが効いたサウンドがシリアスな雰囲気が漂わせるアップナンバー。歌詞もロクに理解できていなかったけど、Paul Wellerのボーカルに若者の代弁者としての存在感は感じたね。

「Little Boy Soldiers」
先に書いた音楽的なバンドなんだと思った曲。このドラマティックな展開は、60年代の元祖モッズバンドThe Whoに通ずるものがあるよね。

「Wasteland」
このメロディアスかつポップなナンバーも意表を突かれただったね。直球一本勝負ではなく、適度に変化球が混ざっているのがこのアルバムの魅力かもね。

「Burning Sky」
ストレートなロックとR&Bテイストがうまくブレンドして、Jam独特の音に仕上がっているナンバー。当時は多少変テコな印象を受けたんだけど、どれがかえってクセになってたかも?

「Eton Rifles」
全英チャートで大ヒットした彼らの代表曲の1つ。♪Hallo〜Hurrah〜♪のところは思わず握り拳をあげたくなるよねっ。Bruceのベースリフがカッチョ良いデス。

「Heat Wave」
Supremesと並ぶMotownの代表的なガールグループMartha & Vandellasの1963年の大ヒット曲のカバー。実は、このアルバムの一番のお気に入りはこの曲デス。オリジナルも大好きだし、この曲のカバーとして最も有名なThe Whoのバージョンも当然大好きだけど、このスピード感溢れるJamバージョンはそれらに全くひけを取りません。むしろ、Jamバージョンが一番カッチョ良いと思いヤス。

最近の本作にはボーナストラックで前述のNo1シングル「Going Underground」等も収録されていてお買得デス。僕は「Going Underground」欲しさにわざわざベスト盤かったんだけどねぇ。

僕はThe WhoとThe Jamをほぼ同時期に聴きはじめた。にも関わらず、The Whoは初期モッズ時代ではなく、『Tommy』『Who'next』あたりから入ってしまったため、なかなか両者の接点に辿りつくまで時間がかかった。もし、両者がもっと早い時期にシンクロしていたならば、かなりモッズにハマっていただろうね。そしたら、今頃もっとカッチョ良い生き方をしていたかも???
posted by ez at 01:26| Comment(2) | TrackBack(5) | 1970年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
TBありがとうございます
そうですよね、THE JAMの最高傑作はこれですよね!!!
これからも、ヨロシク!!!
Posted by Shinyan at 2006年01月09日 08:06
☆Shinyanさん

ありがとうございます。かなり無節操にいろんなアルバムを紹介しているブログですが、これからも気軽に立ち寄ってくださ〜い。
Posted by ez at 2006年01月10日 04:36
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]


この記事へのトラックバック

Setting Sons
Excerpt: Setting Sons 天下無敵のMod Song「Heatwave」が入っている、ぐいぐい押し捲るThe Jam の到達点のアルバム。次はややサイケ色、そして最後はファンク色となって行きました。..
Weblog: All Mod Cons
Tracked: 2005-12-18 13:33

THE JAM
Excerpt:  ご存知、ブリットポップの騎手“ポール・ウェラー”の在籍していたバンドである。 先日、このバンドの一番気に入っていたCDをCDを整理中に見つけて 最近良く聴いている、それがこれ
Weblog: しんやんの徒然
Tracked: 2006-01-09 00:21

ザ・ジャム『Setting Sons』
Excerpt: ポールウェラー率いるThe Jamの1979年発表4thアルバム『Setting Sons』。 これも短いねぇ。収録時間33分。最近のCDはボーナストラックが山盛り足されて長くなってるみたいだけ..
Weblog: ・・・そしてロック野郎になった
Tracked: 2006-12-22 12:55

ジャム 3
Excerpt: NO.00642 ザ・ジャムのライヴアルバム『ライヴ・ジャム』 “ペコちゃん失業の危機!?” 時を同じくして皆さんに愛され続けてきた2つの巨星が共に“ニート”になろうとしています。(笑)..
Weblog: まい・ふぇいばりっと・あるばむ
Tracked: 2007-01-19 01:03

ジャム 6
Excerpt: NO.01087 ザ・ジャム4枚目のアルバム『セッティング・サンズ』(1978年) “乞いするパンクス” どうもCDの音質が悪く、全体的にこもっていてまるでお風呂で聴いている様な感じ..
Weblog: まい・ふぇいばりっと・あるばむ
Tracked: 2008-04-10 13:07