2005年12月20日

Dexter Gordon『Our Man In Paris』

ワン・アンド・オンリーの存在感☆Dexter Gordon『Our Man In Paris』
Our Man in Paris
録音年:1963年
ez的ジャンル:骨太系メインストリーム・ジャズ
気分は... :豪快にいこうぜ!

忘年会&徹夜作業でグッタリ...そしたら何故だかJazzが聴きたい気分!
ということでDexter Gordon『Our Man In Paris』です。

僕がJazzサックスプレイヤーDexter Gordonを知ったのは、大学生の時に観た映画『Round Midnight』(1986年)だ。この映画でDexterは、腕は一流だが麻薬とアルコール漬けのため、アメリカを後にしてヨーロッパを放浪するJazzサックス奏者デイル・ターナーを熱演し、結果としてアカデミー最優秀主演男優賞にもノミネートされた。

この映画に興味を覚えたのは、Herbie Hancock(p) 、Freddie Hubbard(tp)、Wayne Shorter(ts,ss) 、Ron Carter(b)、Tony Williams(ds)というVSOPクインテットの黄金メンバーが、ミュージシャン役で出演し、その演奏シーンを披露している点だった。

でも、そんな名だたるミュージシャンの出演がかすんでしまうほど、Dexterの存在感はスゴ味があったね(体格自体も大きいんだけど)。まぁ、自身も麻薬に溺れ、一時期ヨーロッパへ逃避していたDexterにとっては、演じるというよりも、過去の自分を地でいくようなものだったのであろう。ちなみにデイル・ターナーのモデルとなったのは、Jazzジャイアントの一人で僕も大好きなピアニストBud Powellであると言われている。

『Our Man In Paris』は、ヨーロッパへ渡ったDexterの渡欧後初録音作である。しかも、ピアノはBud Powellだ。まさに映画『Round Midnight』で描かれた世界の生き写しのようなアルバムっす。当初ピアノはKenny Drewの予定であったが、都合で来れなくなり、急遽旧友Budにお声が掛かったらしい。

当初はオリジナルを録音する予定だったが、Budが“覚えるのが面倒くせぇ〜”とボヤいたために、急遽スタンダードの録音へと変更となったらしい。でも、これが正解で豪快かつリラックスした演奏を楽しむことができマス。

オススメ曲を紹介しときやす。

「Scrapple From The Apple」
エネルギッシュな演奏を堪能できるオープニング・ナンバー。男臭いカンジが何ともいいですな!

「Willow Weep For Me」
余裕タップリのDexterの骨太テナーが実に雰囲気バツグンの曲。とても和みマス。

「Broadway」
快調に歌うテナーが何ともとも気持ちよい。Dexterらしいカッチョ良さに溢れていマス。

「Stairway To The Stars」
シブ〜い大人のバラードといった趣の演奏。バラードでも無骨なカンジがスキっす。

「A Night In Tunisia」
みんなご存知「チュニジアの夜」。数あるこの曲の演奏の中でも、このバージョンはかなり秀逸なのでは? とってもコクがありマス。

「Like Someone In Love」
ボーナストラックとして入っているピアノトリオのみの演奏。まさに映画『Round Midnight』の世界デス。この時期廃人同然だったBudの一瞬の輝きのような演奏を聴けるだけでも嬉しいデス。Budは1966年に永眠したのでシタ。

Dexterの他の作品では、『Doin' All Right』(1961年)、『Dexter Calling』(1961年)、『Go』(1962年)、『One Flight Up』(1964年)、『Gettin' Around』(1965年)あたりが僕の愛聴盤デス。たまには男らしい正統派ジャズもイイっすよ!
posted by ez at 18:36| Comment(0) | TrackBack(0) | 1960年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]


この記事へのトラックバック