発表年:1971年
ez的ジャンル:奔放系サザンロック
気分は... :ルーズさが気持ちイイ!
長髪の髭面といったメンバーが、ラフでルーズかつ自由な演奏を熱く繰り広げるというのが僕のサザンロックに抱くイメージだ。このルーズさが僕はたまらなくスキだ。
サザンロックと言えば、Allman Brothers BandとLynyrd Skynyrdという2つのグループを思い浮かべる。特に、サザンロックというジャンルを切り開いたという点ではAllman Brothers Bandが果たした役割は大きいと思いマス。
『At Fillmore East』 は、1971年3月12日、13日のFillmore Eastでのライブを録音したライブアルバムである。伝説のライブハウスFillmore Eastでは数々のアーティストが名演奏を残しているが、Duane Allman(g)、Dickey Betts(g)、Gregg Allman(key)、Berry Oakley(b)、Jai Johanny "Jaimoe" Johanson
(ds)、Butch Trucks(ds)の6人のメンバーによるこの演奏は、そうした中でも屈指の名演と言われている。中でも“スカイドッグ”の異名を持つDuane Allmanの雄弁で自由なギタープレイはまさに圧巻だ。
この天才ギタリストに魅了された一人がEric Claptonだ。このライブの前年にDuaneは、Derek & The Dominos『Layla & Other Assorted Love Songs』のレコーディングに参加している。レコーディング後、ClaptonがDuaneにグループへの参加を要請したがDuaneは断っている。そして、このライブから7ヶ月後の1971年10月にバイク事故でこの世を去ってしまう。享年24歳あまりにも若すぎるよねぇ(‐‐)†
(LP発売時)2枚組で収録7曲のみ、特にB面、D面は1曲しかない。にも関わらず決して冗長にならず、聴かせてしまうあたりが彼らのライブパフォーマンスの凄さだと思いマス。Claptonが惚れこむのも納得デス。
全曲紹介しときやす。
「Statesboro Blues」
いきなりDuaneのゴキゲンなスライドギターが炸裂するオープニング。まずはこれでKO状態でグラグラっす。Gregのボーカルもルーズでカッチョ良いね。
「Done Somebody Wrong」
「Storm Monday」
前半の4曲はブルースのカバーなんだけど、この2曲はいかにもブルースらしい演奏っす。正直あまりに典型的なブルースは多少苦手だったけど、このアルバムでそれが克服できた気がしマス。「Done Somebody Wrong」はスライドが唸りまくりがたまりません。「Storm Monday」は、シブ〜いスローブルース。
「You Don't Love Me」
19分以上に及ぶ大作。最後の部分でクリスマスソングとしてお馴染み「Joy To The World」のフレーズをさりげなく入れているのが、意外にお茶目デス。
「Hot 'Lanta」
後半の3曲はオリジナルナンバー。ギタープレイばかりが注目されがちだけど、Greggのキーボードやリズムセクションも強力っす。特に、ツインドラムは迫力あるっす。
「In Memory Of Elizabeth Reed」
ドラマティックに曲調が変化するジャムセッションが魅力のインストナンバー。スタジオ録音は2ndアルバム『Idlewild South』(1970年)収録されてマス。でも、このライブ演奏の方が数段イイっす。
「Whipping Post」
アルバムラストを飾る20分を越える白熱バトル。これぞライブバンド!圧巻っす。スタジオ録音は1stアルバム『The Allman Brothers Band』(1969年)に収録されていマス。
この後Duaneに続きBerry Oakleyもバイク事故で死亡するという不幸に見舞われる彼らですが、そんな悲運を乗り越えた『Brothers and Sisters』(1973年)あたりは涙ナシには聴けません。あとGreggのソロ『Laid Back』(1973年)も僕の愛聴盤っす。
デュアンオールマンのギターの天才的な鋭く豊かな表現力に魅了され、グレッグの渋いボーカルとハモンドオルガンプレイにゾッコン☆的確にドライブするリズムセクション…カバーとオリジナルの対比。見事な録音とプロデュース。コワ〜イ裏ジャケ写真のローディ達。
後の『ブラザーズアンドシスターズ』も好盤で、粋なSingleランブリンマンはその昔、FMラジオでカセットテープにエアチェックしたのをヘビーローテーションして聴きほれてました。
ありがとうございます。
僕はDerek & The DominosからAllman Brothersへ向かったパターンですが、このライブ盤の豪快で、ルーズで、ブルージーで土臭いサウンドに圧倒されましたね。Allman Brothersはあと『桃食え!』と『Brothers and Sisters』の2枚を持っていますが、亡きDuaneやBerry Oakleyのことを思うと少し切ない気分になる2枚ですね。