発表年:1981年
ez的ジャンル:AOR系ウエストコースト・ロック
気分は... :今聴くと...
70年代ウエストコーストを代表するロック・バンドThe Doobie Brothersの4回目の登場です。
これまでDoobiesについては以下の3作品を紹介してきました。
『The Captain And Me』(1973年)
『Livin' On The Fault Line』(1977年)
『Minute by Minute』(1978年)
今回は(再結成前の)グループのラスト・アルバムとなった作品『One Step Closer』です。また後期作品ですね。僕自身の意識の中では前期も後期も共に好きなのですが、無意識の部分では後期作品を欲することが多いのかもしれません?
前作『Minute by Minute』(1978年)は、大ヒットを記録し、グラミー賞を受賞するなどMichael McDonaldをフロントマンとした後期Doobiesを決定的に印象付けた作品となりました。
そんな勢いに乗ったDoobiesのはずでしたが、オリジナル・メンバーのJohn Hartman(ds)と存在感抜群であったJeff "Skunk" Baxter(g)の二人が脱退してしまいます。これに対応するため、グループはツアーのサポート・メンバーであったJohn McFee、Cornelius Bumpus、Chester McCrackenを正式メンバーとして迎え入れます。
本作におけるメンバーを整理すると、Patrick Simmons(g、vo)、Michael McDonald(key、vo)、Tiran Porter(b)、Keith Knudsen(ds)、John McFee(g)、Cornelius Bumpus(ts、org、vo)、Chester McCracken(ds、vib)という布陣になります。とうとうオリジナル・メンバーはPatrick Simmonsただ一人となってしまいました。
本作はそこそこヒットはしたものの、『Minute by Minute』のような大ヒットには至らず、結局グループは本作を最後に解散する道を選びます。
発売当時は"前作を超えていない"、"もはやDoobiesの音ではない"等々イマイチ評判が良くなかったアルバムですね。
僕もリアルタイムで聴きましたが、『Minute by Minute』と比較してパンチが効いていないような印象を受けました。きっと「What a Fool Believes」級の楽曲や、いかにもウエストコーストしている爽快なロック・チューンを期待していたのでしょうね。なので当時は『Minute by Minute』ほど熱心に聴き込んだ記憶はありません。
ただし、今聴くと当時とはかなり異なる印象を受けます。
ラテン・フレイヴァーの効いたパーカッシヴなサウンドをはじめ、今の僕の嗜好にかなりフィットする楽曲が揃っていますね。
"Doobiesの音"云々といった先入観を除いて聴くと、なかなかグッドなAORアルバムだと思います。
全曲紹介しときヤス。
「Dedicate This Heart」
オープニングはMichael McDonald作品(Paul Ankaとの共作)。Michael節が炸裂するウエストコースト・サウンド。いかにも後期Doobiesらしい仕上がりですね。この曲は当時から好きでした。
「Real Love」
アルバムからの1stシングル。全米ポップ・チャート第5位のヒットとなりました。Michael McDonaldとPatrick Hendersonの共作。イントロのキーボードが印象的でしたね。当時アルバムからの1stシングルということで「What a Fool Believes」級のミラクルな出来栄えを期待していたため、多少肩透かしを喰った記憶があります。今聴くと洗練された佳作だと思いますが...
「No Stoppin' Us Now」
Patrick Simmonsがリード・ヴォーカルをとるファンキー・チューン(Patrick Simmons/Michael McDonald/Chris Thompson共作)。唯一のオリジナル・メンバーPatがリード・ヴォーカルをとり、彼ららしいコーラスワークを堪能でき、ギター中心のサウンド...ということでこの曲が一番Doobies!って感じかもしれませんね。
「Thank You Love」
新メンバーCornelius Bumpusの作品(ヴォーカルもBumpus)。今聴くとこの曲が一番好きですね。ラテン・タッチのAORって雰囲気が僕好みです。ウエストコーストというよりマイアミあたりの情景が浮かんできます。そう思わせるのは、ヴォーカルがBobby Caldwellっぽいからでしょうね。Chester McCrackenによるおおよそDoobiesらしくないヴァイヴも今聴くとなかなか楽しいです。
「One Step Closer」
タイトル曲もシングル・カットされました(John McFee/Keith Knudsen/Carlene Carter共作)。からっとした明るくキャッチーな仕上がりが当時は好きでした。今聴くと昔聴いたほどグッとこないのが残念ですが...
「Keep This Train A-Rollin'」
Michael McDonald作品。どことなく「You're Made That Way」(『Livin' On The Fault Line』収録)を思い出させる曲調です。こちらの方がソウルフルな仕上がりですが。
「Just in Time」
Patrick Simmons作品。軽くラテン・フレイヴァーが効いていますが、Patrickらしい仕上がりなのでは?個人的にはNicolette Larsonのコーラスにグッときます。
「South Bay Strut」
思い切りフュージョンしているインスト(Chester McCracken/John McFee共作)。こういった楽曲を聴くと、やはり解散しかなかったのかなぁと思ってしまいますね。
「One By One」
ラストはMichael McDonaldとBobby LaKindの共作。今聴くと好きな曲の1つ。さり気ない疾走感とパーカッシヴな仕上がりが僕好みなのかもしれません。本作におけるDoobiesのメンバー構成を考えれば、意外にらしい演奏なのかもしれません。
今夜からアメリカ大統領選ですね。
米国民の選択はいかに?
どこかの国における国民の選択機会はいつになることやら...
フェンダーローズにあのハスキーボイス。。。
逆立ちしても真似のできない独特な雰囲気を持った人ですよねー。
二十代の頃はこのあとに出た「フェアウェルツアー」の二枚組をよく聞いたな〜。
って何か聞いたことあります。
でも、Doobiesって常に変化しつづけてきたじゃん、とも思います。
とは言え、Michael McDonald路線で行くとこの辺が限界だったのかな。
あとはモロAORかフュージョンか、って展開しかなかったのかもしれませんね。解散やむなしか..。
それでも本アルバムは思い入れもあるし、いまだに大好きな作品です。
ありがとうございます。
あのスモーキー・ヴォーカルは独特ですよね。
普通の人があんな声で歌おうとすると窒息しそうですよね(笑)
『Farewell Tour』はTom Johnstonも登場して感動的でした。
関係ありませんが、ドルフィンズ頑張っていますね!
AFC東地区は混戦模様になりそうだし、今年はシーズン終盤まで楽しめそうですね!
ありがとうございます。
僕の場合、当時はインパクトに欠ける印象を受けたのですが、
年を経るに従い自分の嗜好にフィットしてきました。
> あとはモロAORかフュージョンか
確かにそうですね。
その意味で一度リセットしてしまった方が、
各メンバーが望む方向へ進みやすかったのかもしれませんね。