2008年11月08日

Stylus『Where In The World』

OZ産ブルーアイド・ソウル、幻の1stが遂に初CD化☆Stylus『Where In The World』
ホェア・イン・ザ・ワールド
発表年:1976年
ez的ジャンル:OZ産メロウ&ファンキーグルーヴ
気分は... :鼻血ブーの大興奮!

今日は70年代に活躍したオーストラリアのグループStylusの1stアルバム『Where In The World』(1976年)です。

StylusはリーダーのPeter Cupplesを中心とした白人OZバンド。70年代に(1976年)、『For The Love Of Music』(1977年)、『Best Kept Secret』(1978年)、『Part Of It All』(1979年)という4枚のアルバムをリリースしています。3rd『Best Kept Secret』は、USでは『Stylus』のタイトル、異なるジャケで発売された模様です。

2nd〜4thアルバムは10年前にCD化されていましたが、1st『Where In The World』はこれまで未CD化のままでした。今回ようやく初CD化が実現し、多くのファンの方が歓喜しているのではと思います。

僕は今回がStylus初体験だった訳ですが、充実のメロウ・グルーヴ系ブルーアイド・ソウルに鼻血ブーの大興奮でした。ホント、僕のど真ん中です。Isley BrothersAverage White Band、シュガー・ベイブあたりがお好きな方は相当ハマる作品ではないかと思います。

本作のメンバーはPeter Cupples(vo、g)、Peter Lee(ds)、Sam McNally(key)、 Ron Peers(g、vo)Ashley Henderson(b)というオリジナル・メンバー5名です。

興味深いのは、プロデューサーとしてPeter Cupplesと共にTrevor Courtney、Mike ClarkeというSkylightのメンバーだった2人の名がクレジットされている点です。Skylightはフリーソウル・ファンにはお馴染みのOZブルーアイド・ソウル・グループですね。人気作『Sky High』は本ブログでも紹介したいと思いながら、Amazonにジャケ写真がないため保留になっている作品の1つです。ちなみにTrevor Courtneyは3rd『Best Kept Secret』ではStylusのメンバーとして参加しています。

StylusもSkylightも洗練されたメロウ&ファンキー・グルーヴながら、オーストラリアという土地柄が生み出す独特のユルさがあるのがいいですね。

オリジナル・アルバムの9曲に加え、ボーナス・トラック3曲も充実しており、まさに捨て曲ナシのミラクルな1枚だと思います。

全曲紹介しときやす。

「World Of Make Believe」
このオープニングを聴いて鼻血ブーになりそうなくらい興奮しました。フリーソウル系の音が好きな人であれば絶対に気に入るであろう爽快メロウ・グルーヴに仕上がっています。晴れた日の朝に聴くと1日気分よく過ごせそうな気分になる曲ですね。いい曲が揃ったアルバムですが、その中でもダントツで好きです。オーストラリアのシングル・チャートで第3位のヒットとなりました。
http://www.youtube.com/watch?v=ngcwW-cv4l0

「All In The Game」
黄昏メロウ・チューン。ゆったり、マイペースで時間が流れていく感じでいいですね。コーラスワークも胸キュンものでサイコー!

「Will This Continue To Be」
「Just Begun」
シームレスに繋がった軽快なファンキー・グルーヴ2曲。Isley Brothersあたりのファンキーなカッチョ良さを上手に吸収し、それを彼らならではの爽快なテイストで仕上げた感じです。

「Summer Breeze」
ご存知Seals & Crofts1972年のヒット曲のカヴァー。Stylusの場合、本ブログでも紹介したIsley Brothersバージョン(アルバム『3+3』収録)のカヴァーから触発されたのでしょうね。その意味ではIsleysバージョンの持つホットなテイストを受け継いでいる感じですが、Seals & Croftsの爽やかなテイストも微かに感じさせるのが彼ららしいのでは?この曲もオーストラリアのシングル・チャートで第3位のヒットとなりました。

「Paradise」
小鳥の囀りで始まるメロウ・ミディアム。この曲もかなりお気に入りです。甘すぎないビタースウィートな感じがいいですね。フルートの音色がアクセントになっています。

「I'm So In Love With You」
Peter Cupplesのハイ・トーン・ヴォーカルの魅力を堪能できるミディアム・チューン。こういう曲を聴いていても痒いところに手が届いていますよね。素晴らしい!

「Where In The World」
タイトル曲はセンチメンタル・モードのバラード。ヴォーカル&コーラスが魅力的なのでバラードも相当グッときます。初めて聴くのに懐かしさが込み上げてくる感じです。

「I'm Going Home」
オリジナルのラストはご機嫌なロックン・ロール。アルバム全体の雰囲気を考えると多少の違和感もありますが...

「Can't Get It Out Of Your Head」
「Funky Fig」
ここからの3曲はボーナス・トラック。本作と同時期にレコーディングされたものらしいです。この2曲はAverage White Bandあたりがお好きな方ならば気に入るであろうファンキー・チューン。

「Feeling Blue」
ボーナス・トラックの目玉はこの曲なのでは?フリーソウル・クラシックとして人気の高いEarth,Wind & Fireのカヴァーです(オリジナルは『Open Our Eyes』収録)。オリジナルの黄昏哀愁テイストを残しつつ、よりファンキーに仕上げています。

CD帯でGreat3片寄明人氏がStylusのことを"ファンキーに進化したFifth Avenue Band"と形容していますが、本曲の作者はそのFifth Avenue BandのメンバーであったKenny Altman、ハマらないはずがないですよね。

こんなに素晴らしいアルバムを聴いてしまうと、Peter Cupplesのソロも含めて他作品も聴いてみたいですね。とりあえずは『Part Of It All』をゲットしま〜す!
posted by ez at 02:48| Comment(4) | TrackBack(1) | 1970年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
Stylusとは渋いですねぇ。 私は4thの"Part Of It All"だけ持ってます(前回のCD化の時に買ったブツです)。 ちょっとクリア/ソリッド過ぎる音(エレピがキーン!って音で鳴る)なので、ちょっと好み分かれるかもですが。
いつか、彼ら(Stylus)が豪州ソウルの女王と呼んでいたRenee Geyerとかも取上げて欲しいですね('77年アルバムはデトロイト録音、バックはFunk Brothers残党なのです)。

あ、そういえば、私が持っていたJ.R. Baileyのアルバムの解説も片寄明人氏が書いていました。


Posted by mu. at 2008年11月09日 23:16
☆mu.さん

ありがとうございます。

僕は今回Stylus初体験だったのですが、すっかり魅了されてしまいました。
『Part Of It All』もとりあえずゲットしたいなぁと思っています。

> Renee Geyerとかも取上げて欲しいですね

Renee Geyerは未聴ですが、YouTubeで聴くとかなりいい感じですね。
機会があればぜひアルバム単位で聴きたいですね。
でもCDで入手できるのはベスト盤を含めて僅かなようなのが残念です。
mu.さんご推奨の作品は『Moving Along』(1977年)ですかね。
Posted by ez at 2008年11月10日 12:42
こんばんわ。
ezさんが記事にされた時にコメントしようと思ったのですが、すっかり遅れてしまいました。
当初は『Part Of It All』があまりに素晴らしかったので、少し落ちるかなと感じましたが、どうしてどうして。
今ではこちらの方が気に入っていて、毎日このアルバムで目覚めています。
Posted by white at 2008年12月01日 23:08
☆whiteさん

ありがとうございます。

何度聴いもワクワク感が込み上げてくるアルバムですね。
オーストラリアならではの大らかさもあるところが大好きです。

> 毎日このアルバムで目覚めています。

一日の始まりにこんな素敵な作品を聴くと、何か良い事がありそうですよね(笑)
Posted by ez at 2008年12月02日 09:40
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