発表年:1996年
ez的ジャンル:Bad Boy系女性R&Bグループ
気分は... :プロダクションの勝利...
今日は90年代に活躍した女性R&BグループTotalの紹介です。
TotalはKeisha Spivey、Pamela Long、JaKima Raynorの3名によって結成された女性R&Bグループ。
Sean "Puffy" Combs(現Diddy)率いるBad Boy Records(旧Bad Boy Entertainment)と契約し、映画『New Jersey Drive』(1995年)のサウンド・トラックにも収録され、The Notorious B.I.G.(Biggie)のラップをフィーチャーしたシングル「Can't You See」 でデビューします。ちなみにThe Notorious B.I.G.のデビュー・ヒット「Juicy」(1994年)のバック・コーラスはTotalです。
その後、『Total』(1996年)、『Kima, Keisha, and Pam』(1998年)という2枚のアルバムをリリースしています。
本作『Total』(1996年)は、彼女達のデビュー・アルバムであり、前述の「Can't You See」 以外に「No One Else」、「Kissin' You」といったヒット曲が生まれました。
全体としてはこの時代らしいHip-Hop Soulな内容ですね。
正直、ヴォーカル・グループとしての実力は大したことはないと思いますが、このグループを売り出そうとしたPuffyの意気込みが感じられる作品です。
基本的にはPuffyに対してあまりいい印象を持っていない僕ですが、この作品に限って言えば、そのプロデュース能力を認めざるを得ないですね。それ位完成度は高いと思います。
Puffy、Chucky ThompsonというBad Boyの"Hitmen" チーム以外にJean-Claude "Poke" Olivier(Trackmasters)、Raphael Saadiq、The Neptunes等がプロデュースを手掛けています。
歌唱力の無さを気にしなければ、かなり楽しめる作品ですよ!
TLC、SWVあたりがお好きな方ならば、気に入る1枚だと思います。
オススメ曲を紹介しときやす。
「Do You Know」
独特の浮遊感を持ったミッド・グルーヴ。収まりの悪いユラユラ感が逆にクセになります。Fred Wesley & The J.B.s「Same Beat (Part 1) 」ネタ。
「No One Else」
Da Bratをフィーチャーしたヒット・シングル。全米R&Bチャート第4位のヒットとなりました。TrackmastersのJean-Claude "Poke" Olivierがプロデュースを手掛けています。Boogie Down Productions「South Bronx」ネタが印象的なトラックがカッチョ良すぎですね。さすがTrackmasters!
http://jp.youtube.com/watch?v=QQ-iolADkJs&feature=related
アルバムにはDa BratにLil' Kim、Foxy Brownを加えたリミックス(Puff Daddy Remix)も収録されています。ど迫力のゲスト三人を相手にするとメンバーの三人もたじたじですな。
「Kissin' You」
Raphael Saadiqプロデュース。シングルカットされ、全米ポップ・チャート第12位、R&Bチャート第6位のヒットとなりました。アコースティックな味わいがグッドな美メロのメロウ・チューンです。僕の一番のお気に入り曲です。
http://jp.youtube.com/watch?v=WtPnLTg1G-s
一番のお気に入りと言っておきながら矛盾するかもしれませんが、実はオリジナル以上に好きなのがにPuff Daddyによる本曲のリミックス「Kissin' You/Oh Honey」です。Delegation「Oh Honey」を使った(まんま弾き直した)胸キュン・モードの仕上がりにグッときたR&Bファンの方も多かったのでは?
Total「Kissin' You / Oh Honey」
http://www.youtube.com/watch?v=fy2JPJBVBT4
「Do You Think About Us?」
この曲もRaphael Saadiqプロデュースです。哀愁モードのミッド・チューンです。Raphaelらしく少しレトロ・スペックな味わいが漂うのがいいですね。
「Can't You See」
記念すべき彼女達のデビュー・シングル。The Notorious B.I.G.のラップをフィーチャーし、全米ポップ・チャート第13位、R&Bチャート第3位のヒットとなりました。前述のとおり、元々は『New Jersey Drive』(1995年)のサウンド・トラックとして収録されていた曲です。James Brown「The Payback」ネタ。キャッチーなミッド・グルーヴに仕上がっています。
http://jp.youtube.com/watch?v=PbUSiY7GjRM&feature=related
Biggieのラップ部分をKeith Murrayのラップにリプレイスしたリミックスもありましたね。
「Someone Like You」
完成度の高いキャッチーなミッド・グルーヴ。 決して上手いわけではない彼女達の歌唱力を見事にカヴァーしているプロダクション能力の高さに脱帽です。
「Tell Me」
The O'jays「Help (Somebody, Please) 」ネタの哀愁トラックが印象的です。Faith Evansがヴォーカル・プロダクションを手掛けています。
「Love Is All We Need」
George Clinton「Atomic Dog」ネタの哀愁ミッド・グルーヴ。
「Don't Ever Change」
シングル以外では「When Boy Meets Girl」とこの曲が一番好きですね。胸キュンのミッド・グルーヴに仕上がっています。さり気なくZapp「Computer Love」風のメロディが使われている(パクっている?)ところも好きです。
「Spend Some Time」
この曲も胸キュンのミッド・グルーヴ好きにはなかなかグッとくる1曲なのでは?Teddy Pendergrass「Love T.K.O.」ネタ。
「When Boy Meets Girl」
プロデュースは若き日のThe Neptunesが手掛けています。ダンサブルなカッチョ良いミッド・グルーヴに仕上がっています。Pharell独特の意外なメロディ展開も聴くことがでけきます。Bee Gees「Love You Inside Out」ネタ。
これから数週間は週末がバタバタなので、特に日曜の更新は今日のようにかなり遅い時間になりそうです。ゴメンなさい!
Blogをチェックさせていただきました。
僕もヒップホップのBlogをやっていますので、是非チェックしてみてください。
http://blog.goo.ne.jp/danpgr/
ありがとうございます。
当ブログはオールジャンルなので、必ずしもHip-Hopが充実しているわけではありませんが、DanさんのようなHip-Hop専門ブログで勉強させて頂きたいと思います。よろしくお願いします。