発表年:1985年
ez的ジャンル:Jam & Lewis系ブラコン
気分は... :リフレッシュしたので...
大人のブラコン・シンガーAlexander O'Nealの2回目の登場です。
2ndアルバム『Hearsay』(1987年)に続き紹介するのは、デビュー・アルバム『Alexander O'Neal』(1985年)です。
1953年ミシシッピ生まれのAlexander O'Nealは、The Timeの前身グループFlyte Tymeのヴォーカリストとして、Jimmy Jam(key)、Monte Moir(key)、Terry Lewis(b)、Jellybean Johnson(ds)等と共に活動していました。しかし、Alexを除くメンバーがPrince殿下に引き抜かれ、前述の4人にMorris Day(vo)、Jesse Johnson(g)を加えた6人が"The Time"としてデビューすることになります。
その後のAlexは不遇の数年間を過ごしますが、1984年にTabu Recordsと契約したことで風向きが変わってきます。The Timeを脱退し、プロデュースチームとして歩みはじめた旧友Jimmy Jam & Terry LewisがプロデュースしたThe S.O.S. Band「Finest」やCherrelleとのデュエット「Saturday Love」でフィーチャーされ、注目を集めるようになっていました。
そんな時期と前後して制作されたのが今日紹介する1stアルバム『Alexander O'Neal』です。エグゼクティブ・プロデューサーをJam & Lewisの二人が務め、そのJam & Lewisが4曲、Monte Moirが3曲プロデュースを務めています。さらにはJellybean Johnsonもレコーディングに参加し、Flyte Tyme同窓会といった様相ですね。
僕の場合、どうしてもAlex本人以上にJam & Lewisへの関心が高くなってしまいます。そのように聴くと、2nd『Hearsay』のようなJam & Lewisモード全開とまでは行っていない感じですね。でも、その手探り感がなかなか楽しいです。
全体として80年代らしい大人のブラコン・アルバムになっていると思います。
80年代ならではのゴージャス感(?)のジャケも大好き!
全曲紹介しときやす。
「A Broken Heart Can Mend」
大人のアーバン・メロウといった雰囲気のロマンティックなスロウ。この淡々とした感じがJam & Lewisらしくて好きです!シングル・カットもされました。
「If You Were Here Tonight」
シングルとして全米R&Bチャート第17位となりました。哀愁モードのメロウ・チューンに仕上がっています。80年代ブラコンの雰囲気十分です。Alexのヴォーカルもセクシーでグッド!
「Do You Wanna Like I Do」
怒涛のスロウ三連発。男の哀愁感が漂うスロウ・チューン。寂しげなAlexのヴォーカルが印象的です。
「Look at Us Now」
ポップなロマンティック・チューン。サックスがロマンティック・ムードを高めてくれます。
「Medley: Innocent/Alex 900/Innocent II」
約10分半のミネアポリス・ファンク・メドレー。「Innocent」はシングルとして全米R&Bチャート11位のヒットとなっています。コーラスではCherrelleの声も聴くことができます。今聴くとチープ感は否めないですが、逆にそれが80年代らしくて楽しめるのでは?
「What's Missing」
Alexのアダルティな魅力を堪能できるミッド・ダンサー。密かに人気の1曲なのでは?Jam & Lewis好きの方ならば大満足の1曲だと思います。
「You Were Meant to Be My Lady (Not My Girl) 」
軽快なメロウ・グルーヴ。以前はあまり気にならなかった曲だったのですが、今回聴き直してみて結構気に入りました。
Alexを聴いていると、その流れでどうしてもCherrelleが聴きたくなりますね。以前に『High Priority』(1985年)は紹介しましたが、そのうち『Fragile』(1984年)、『Affair』(1988年)あたりも取り上げたいと思います。