発表年:1967年
ez的ジャンル:元祖モッズ
気分は... :寄せ集めだけど、カッチョ良い!
久々に2日連続で更新をサボってしまいました。
土日に仕事が目一杯入ってしまうと、完全にパワー不足になってしまいますね(泣)
さて、元祖モッズ・バンドSmall Facesの2回目の登場です。
『Small Faces』(1966年)に続き紹介するのは、1967年リリースのアルバム『From The Beginning』(1967年)です。
Small Facesの2ndアルバムとなる本作はビミョーな位置づけのアルバムですね。
マネージャーやレコード会社(Decca)との対立により、グループはDeccaからImmediateへの移籍を決意します。これに慌てたDeccaが既存音源(一部新曲も含む)を編集してリリースしたアルバムが本作『From The Beginning』であり、同時期にリリースされたImmediateからの移籍第1弾アルバム『Small Faces』に対抗したかたちになりました。
グループの意向とは無関係に編集され、1st『Small Faces』からの再収録曲などもあり、寄せ集め的なアルバムの印象は拭えません。それでも『Small Faces』のモッズ・フィーリングにハマった人であれば、本作でも同様のカッチョ良さを堪能できると思います。
個人的にはSmall Facesと言えば、『Small Faces』、『From The Beginning』の2枚で決まり!という気がします。
悪名高きマネージャーDon Ardenによって推進されたアイドル/ポップ路線に不満を持ち、本来の自分達のスタイルを追求するために新天地を求めた彼らですが、一方でポップ路線と彼ら本来のR&B志向がうまく融合し、キャッチーなモッズ作品になっているのが『Small Faces』、『From The Beginning』だという気がします。
モッズ・ヒーローとしてのSmall Facesを聴くことができる最後のアルバムだと思います。
全曲紹介しときやす。
「Runaway」
お馴染みDel Shannonの全米No.1ソングのカヴァー。オープニングの雄叫びは当時のマネージャーDon Ardenらしいです。パーカッシヴな仕上がりがヒップですな。
「My Mind's Eye」
UKシングル・チャート第4位となったヒット曲。フォーク・ロック的なテイストを取り入れた美しいメロディが印象的ですね。
「Yesterday, Today and Tomorrow」
「That Man」
エフェクトを駆使したサイケ・モード仕上がり。時代の流れですな。
「My Way of Giving」
この曲はImmediateからの『Small Faces』にも収録されています。
http://jp.youtube.com/watch?v=BeiWo1h-3b0&feature=related
「Hey Girl」
UKシングル・チャート第10位となったヒット曲。ポップな味わいとR&Bテイストのバランスがいい感じ!
「(Tell Me) Have You Ever Seen Me」
この曲もImmediateからの『Small Faces』にも収録されています。従来のSmall Facesのカッチョ良さを残しつつ、新たな側面を聴かせてくれる仕上がりですね。
「Take This Hurt off Me」
Don Covayのカヴァー。この手のカヴァーは実にハマりますね。
「All or Nothing」
UKシングル・チャートNo.1となった大ヒット曲。Small Faces唯一のNo.1ヒットですね。哀愁のメロディとMarriottのソウルフルのヴォーカルがサイコーです!名曲!
http://jp.youtube.com/watch?v=WOAs7qLMZJA&feature=related
「Baby Don't You Do It」
Marvin Gayeの1964年のヒット曲のカヴァー。Small FacesのみならずThe Whoも同時期にカヴァーしていました。その意味ではモッズ・クラシックと呼べる曲ですね。オリジナル曲も好きですが、個人的にはこうしたR&Bカヴァーにグッときてしまいましね。
Marvin Gayeのオリジナル、Small Faces、The Whoのヴァージョンを聴き比べるのも楽しいのでは?
Marvin Gaye「Baby Don't You Do It」
http://jp.youtube.com/watch?v=ck9rFmi3gZ4&feature=related
Small Faces「Baby Don't You Do It」
http://jp.youtube.com/watch?v=-nYGk5HEF-A&feature=related
The Who「Baby Don't You Do It」
http://jp.youtube.com/watch?v=EzRumslHuY8&feature=related
「Plum Nellie」
R&Bテイスト溢れるインスト曲。
「Sha-La-La-La-Lee」
『Small Faces』からのヒット曲の再収録です。最近、スズキの軽自動車ラパン(Lapin)のCMで本曲が流れていますね。
http://jp.youtube.com/watch?v=2nbZiAdfE5Q
「You've Really Got a Hold on Me」
Smokey Robinson & The Miracles、1962年のヒット曲カヴァー。Beatlesのカヴァーでもお馴染みの曲ですね。個人的にはBeatlesヴァージョン以上にカッチョ良いと思います。Marriottのヴォーカルが絶品ですな。
「What'cha Gonna Do About It?」
『Small Faces』からの再収録です。以前にも書いたようにSolomon Burkeの「Everybody Needs Somebody to Love」のリズムパターンを拝借したドライブ感がたまりませんね。
この後、グループはImmediateから『Small Faces』に続き、コンセプト・アルバム『Ogdens' Nut Gone Flake』をリリースすることになります。
Immediate時代に更に才能を開花させますが、個人的にはDecca時代のほうがストレートな勢いがあって好きだったりもします。もちろんImmediate時代も最高に好きなのですが(笑)。
本作ではやはり「All or Nothing」がたまらないッスね。
ありがとうございます。
僕もDecca時代のモッズ・バンドしているSmall Facesが好きですね。
“100%ピュア・モッズ”な格好良さがたまりません。
「All or Nothing」はMarriott/Laneコンビの才能を実感できる名曲ですね!Marriottのヴォーカルもサイコー!
個人的には「Baby Don't You Do It」や「You've Really Got a Hold on Me」といったカヴァーにも彼らのセンスを感じます。