2008年12月10日

U2『Achtung Baby』

ターニング・ポイントとなった意欲作☆U2『Achtung Baby』
アクトン・ベイビー
発表年:1991年
ez的ジャンル:ダンス・ビート系ロック
気分は... :U2も聴くんです!

遂に大物ロック・バンドU2の登場です。

今更説明不要のグループですね。アイルランド出身のBonoThe EdgeAdam ClaytonLarry Mullen, Jr.の4人からなるU2は、80年代以降に登場したロック・グループの中でも最強でしょう。長い期間シーンの最前線で活躍し、コンスタントな成功を収めているバンドとしては、Rolling Stonesに次ぐ存在なのでは?

これまで1000回以上記事投稿してきて1度も取り上げたことがありませんでしたが、『War』(1983年)以降のアルバムは殆どリアルタイムで聴いています。熱心なU2ファンというわけではありませんが、ロックシーンの牽引者としての彼らの動向はやはり気になりますね。

基本的には駄作など存在しないグループですが、個人的には『Achtung Baby』(1991年)、『Zooropa』(1993年)、『Pop』(1997年)という俗に言う"シンセ・ポップ三部作"が今でも一番好きですね。逆に彼らの人気を不動のものとした大ヒット作『The Joshua Tree』(1987年)あたりは今聴くとちょっと厳しい気がします(というか最近は全く聴いていませんが)。

上記3枚の中でも特に好きなのが今日紹介する『Achtung Baby』(1991年)です。それまでの硬派ロック・グループのイメージを払拭し、ダンス・ビートを取り入れた新機軸を打ち出したアルバムですね。

"時代に迎合した軟派なロック・アルバム"と否定的な意見を持つ方もいるかもしれませんが、今日もU2が音楽シーンのトップに君臨しているのは、この大胆な路線変更があったからだと思っています。Rolling Stonesもそうですが、最前線で活躍し続けているグループって時代へのアジャストと自分たちの個性発揮をうまく両立させていますよね。

東西冷戦の終焉、湾岸戦争といった当時の社会的背景も踏まえて聴くべきアルバムなのかもしれませんが、単純に当時のダンスカルチャーをうまく吸収したカッチョ良いロック・アルバムとしても十分楽しめるアルバムだと思います。

今回久々に聴きましたが、このカッチョ良さは色褪せないですね。

全曲紹介しときやす。

「Zoo Station」
90年代モデルのU2サウンドを印象付けるオープニング。タイトルの"Zoo Station"とはベルリンの動物園駅のこと。ベルリンの壁崩壊とリンクするかのように、大物ロック・グループとしての自縛状態から一気に解き放たれた開放感に満ちています。

「Even Better Than the Real Thing」
この曲でもリズミックに飛ばしまくってくれます。Edgeのギターが絶好調なのがいいですね。シングルにもなりました。
http://jp.youtube.com/watch?v=EjRapZVwpqs&feature=related

「One」
シングルとして全米シングル・チャート第10位のヒットとなりました。そんなチャート・アクション以上にバラードの名曲として人気の高い曲ですね。この曲に限っては従来通りのU2というイメージですが、 逆に本作の中にこういった曲があると目立ちますね。
http://jp.youtube.com/watch?v=JFWPeVfWB9o&feature=related

以前に当ブログで紹介したようにMary J. BligeがU2との共演によるカヴァーをリリースしています(アルバム『The Breakthrough』収録)。
http://jp.youtube.com/watch?v=be0j4PbrQOI&feature=related

「Until the End of the World」
Wim Wenders監督の映画『Until the End of the World(邦題:夢の涯てまでも)』の主題歌。この曲もEdgeのギターがいいですね。

「Who's Gonna Ride Your Wild Horses」
この曲もシングルになりました。まさにワイルドホースのような突き抜ける疾走感がいいですね。
http://jp.youtube.com/watch?v=URqcVTp4zO4&feature=related

「So Cruel」
静かなる哀愁感で迫ってきます。Bonoのヴォーカリストとしての魅力を堪能できる1曲なのでは?

「The Fly」
アルバムからの1stシングル。個人的にはダンスビートとロックの融合をいとも簡単にやり遂げてしまったこの1曲で完全にKOされました。これぞU2のカッチョ良さが凝縮された1曲ではないかと思います。アメリカではシングル・ヒットしませんでしたが、U2の大胆な変化にリスナーが戸惑ったのかもしれませんね(笑)。
http://jp.youtube.com/watch?v=Nc2nMTnQFvo

「Mysterious Ways」
2ndシングルとして全米シングル・チャート第9位のヒットとなりました。「The Fly」同様、U2の新機軸を印象づけてくれましたね。Bonoのヴォーカルは素晴らしいのですが、この曲はEdgeのギターをはじめとするバックのサウンドに耳を奪われてしまいます。
http://jp.youtube.com/watch?v=_ZLjE_wuRE0&feature=related

「Tryin' to Throw Your Arms Around the World」
刺激が強い2曲のあとの小休止といったところでしょうか。この音空間はDaniel Lanoisらしい感じですね。

「Ultra Violet (Light My Way)」
この曲もダンサブルな仕上がり。こういう曲を演奏しても全くU2らしさを失わないところが彼らの凄いところですな。
http://jp.youtube.com/watch?v=nKK5YfkEimQ&feature=related

「Acrobat」
悪くはないけど、アルバム全体の中でやや印象が薄いですね。

「Love Is Blindness」
ラストは胸が締め付けられそうなバラード。当時は大していい曲だとは思わなかったのですが、以前に紹介したCassandora Wilsonのカヴァー(アルバム『New Moon Daughter』収録)を聴いてから、この曲の良さがわかってきました。

次は『Zooropa』(1993年)、『Pop』(1997年)あたりを紹介したいと思います。
posted by ez at 11:55| Comment(0) | TrackBack(0) | 1990年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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