録音年:1955年
ez的ジャンル:天才トランペッターwithストリングス
気分は... :心が温まる!
今日は二日酔い気味で調子がイマイチ(泣)
天才トランペッターClifford Brownの3回目の登場です。
『Study In Brown』(1955年)、『Clifford Brown & Max Roach』(1954、1955年)に続いて紹介するのはClifford Brown『Clifford Brown with Strings』(1955年)です。
タイトルの通り、ストリングスを従えたスタンダード集です。
ブラウニー作品の中でも好みが分かれる作品かもしれません。ブラウニー云々よりもストリングスを従えた作品という時点でダメという方がいるかもしれませんね。
確かに、ストリングス作品にはアドリブがない等ジャズの持つエキサイティングな魅力には欠けるかもしれません。でも逆にメロディがはっきり分かるし、ロマンティックなムードを堪能できる魅力もあります。個人的にはジャズの持つロマンティックな側面も好きなので、まさに歌っているようなリリカルな演奏を堪能できるという点でストリングス作品にも魅力を感じます。
特に今日紹介するClifford Brown『Clifford Brown with Strings』はそんなストリングス作品の頂点に立つ1枚なのでは?例えば80年代に彗星の如く登場し、ブラウニー同様"天才トランペッター"と呼ばれるWynton Marsalisは本作をお手本としてトラペットの腕を磨いてきたらしいです。
本作ではWoody Herman楽団やCount Basie楽団の編曲で知られるNeal Heftiがストリングスのアレンジ及び指揮を務めています。それ以外のメンバーはClifford Brown(tp)以下、Harold Land(ts)、Richie Powel(p)、George Morrow(b)、Max Roach(ds)というメンツです。
有名なスタンダード曲ばかりなので、とても聴きやすいし、歌うブラウニーのトランペットを存分に堪能できると思います。
12月はこんなムーディーなジャズがよく似合うと思います。
全曲紹介しときやす。
「Yesterdays」
Jerome Kern/Otto Harbachによる1933年のミュージカル『Roberta』挿入歌。やや抑えたブラウニーのトランペットが渋いです。
「Laura」
Johnny Mercer/ David Raskin作品。Frank Sinatraの歌で有名な曲のようですね。哀愁のトランペットとそれを盛り上げるドラマティックなストリングスとの組み合わせがいいですね。
「What's New?」
Johnny Burke/Bob Haggartが1939年に作ったお馴染みのスタンダード。本ブログでも、これまでJohn Coltrane、Jimmy Smith、Wynton Kelly & Wes Montgomeryの演奏を紹介してきました。Linda Ronstadtでお聴きになっている方も多いかもしれませんね。
ここではまさにスタンダード然とした演奏を聴くことができます。ロマンティックなブラウニーのトランペットを堪能しましょう。
「Blue Moon」
Lorenz Hart/Richard Rodgersによる1934年の作品。実にムーディーな仕上がりです。
「Can't Help Lovin' Dat Man」
僕の一番のお気に入り演奏。Jerome Kern/Oscar Hammerstine II作品。1927年にミュージカル『Show Boat』のために書かれた曲です。その後何度も映画化されており、お馴染みの曲なのでは?スタンダードとしてもBillie Holiday、Abbey Lincolnの歌で有名ですね。僕の場合、Barbra Streisand『The Broadway Album』(1985年)のカヴァーでこの曲が好きになりました。ここでは伸びやかなブラウニーのトランペットにうっとりです。
「Embraceable You」
Ira Gershwin/George Gershwins作品。1930年のミュージカル『Girl Crazy』のために書いた曲です。インストですがまさにIra Gershwinによる歌詞を歌うようなブラウニーのトランペットが絶品です。
「Willow Weep for Me」
女性作曲家Anne RonellがGeorge Gershwinに捧げた作品。「柳よ泣いておくれ」の邦題で有名なスタンダード。本ブログでは以前にDexter Gordon、Wynton Kelly、Red Garlandのバージョンを紹介しました。偉大な作曲家を懐かしむような演奏ですね。
「Memories of You」
Andy Razaf/Eubie Blake作品。ラグタイマーとして長年活躍したEubie Blakeの代表曲です。どことなく寂しげな演奏に惹かれます。
「Smoke Gets in Your Eyes」
「煙りが目にしみる」の邦題でお馴染みのスタンダード。前述の「Yesterdays」同様、Jerome Kern/Otto Harbachによる1933年のミュージカル『Roberta』挿入歌です。よく耳にする曲のせいか聴いていて安心感がありますね。この曲をブラウニーは11テイクも録音したのだとか。
「Portrait of Jenny」
1948年の映画『Portrait Of Jennie』のために書かれた曲(Gordon Burdge/J. Russell Robinson作品)。Blue Mitchellの演奏も有名なようですね。ここでは哀愁感たっぷりの演奏を聴くことができます。
「Where or When」
1937年のミュージカル『Babes in Arms』のために書かれたLorenz Hart/Richard Rodgers作品。Frank Sinatraが何度もレコーディングしているようです。
「Stardust」
お馴染みのHoagy Carmichael作によるスタンダード。ブラウニーのトランペットがよく似合う曲ですよね。
毎日暗いニュースばかりが続く日々ですが、ロマンティックなブラウニーのトランペットで心を温めましょ!
このところの記事は全てお気に入りアーティストのオンパレードで楽しく読ませてもらってます。
最近は漸く寒くなってきたのでJazzが聴きたくなりますよね〜。
夏はLatin、冬はJazz寄りという安直な聴き方ですが・・。
ん〜、ブラウニーはやっぱりいいな。25歳で夭折し、どうしても優等生のイメージが付きまとうけど、彼がいなければJazzのスタイルの変化(流れ)も、もしかしたら変わっていたのかな、と思うくらい存在感はありますよね。
個人的な好みではLee Morganの破天荒さとその裏返しの危うい魅力に惹かれるけど・・。
このアルバムは遥〜か昔、女性を口説くときに使用していた記憶がありますが・・スイマセン。
ありがとうございます。
冬はジャズのスタンダードものが聴きたくなりますね。
> どうしても優等生のイメージが付きまとうけど
そうですね。
同じ天才トランペッターでもLee Morganとは好対照のイメージですね。
僕もLee Morganの方に惹かれるのですが、それでもブラウニーは避けては通れないジャズ・ミュージシャンという気がします。
> 遥〜か昔、女性を口説くときに使用していた
そうですか!シチュエーションを妄想してしまいます(笑)