発表年:2008年
ez的ジャンル:天才男性R&Bシンガー
気分は... :アルバムは大丈夫!
クリスマスも終わり、いよいよ新年へのカウントダウン・モードですね。
年賀状、大掃除といつもギリギリにならないとやらない性分なのですが、今年は早めに取り組むようにしたいです!
さて今日は年末R&B/Hip-Hop新作ラッシュの中でも注目の1枚Musiq Soulchild『Onmyradio』です。
Musiq Soulchildの紹介は、『Soulstar』(2003年)、『Luvanmusiq』(2007年)に続き3回目になります。
個人的には今のR&Bシーンにおける最高の男性シンガーがMusiq Soulchildだと思います。
"21世紀のStevie Wonder"と評されることが多いMusiq Soulchildですが、単にヴォーカルがStevieに似ているR&Bシンガーとの印象を与えかねない気がして、僕はあまりその形容が好きではありません。でも現在のR&Bシーンにおいて"Stevie Wonder並みの存在感を持つシンガー"という意味では妥当な気もします。
なので、新作への事前期待はHip-HopシーンにおけるCommon並みに高いものがあります。
しかしながら、リードシングル「Radio」を聴いた時には不安を抱いてしまいました。サウスHip-Hopテイストのこのシングルの出来栄えに、多くのファンの方は不満や不安を感じたのでは?
それだけに最初にアルバムを通しで聴いて一安心しました。
「Radio」以外はファンが期待する天才R&BシンガーMusiq Soulchildらしい内容になっていると思います。
聴き込むほどに素晴らしさが伝わってくるアルバムですね。
特にスロウは相変わらず絶品の楽曲がズラッと並びます。
プロデュースはWarryn Campbell、Ivan "Orthodox" Barias & Carvin "Ransum" Haggins等が務めています。Warryn Campbellの貢献も大きいですが、個人的にはIvan "Orthodox" Barias & Carvin "Ransum" Hagginsの素晴らしい仕事ぶりにヤラれました。やはり彼らとMusiqの相性はバッチリですね。
期待を裏切らない、現代R&Bシーンの至宝を堪能しましょう!
全曲紹介しときやす。
「Backagain」
Fat Boys「Human Beat Box」ネタのオールド・スクール調トラックと、MusiqらしいStevie調のソウルフル・ヴォーカルのマッチングがグッドなオープニング。力強いトラックに負けないMusiqのヴォーカルはさすがですね。Warryn Campbellプロデュース。
http://jp.youtube.com/watch?v=UANWQUIf6kk
「Until」
めくるめくようなグッド・グルーヴ。しなやかさなんだけどミステリアスな感じが大好きです。The Gap Band「You Can Count On Me」、Marvin Gaye「A Funky Space Reincarnation」ネタ。Warryn Campbellプロデュース。
http://jp.youtube.com/watch?v=mi5Q_14m3W8&feature=related
「Ifuleave」
僕のオススメその1。アルバムからの2ndシングルはMary J. Bligeとのデュエット。大物二人のデュエットに相応しい、小細工なしの感動的なラブソングに仕上がっています。切なさ満点のメロディがたまりません。1stシングル「Radio」で面喰った方も、この曲を聴いて一安心といったところなのでは?Ivan "Orthodox" Barias & Carvin "Ransum" Hagginsプロデュース。
http://jp.youtube.com/watch?v=bwEguv-tLeE
「Deserveumore」
僕のオススメその2。Musiqならではのロマンティックなスロウ・チューンに仕上がっています。70年代ソウルを思い出させるスウィートなメロディと、Musiqらしいよどみないヴォーカルがサイコーです!Ivan "Orthodox" Barias & Carvin "Ransum" Hagginsがプロデュース。プロダクションの見事な仕事ぶりにも拍手したいです!
http://jp.youtube.com/watch?v=WzrKWYPQHdI&feature=related
「Special」
Ivan "Orthodox" Barias & Carvin "Ransum" Hagginsプロデュース三連発です。パーカッシヴなリズムが耳に残ります。「Deserveumore」の次に聴くと、やや小粒な印象を受けてしまいますが...
http://jp.youtube.com/watch?v=V6o2goLhyuA&feature=related
「Dearjohn」
僕のオススメその3。美しいメロディと感動的なヴォーカルで思わず胸が込み上げてきてしまうスケール感の大きなバラードです。このあたりのオーソドックスなバラードをしっかり聴かせるあたりがMusiqの実力でしょうね。Warryn Campbellプロデュース。女性バック・ヴォーカルのJoy Winansは(多分)Winansファミリーの人だと思います。ソングライティングやヴォーカル・アレンジのクレジットにはPJ Mortonの名もあります。
http://jp.youtube.com/watch?v=xWEXe2CFWjQ&feature=related
「Loveofmylife」
Musiq節を堪能できるソウルフルなスロウ・チューン。この粘りのあるヴォーカル・スタイルが好きな人にはたまりませんね。勿論僕もその一人です。Musiq Soulchild & Warryn Campbellプロデュース。
http://jp.youtube.com/watch?v=9lDwy8CYuVw&feature=related
「Moneyright」
僕のオススメその4。キャッチーなアップ・チューン。スロウ〜ミディアム系の曲が多いのでアップものは目立ちますね。ノリ的にはJohn Legend「Green Light」あたりと一緒に聴くと合う気がします。Warryn Campbellプロデュース。
http://jp.youtube.com/watch?v=4NiDkVQuTPc&feature=related
「Someone」
僕のオススメその5。というかアルバムでダントツ一番のお気に入りです。素晴らしいヴォーカル、メロディ、アレンジとパーフェクトなラブ・バラード。
僕の中ではJason Champion「Find A Reason」と今年の男性R&Bベスト・ソングを競っている曲ですね。両者に共通するのは聴き終わった後に何か特別な感動が胸に込み上げてくる点です。ホント、ミラクルな1曲。
Ivan "Orthodox" Barias & Carvin "Ransum" Hagginsプロデュース。さらにはJames Poyserもプロデュースに関与しています。
http://jp.youtube.com/watch?v=fvHoSuNTkg4&feature=related
「Iwannabe」
僕のオススメその6。Damian Marleyをフィーチャー。レゲエ・ファンはご存知の通り、Damian MarleyはBob Marleyの息子です。ということでレゲエ/ラガ調の仕上がりです。このタイプの曲をやっても全然違和感がないのがMusiqの柔軟性でしょうね。Warryn Campbellプロデュース。
http://jp.youtube.com/watch?v=w0I7od5RTKA&feature=related
「Sobeautiful」
哀愁モードのミディアム・スロウ。憂いを持ったヴォーカルがグッド!Musiq Soulchild & "J.R." Hutsonプロデュース。
http://jp.youtube.com/watch?v=ezm1v4BcHE4&feature=related
「Radio」
物議をかもしたアルバムからのリードシングル。こうやってアルバム全体を聴くと、やっぱりこの1曲のみ浮いていますね。アルバムの中の1曲として聴く分にはいいけど、リードシングルにしたのはどうも解せないですね。Euforo Ebong/Dru Castro/Christopher Umanaプロデュース。
http://jp.youtube.com/watch?v=9B-8ClSGp3c&feature=related
年内に紹介できる新作はあと1枚ですかね。
何をセレクトしようかなぁ?