2009年01月07日

Fingazz『Classics For The Og's Vol.2』

全編トークボックスによるソウル・カヴァー・アルバム第2弾☆Fingazz『Classics For The Og's Vol.2』
クラシックス・フォー OG’S Vol.2
発表年:2008年
ez的ジャンル:ソウルクラシック・トークボックス・カヴァー
気分は... :Fingazzがキタ〜!

チカーノ・ラップ系トラックメイカーFingazzの2回目の登場です。

昨年紹介した『The Late Night Hype Vol. 2』(2008年)に続いて紹介するのは、昨年11月末にリリースされた全編トークボックスによるソウル・カヴァー・アルバム『Classics For The Og's Vol.2』です。

チカーノ・ラップについてはあまり詳しくない僕ですが、最近CDショップでも通常のHip-Hop売り場とは別にチカーノ・ラップのコーナーが設置されているのを見ると、Hip-Hopシーンの一大勢力として確かな地位を築いていることを認識させられます。

そんなチカーノラップ・シーンで活躍するプロデューサー/トラックメイカーがFingazzです。

前回紹介した『The Late Night Hype Vol. 2』は、ローライダー系のジャケ写真のイメージとは異なり、メロウなトラックづくりに相当グッきました。年末の『ezが選ぶ2008年の10枚』でも最後まで候補としてセレクトするか迷っていた作品でした。

今日紹介する『Classics For The Og's Vol.2』もメロウHip-Hop好きにはたまらない1枚です。元々はファンク・グループでトークボックスを担当していたFingazzが、自分のお気に入りソウル・クラシックをトークボックスで再現したアルバムです。Hip-Hopファンのみならずソウル/R&Bファンも十分に楽しめる作品になっています。

本作は『Classics For The Og's Vol.1』(2004年)の続編となります。Vol.1同様かなりベタな選曲ですが、逆にそれが素直でいいですよね。特に Vol.2は前作以上にトークボックスが全体のサウンドにフィットしていると思います。

ある意味企画モノ的な作品ですが、僕のようにZapp/Roger大好き(=トークボックス大好き)人間にとっては、まさにど真ん中なアルバムです。しかも、選曲も僕の嗜好と見事に合致しており、完璧なアルバムですね。

オリジナルをご存知の方は、オリジナルと比較しながら聴くのも楽しいでしょうし、オリジナルを知らない方でも純粋にメロウ・チューン満載のアルバムとして楽しむことができると思います。

全曲紹介しときやす。

「Intro」
「Curious」
イントロに続きオープニングを飾るのはMidnight Starによる名スロウ。オリジナルはアルバム『Planetary Invasion』(1984年)に収録されています。いかにもトークボックス・カヴァー向きの楽曲ですが、その期待を裏切らない素晴らしい出来栄えです。やはり80年代エレクトリック・ファンクはトークボックスとの相性抜群ですよね。
http://jp.youtube.com/watch?v=pBCJr-AOJZM&feature=related

「Footsteps In The Dark」
Isley Brothersの名曲カヴァー。オリジナルはアルバム『Go For Your Guns』(1977年)に収録されています。ここでのカヴァーは「Footsteps In The Dark」に少しZapp「Computer Love」のテイストを加えた感じの仕上がりになっています。
http://jp.youtube.com/watch?v=cuz9rjd3A5k&feature=related

「Summer Breeze」
オリジナルはSeals & Croftsによる1972年のヒット曲です。ただし、ソウル名曲カヴァーという本作の主旨から言えば、Isley Brothersバージョン(アルバム『3+3』収録)のカヴァーと言ったほうがいいのかもしれません。この曲もトークボックスが良く似合いますね。Fingazzのトークボックスにより名曲が新たな輝き放っています。
http://jp.youtube.com/watch?v=_PWxjmLFVuk&feature=related

本作では「Footsteps In The Dark」、「Summer Breeze」という2曲のIsleysナンバーを取り上げ、さらに前作『Classics For The Og's Vol.1』でも「Between the Sheets」、「For The Love Of You」という2曲Isleysナンバーを取り上げています。FingazzにとってIsleysはフェイバリット・アーティストなのかもしれませんね。

「The Homeboy (skit) 」
Fingazzが手掛けたチカーノラッパーLil Robをフィーチャーしたスキット。

「Didn't I (Blow Your Mind This Time)」
Delfonics、1970年のヒット曲のカヴァー。オリジナルの味わいとは異なるトークボックスならではの温かさが胸に染みてきます。
http://jp.youtube.com/watch?v=muVqygk-37Y&feature=related

「Cold Blooded」
Rick Jamesのヒット曲のカヴァー(1983年、全米R&Bチャート第1位)。メロウなスロウ・チューンが多い中で「Rock With You」と並ぶ数少ないアップ・チューン。オリジナルに近い雰囲気でヴォーカルがトークボックスに置き換わったという仕上がりです。
http://jp.youtube.com/watch?v=T71Bx-f2SHw&feature=related

「Yearing For your Love」
昨日紹介したGap Bandによるメロウ・クラシック(1981年、全米R&Bチャート第1位)。昨日記事でも書きましたが、僕のイチオシの1曲。オリジナルの持つメロウネスを失わずに、トークボックス・チューンらしい魅力が加味されている感じです。みんな大好き!メロウ・クラシックの新たな楽しみ方が増えましたね。
http://jp.youtube.com/watch?v=92j3OcpvN-o&feature=related

「Ooh Baby Baby」
オリジナルはThe Miraclesの1965年のヒット曲(Smokey Robinson作品)。ただし、トークボックスによるカヴァーということで言えば、Zappによる1989年のカヴァー(アルバム『Zapp Vibe』)がベースになっているのだと思います。トークボックス・カヴァーがハマることはZappヴァージョンで証明済みですね。それだけにフレッシュ感には欠けるかも?
http://jp.youtube.com/watch?v=0sqxiXN_g50

「The Homegirl (skit)」
『The Late Night Hype Vol. 2』にも参加していた注目の女性チカーノ・シンガーLa Laをフィーチャーしたスキット。

「Nobody」
Keith Sweatのヒット曲のカヴァー(1996年、全米R&Bチャート第1位、全米チャート第3位)。本作唯一の90年代作品のカヴァーです。トークボックスが実にフィットする出来栄えです。Keith Sweatのヴォーカル・スタイルってトークボックスに置き換えやすい感じがしますよね。
http://jp.youtube.com/watch?v=763zTlr1dPc&feature=related

「Love TKO」
Teddy Pendergrassのヒット曲のカヴァー(1981年、全米R&Bチャート第2位)。前曲のKeith Sweatとは逆にTeddy Pendergrassのトークボックス・カヴァーはフィットしないのでは?という印象があったのですが、見事に期待を裏切られました。僕の中では「Yearing For your Love」に迫る出来栄えだと思います。
http://jp.youtube.com/watch?v=WajayH5f7Kc&feature=related

「Rock With You」
説明不要、Michael Jacksonの大ヒット曲のカヴァー(1980年、全米R&Bチャート第1位、全米チャート第1位)。この曲もいかにもトークボックス・カヴァーが似合いそうな曲ですよね。これは大勢で盛り上がりながら聴きたいですね!
http://jp.youtube.com/watch?v=RnsP-YfIbVo

「Outro」
本来ならば、ここで本編終了なのですが...さらに国内盤にはボーナス・トラック2曲が追加されています。

「Sexy Buddy」
ボートラ1曲目は、Roscoeをフィーチャーした『The Late Night Hype』収録の人気曲をトークボックス・カヴァー。従来からのFingazzファンにとっては嬉しい1曲ですね。まさにセクシーなメロウ・チューンに仕上がっています。本編に負けないハイライト曲の1つになっていると思います。
http://jp.youtube.com/watch?v=zYC-cUS4m3s&feature=related

「I Miss You」
コレは新曲。哀愁モードのトークボックス・チューンに仕上がっています。
http://jp.youtube.com/watch?v=dIfblBwhZCk&feature=related

本作の発売に合わせて、『Classics For The Og's Vol.1』(2004年)もボーナス・トラック付の『Classics For The Og's Vol.1-Revisited』として再発されました。「Watching You」Slave)、「Sexual Healing」Marvin Gaye)という2曲のボーナス・トラック追加は嬉しい限りです。

クラシックス・フォー・オージーズ Vol.1 ワン・リヴィジテッド
クラシックス・フォー・オージーズ Vol.1 ワン・リヴィジテッド

『Classics For The Og's Vol.1-Revisited』収録曲
 ※カッコ内はオリジナル曲アーティスト
「Intro」
「Low Rider」War
 http://jp.youtube.com/watch?v=yXp2nHXwIVY
「Be Thankful For What You Got」(William DeVaughn)
 http://jp.youtube.com/watch?v=pGQZB2-p-pw&feature=related
「Pocos Peros Locos (Interlude)」
「Between the Sheets」Isley Brothers
 http://jp.youtube.com/watch?v=x1uCapZRnuQ
「Cutie Pie」One Way
 http://jp.youtube.com/watch?v=J9T3dcT3P7w
「Natural High」(Bloodstone)
「4 the Love Of you」Isley Brothers
 http://jp.youtube.com/watch?v=6nCOP7szsqc&feature=related
「Raza Radio (Interlude)」
「Cruizin」Smokey Robinson
 http://jp.youtube.com/watch?v=Hdu9qZPPXlY
「La La Means I Love You」Delfonics
 http://jp.youtube.com/watch?v=e0euScSgqe0&feature=related
「Interlude」
「Thin Line Beween Love And Hate」(Persuaders)
 http://jp.youtube.com/watch?v=vYKtNCR5g3I&feature=related
「Shining Star」(Manhattans)
 http://jp.youtube.com/watch?v=HXuV2FZ5lOY&feature=related
「Let's Stay Together」(Al Green)
 http://jp.youtube.com/watch?v=JRK9XmddEzU&feature=related
「Outstanding」Gap Band
 http://jp.youtube.com/watch?v=fpHvVhbsR5w&feature=related
「Outro」
「Watching You」Slave
「Sexual Healing」Marvin Gaye

絶対Vol.1、2の2枚セットでゲットすべきと思います。
posted by ez at 00:30| Comment(0) | TrackBack(0) | 2000年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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