発表年:1977年
ez的ジャンル:ライト感覚ファンキー&メロウ
気分は... :Feel Alright!
今日はCrackin'の2ndアルバム『Makings Of A Dream』(1977年)の紹介です。
Crackin'は70年代にサンフランシスコを拠点に活躍した白人黒人混合のファンク・グループ。『Crackin'』(1975年)、『Makings Of A Dream』(1977年)、『Crackin'』(1977年)、『Special Touch』(1978年)という4枚のアルバムをリリースしています。
メンバーのうちに有名なのは、Rick Chudacoff(b)、Peter Bunetta(ds)、Leslie Smith(vo)、Lester Abrams(vo、key)、Arno Lucas(conga、vo)あたりですかね。
Rick Chudacoff、Peter Bunettaの二人は名曲「Steal Away」を含むRobbie Dupreeの1st『Robbie Dupree』のプロデュースでお馴染みですね。
Leslie Smithは、Crackin'解散後にRick Chudacoff & Peter Bunettaプロデュースでリリースしたアルバム『Heartache』(1982年)や日本独自企画盤『Les is More』(1992年)がAORファンに人気ですよね。
Lester AbramsはCrackin'参加以前にファンク・グループ L.A. Carnivalを率いていました。Crackin'脱退後には、The Doobie Brothersの名盤『Minute by Minute』のレコーディングに参加し、タイトル曲「Minute by Minute」と「Open Your Eyes」の2曲をMichael McDonaldと共作しています。
Arno Lucasは、Bobby Caldwellのバック等で知られるセッション・ミュージシャンです。
Crackin'が残した4作品のうち、AORファンに人気が高いラスト作『Special Touch』(Michael Omartianプロデュース)も悪くはありませんが、個人的にはソウル度が高くファンキーな『Makings Of A Dream』がお気に入りです。
白人黒人混合グループの利点を生かし、ライト感覚のファンキー&メロウ・サウンドを聴かせてくれます。Leslie Smith以外にLester Abrams、Arno Lucasがリード・ヴォーカルをとるあたりもなかなか楽しめます。
プロデュースはRuss Titelmaが担当し、ゲスト・ミュージシャンとして David Sanborn(s、horn arr)、Victor Feldman(vibes、per)、Milt Holland(ds、per)、Nick DeCaro(strings arr)等が参加しています。
以前に紹介したフォトグラファーNorman Seeffによるジャケも秀逸ですね。
ベイエリア・ファンク、ブルーアイド・ソウル/AOR好きの方にはオススメの1枚です。
全曲紹介しときやす。
「Feel Alright」
本作のハイライト曲。フリーソウル・ファンにもお馴染みの人気曲ですね。ベイエリアらしい爽快さとファンキーな味わいがうまく融合しています。個人的には天気の良い朝にこの曲で目覚めるのがお気に入りです。Leslie Smithの伸びやかなヴォーカルを朝一で聴くと、楽しい1日を過ごせる予感がします!
「Take Me To The Bridge」
AOR的なメロウ感覚の中にもソウルフルな味わいが満ちているのがいいですね。このAORとソウルのサジ加減のバランスが本当に絶妙です。
「Beautiful Day」
Lester Abramsのクラビネットが冴えるファンキーなミッド・チューン。何度も聴くうちにクセになるグルーヴですな。9th Wonderがサンプリング・ネタに使ったりしていますね。
「I Want To Sing It To You」
Lester Abramsがリード・ヴォーカルをとっています。少しハスキーば歌声はLeslie Smithとは異なる魅力があります。David Sanbornのサックス・ソロも印象的です。
「Well And Good」
Arno Lucasがリード・ヴォーカルをとるファンキー・グルーヴ。「Feel Alright」、「You're Winning」と並ぶお気に入りです。初期Doobie Brothersを彷彿させるヴォーカルとファンキーかつ軽快なリズムは、いかにも僕好みの音に仕上がっています。
「Who You Want Me To Be」
Rick ChudacoffらしいAORサウンドを堪能できる1曲。AORサウンドとLeslie Smithの伸びやかヴォーカルの相性もバッチリ!
「What Goes Around Comes Around」
Crackin'らしいライト感覚なファンキー・サウンドを楽しめる1曲。3人のヴォーカリストの特徴もわかって面白いです。
「You're Winning」
この曲も大好き!心地好さ抜群のメロウ&ファンキー・チューン。「Feel Alright」と並ぶ完成度の高い1曲なのでは?Murs & 9th Wonder『And This Is For』のネタにもなっています。
Crackin'「You're Winning」
http://jp.youtube.com/watch?v=6mN7YgR1ZTU
Murs & 9th Wonder『And This Is For』
http://jp.youtube.com/watch?v=RO4ppruQ4xA&feature=related
「(There's A) Better Way」
ラストは味わい深いソウル・チューン。ヴォーカル・グループCrackin'としての魅力を堪能できます。
Lester AbramsがCrackin'参加以前に率いたファンク・グループ L.A. Carnivalについても近々紹介したいと思います。今日本当はL.A. Carnivalを取り上げる予定だったのですが、諸事情で延期しました。
ありがとうございます。
1stのジャケ、ネットで見つけました!
確かにヘビメタもしくはプログレっぽですね。
誰かのレコメンがないと手が伸びないジャケでしょうね(笑)
音の方もぜひ聴いてみたいものです。
このいぶし銀のようなアルバム、他にもブログに書かれている方がいるなあと思ったら、やはりezさんでしたか(笑)。
私は4枚目を愛聴していたので、このアルバムを初めて聴いて、そのファンクソウル的なノリにビックリしました。
こちらの方が私も好みかな〜。
ありがとうございます。
ベイエリアらしい爽快さとファンキー&ソウルな味わいのバランスがグッドですね。
「Feel Alright」はホント名曲だと思います。
アルバム全体のメリハリがあるのもいいですね。
Norman Seeffによる秀逸ジャケもグッときます!