発表年:2000年
ez的ジャンル:ファンク系サウスHip-Hop
気分は... :なぜこのアルバムが思い浮かんだのか?
昨日更新をサボってしまったため、今更といった感じですが一昨日のオバマ大統領の就任式は印象的でしたね。TVを観ていてもテンション上がってきました。
この歴史的瞬間を観ていたら、頭の中を3枚のアルバムが過ぎりました。
Donny Hathaway『Extension Of A Man』(1973年)
Public Enemy『Fear of a Black Planet』(1991年)
Outkast『Stankonia』(2000年)
ニューソウルを代表する『Extension Of A Man』、体制との対峙を示した『Fear of a Black Planet』というのは納得できるのですが、『Stankonia』だけは何故思い浮かんだのか自分でも説明できません。
バックに星条旗が写っているから?それだったらSly & The Family Stone『There's A Riot Going On』だってあるし...わかりません。
そんな流れで今日はOutkast『Stankonia』(2000年)です。
Big BoiとAndre 3000の二人による強力Hip-HopユニットOutkastの紹介は、『Idlewild』(2006年)に続き2回目となります。
『Stankonia』(2000年)はOutkastの4thアルバムです。どうしてもメガヒットした5thアルバム『Speakerboxxx/The Love Below』(2003年)の印象が強い彼らですが、Hip-Hopがお好きな人ならば3rd『Aquenami』(1998年)か本作『Stankonia』を最高傑作に挙げるのでは?
個人的にもOutkastの凄さを最初に実感したのが『Stankonia』です。
本作『Stankonia』は、(サンプリング・ネタという意味ではなく)音楽的にファンクを感じさせてくれるHip-Hopアルバムですよね。特にP-Funk、Sly & The Family Stone、Prince等の影響を感じます。音楽的な進化を遂げると同時に、商業的にも大成功を収めたという点で歴史的なアルバムだと思います。
プロデュース体制はOrganized Noize中心からセルフプロデュース(厳密にはBig Boi、Andre 3000の二人にMr. DJを加えたEarthtone III名義)中心へと移行しています。
Dungeon Familyの仲間であるGoodie Mobのメンバー(Big Gipp、Khujo、T-Mo、Cee-Lo)やSleepy Brown(Organized Noize)、Andre 3000の元カノErykah Badu、B-Real (Cypress Hill) 、Gangsta Boo(元Three 6 Mafia)等がゲスト参加しています。
Sly & The Family Stone『There's A Riot Going On』、Prince『Sign O' The Times』、そして本作『Stankonia』の3枚を続けて聴くと興味深いと思います。
言い換えれば、『There's A Riot Going On』、『Sign O' The Times』と肩を並べる名盤といえるのでは?
オススメ曲を紹介しときやす。
「Gasoline Dreams」
Khujo Goodieをフィーチャー。ロッキン・フレイヴァーなギター・サウンドが印象的です。Boobie Knight & the Universal Lady「Flaming Youth」ネタ。
「So Fresh, So Clean」
僕のお気に入りその1。シングルになりました。この曲はOrganized Noizeプロデュースです。Joe Simon「Before the Night is Over」ネタのメロディを奏でるSleepy BrownのフェンダーとPreston Crumpのベースがいい感じです。
http://jp.youtube.com/watch?v=RTtfBJiVVfo
「Ms. Jackson」
僕のお気に入りその2。Outkast初の全米シングル・チャートNo.1ヒットですね。70年代ソウルと2000年代Hip-Hopが見事に融合した仕上がりだと思います。印象的なフックの♪I'm sorry,Ms.Jackson♪I am for reeeal〜♪が僕には♪サミュエル・ジャクソン〜♪と聴こえてしまい、俳優のサミュエル・ジャクソンの顔が思い浮かびます(笑)。The Brothers Johnson「Strawberry Letter #23」ネタ。
http://jp.youtube.com/watch?v=x0Vy8PywZTM
「Snappin' & Trappin'」
Killer MikeとJ-Sweetをフィーチャー。本作ではローファイ感のあるトラックが数多く聴かれますが、これもそんな1曲です。
「Spaghetti Junction」
Organized Noizeプロデュース曲。Organized Noizeによるソウルフルなトラックにスパゲティのように絡みつく(?)Big BoiとAndre 3000のフロウがいい感じ。
「I'll Call Before I Come」
僕のお気に入りその3。P-Funk、Sly & The Family Stoneからの影響を感じるこの曲も聴きモノですね!ローファイなシンセ・サウンドのピコピコ感ととぼけた雰囲気がたまりません。Gangsta BooとEcoをフィーチャー。
http://jp.youtube.com/watch?v=qxlnd1O-H0I
「B.O.B.」
僕のお気に入りその4。「Ms. Jackson」と並ぶクラシック。ファンの方はご存知の通り、"B.O.B."とは"Bombs Over Baghdad"のことであり、Andre 3000がホテルでバグダッドへの爆弾投下のニュースを聞きインパイアされた楽曲です。全米No.1となった「Ms. Jackson」とは対照的に、あまりに過激な内容のため多くのラジオ局で放送制限されてしまいました。
音楽的にもインパクト十分!Hip-Hopの枠組みを軽々飛び越え、ファンク、ドラムンベース、ロック等の要素がカオス状態となったハイパー・ミュージックです。
http://jp.youtube.com/watch?v=-XBgXBvI8a0&feature=related
「Xplosion」
B-Realをフィーチャーしたシンセ・ファンク。そのせいかCypress Hillフレイヴァーの仕上がりになっています。
「We Luv Deez Hoez」
BackBoneとBig Gippをフィーチャー。Allen Toussaint「Worldwide」ネタのイナたいファンキー感が面白いです。
「Humble Mumble」
僕のお気に入りその5。Erykah Baduをフィーチャー。パーカッシヴなトラックにのったErykah & Andreによるフックが大好きです。
http://jp.youtube.com/watch?v=aMcXKvSHSR4
「Gangsta Sh*t」
Slimm Calhoun/C-Bone/T-Moをフィーチャー。ローファイな音空間を駆け巡るファズギターが脳の奥まで響いてきます。
「Toilet Tisha」
トイレで流産した少女のことを歌ったシリアスな1曲。Princeをスペイシーにした感じのサウンドがグッド!
http://jp.youtube.com/watch?v=vlU7na2-xpk&feature=related
「Slum Beautiful」
僕のお気に入りその6。Cee-Loをフィーチャー。妖しく危険な香りの仕上がりがいいですね。またCee-Loのクセのある声質がマッチするサウンドです。聴けば聴くほどクセになる1曲。
http://jp.youtube.com/watch?v=6VwBKoIGfLY
「Stankonia (Stanklove) 」
僕のお気に入りその7。エンディングを飾るタイトル曲はBig RubeとSleepy Brownをフィーチャー。「B.O.B.」に負けないハイブリッド・サウンド。レゲエ/ダブ、ファンク、ソウル、ブルース、スティール・ドラム等が闇鍋状態で妖しい音空間内に漂っています。。
http://jp.youtube.com/watch?v=BjEG5B5hDAY
やはりグループ内別居状態ではなく、Big BoiとAndre 3000が二人一緒のラップを聴きたいですよね!
ありがとうございます。
確かに本作は濃いアルバムですね。僕はその濃密さが好きですが(笑)
勿論Organized Noizeプロデュース作も好きですよ。
グループ内別居状態を解消して、真の意味でOutkastとしての作品をリリースして欲しいですね。でも難しいのかなぁ?