2009年01月27日

George Benson『Standing Together』

見逃されやすいGB作品だけど大好き!☆George Benson『Standing Together』
Standing Together
発表年:1998年
ez的ジャンル:ロマンティック系スムーズ・ジャズ
気分は... :忘れないでね!

ジャズ界を代表するスーパーギタリストGeorge Bensonの2回目の登場です。

前回『Give Me The Night』(1980年)を紹介したのが2005年10月だったので、かなり間隔が空いてしまいましたね。

今日紹介するのは1998年のアルバム『Standing Together』です。

George Bensonの場合、かなり多くのアルバムをリリースしていますが、音楽ブログ等で取り上げられる作品と言えば、殆どが『Breezin'』(1976年)から『20/20』(1985年)あたりまでだと思います。

僕もそのあたりの作品は好きですが、それらの作品と同じくらい好きなのが、『Standing Together』(1998年)や『Absolute Benson』(2000年)です。

特に今日紹介する『Standing Together』は、『Give Me The Night』と並んで一番よく聴いているアルバムです。

『Standing Together』は、『That's Right』(1996年)に続くGRP Records移籍第2弾アルバムです。

かつて『Breezin'』を手掛けたTommy LiPumaをエグゼクティブ・プロデューサーに据え、当時Smooth Jazzシーンの新進気鋭プロデューサーであったPaul Brownが10曲中8曲を手掛けています。残り2曲は『Nuyorican Soul』(1997年)で共演したハウス界のトップ・プロデューサー"Little" Louie Vega & Kenny "Dope" Gonzalez(Masters At Work)を迎えています。

僕の場合、当時『Nuyorican Soul』に相当ハマっていたので、その流れを期待して本作『Standing Together』を購入した記憶があります。

全体的にはロマンティックな仕上がりであり、スムーズ・ジャズ/AOR好きの人向けの内容だと思います。ただし、そこにR&B、ラテン、ハウスなどのスパイスが効いており、様々な楽しみ方ができるアルバムだと思います。

Ricky Peterson(key)、Mike Sims(g)、Marc Antoine(g)、Nils(g)、Alex Al(b)、Lil' John Roberts(ds)、Lenny Castro(per)、Luisito Quintero(per)、Jerry Hey(tp)、Larry Williams(sax)、Bill Reichenbach(tb)、India(back vo)、Kevon Edmonds(back vo)等の多彩なメンバーがバックを務めています。

GB作品の中でも見逃されやすいアルバムなので、機会があればぜひ一聴してみてください。

全曲紹介しときやす。

「C-Smooth」
オープニングはタイトル通りSmooth Jazzしているインスト。ロマンティック気分に浸りたい時のBGMにどうぞ!

「Standing Together」
Bensonはヴォーカルに専念し、ギターはMike Simsに任せています。Bensonの甘いヴォーカルを前面に押し出した、ひたすらロマンティックな仕上がりです。

「All I Know」
Smooth Jazz/AORファンは気に入るであろうメロウなヴォーカル・チューン。Jerry Hey(tp)、Larry Williams(sax)、Bill Reichenbach(tb)というSeawind Hornsにホーンもグッド!

「Cruise Control」
僕の一番のお気に入り。Paul Brownプロデュース曲ですが、最初聴いた時はMasters At Workが手掛けた作品だと勘違いしてしまいました。このメロウな疾走感はクラブ系リスナーの方も気に入る仕上がりだと思います。

「Poquito Spanish, Poquito Funk」
"Little" Louie Vega & Kenny "Dope" Gonzalezプロデュース1曲目。ラテン・フレイヴァーたっぷりのメロウ・チューンに仕上がっています。セクシー&ロマンティックなBensonのギターとスキャットでとろけそうです。バック・コーラスにIndia、パーカッションにLuisito Quinteroとハウス・ファンには嬉しい名前が参加しています。(Eumir)Deodato「San Juan Sunset」と聴き比べてみると楽しいですよ!

「Still Waters」
この曲でもBensonはヴォーカルに専念しています。その分、Marc Antoineが素敵なスパニッシュ・ギターを聴かせてくれます。ロマンティック・ムードに包まれたい時にはグッとくる仕上がりです。

「Fly by Night」
Smooth Jazzらしい実にスマートな仕上がりです。作者でもあるTim Heintzのキーボードの短いフレーズが印象的ですね。サンプリングしてずっとループで聴きたくなります。

「Back to Love」
R&Bファンはグッとくるであろうスロウ・チューン。当ブログでも紹介したBabyfaceの兄Kevon Edmondsがバック・コーラスを担当しています。

「Keep Rollin'」
リラックス・ムードでくつろげる仕上がりです。ボーッとしながら聴きたい曲ですね。

「You Can Do It, Baby」
"Little" Louie Vega & Kenny "Dope" Gonzalezプロデュース2曲目。この曲は『Nuyorican Soul』にも収録されていたのでお馴染みの曲ですね(若干アレンジが異なる別バージョン)。Nuyorican Soulらしいラテン・フレイヴァーのリズムをバックに、Bensonがギター&スキャットで歌いまくります。この曲を聴くと『Nuyorican Soul』を聴きたくなります。

次回、GBを紹介する時には『Absolute Benson』(2000年)かなぁ?
posted by ez at 09:32| Comment(4) | TrackBack(0) | 1990年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
「エグゼクティブ・プロデューサー」ってどんな役割の人ですか?。
Posted by Masato at 2009年01月27日 21:25
☆Masatoさん

>「エグゼクティブ・プロデューサー」ってどんな役割の人ですか?。

最近のR&B作品等ではエグゼクティブ・プロデューサーがクレジットされていることが多いですよね。

楽曲の最終チェック、プロデューサーのお目付け役、形式上の名誉職など役割は人によってさまざまなのでは?
Posted by ez at 2009年01月28日 04:01
>制作予算の管理運営を含めての総制作責任者のプロデューサーを指す場合はエグゼクティブプロデューサーとも呼ばれたりしている。

以上、wikipediaより
Posted by Masato at 2009年01月28日 11:05
☆Masatoさん

>制作予算の管理運営を含めての総制作責任者のプロデューサー

映画等ならばこの説明でいいのかもしれませんね。

音楽(特に洋楽)の場合、大物プロデューサー等がエグゼクティブ・プロデューサーとしてクレジットされている場合が多いですよね。これは作品のクオリティを保証する役割であることが多いのでは?

例えば、Michael Jacksonがエグゼクティブ・プロデューサーとしてクレジットされている作品を持っていますが、MJが予算等の管理をしているとはとても思えません(笑)

近年の洋楽作品(特にR&B/Hip-Hop)で言えば、1枚のアルバムに複数のプロデューサーが起用されることが多くなっています。そうした中でアルバムのトータル・クオリティを保証する存在として「エグゼクティブ・プロデューサー」が必要なのかもしれませんね。
Posted by ez at 2009年01月28日 19:48
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