発表年:1998年
ez的ジャンル:ロマンティック系スムーズ・ジャズ
気分は... :忘れないでね!
ジャズ界を代表するスーパーギタリストGeorge Bensonの2回目の登場です。
前回『Give Me The Night』(1980年)を紹介したのが2005年10月だったので、かなり間隔が空いてしまいましたね。
今日紹介するのは1998年のアルバム『Standing Together』です。
George Bensonの場合、かなり多くのアルバムをリリースしていますが、音楽ブログ等で取り上げられる作品と言えば、殆どが『Breezin'』(1976年)から『20/20』(1985年)あたりまでだと思います。
僕もそのあたりの作品は好きですが、それらの作品と同じくらい好きなのが、『Standing Together』(1998年)や『Absolute Benson』(2000年)です。
特に今日紹介する『Standing Together』は、『Give Me The Night』と並んで一番よく聴いているアルバムです。
『Standing Together』は、『That's Right』(1996年)に続くGRP Records移籍第2弾アルバムです。
かつて『Breezin'』を手掛けたTommy LiPumaをエグゼクティブ・プロデューサーに据え、当時Smooth Jazzシーンの新進気鋭プロデューサーであったPaul Brownが10曲中8曲を手掛けています。残り2曲は『Nuyorican Soul』(1997年)で共演したハウス界のトップ・プロデューサー"Little" Louie Vega & Kenny "Dope" Gonzalez(Masters At Work)を迎えています。
僕の場合、当時『Nuyorican Soul』に相当ハマっていたので、その流れを期待して本作『Standing Together』を購入した記憶があります。
全体的にはロマンティックな仕上がりであり、スムーズ・ジャズ/AOR好きの人向けの内容だと思います。ただし、そこにR&B、ラテン、ハウスなどのスパイスが効いており、様々な楽しみ方ができるアルバムだと思います。
Ricky Peterson(key)、Mike Sims(g)、Marc Antoine(g)、Nils(g)、Alex Al(b)、Lil' John Roberts(ds)、Lenny Castro(per)、Luisito Quintero(per)、Jerry Hey(tp)、Larry Williams(sax)、Bill Reichenbach(tb)、India(back vo)、Kevon Edmonds(back vo)等の多彩なメンバーがバックを務めています。
GB作品の中でも見逃されやすいアルバムなので、機会があればぜひ一聴してみてください。
全曲紹介しときやす。
「C-Smooth」
オープニングはタイトル通りSmooth Jazzしているインスト。ロマンティック気分に浸りたい時のBGMにどうぞ!
「Standing Together」
Bensonはヴォーカルに専念し、ギターはMike Simsに任せています。Bensonの甘いヴォーカルを前面に押し出した、ひたすらロマンティックな仕上がりです。
「All I Know」
Smooth Jazz/AORファンは気に入るであろうメロウなヴォーカル・チューン。Jerry Hey(tp)、Larry Williams(sax)、Bill Reichenbach(tb)というSeawind Hornsにホーンもグッド!
「Cruise Control」
僕の一番のお気に入り。Paul Brownプロデュース曲ですが、最初聴いた時はMasters At Workが手掛けた作品だと勘違いしてしまいました。このメロウな疾走感はクラブ系リスナーの方も気に入る仕上がりだと思います。
「Poquito Spanish, Poquito Funk」
"Little" Louie Vega & Kenny "Dope" Gonzalezプロデュース1曲目。ラテン・フレイヴァーたっぷりのメロウ・チューンに仕上がっています。セクシー&ロマンティックなBensonのギターとスキャットでとろけそうです。バック・コーラスにIndia、パーカッションにLuisito Quinteroとハウス・ファンには嬉しい名前が参加しています。(Eumir)Deodato「San Juan Sunset」と聴き比べてみると楽しいですよ!
「Still Waters」
この曲でもBensonはヴォーカルに専念しています。その分、Marc Antoineが素敵なスパニッシュ・ギターを聴かせてくれます。ロマンティック・ムードに包まれたい時にはグッとくる仕上がりです。
「Fly by Night」
Smooth Jazzらしい実にスマートな仕上がりです。作者でもあるTim Heintzのキーボードの短いフレーズが印象的ですね。サンプリングしてずっとループで聴きたくなります。
「Back to Love」
R&Bファンはグッとくるであろうスロウ・チューン。当ブログでも紹介したBabyfaceの兄Kevon Edmondsがバック・コーラスを担当しています。
「Keep Rollin'」
リラックス・ムードでくつろげる仕上がりです。ボーッとしながら聴きたい曲ですね。
「You Can Do It, Baby」
"Little" Louie Vega & Kenny "Dope" Gonzalezプロデュース2曲目。この曲は『Nuyorican Soul』にも収録されていたのでお馴染みの曲ですね(若干アレンジが異なる別バージョン)。Nuyorican Soulらしいラテン・フレイヴァーのリズムをバックに、Bensonがギター&スキャットで歌いまくります。この曲を聴くと『Nuyorican Soul』を聴きたくなります。
次回、GBを紹介する時には『Absolute Benson』(2000年)かなぁ?
>「エグゼクティブ・プロデューサー」ってどんな役割の人ですか?。
最近のR&B作品等ではエグゼクティブ・プロデューサーがクレジットされていることが多いですよね。
楽曲の最終チェック、プロデューサーのお目付け役、形式上の名誉職など役割は人によってさまざまなのでは?
以上、wikipediaより
>制作予算の管理運営を含めての総制作責任者のプロデューサー
映画等ならばこの説明でいいのかもしれませんね。
音楽(特に洋楽)の場合、大物プロデューサー等がエグゼクティブ・プロデューサーとしてクレジットされている場合が多いですよね。これは作品のクオリティを保証する役割であることが多いのでは?
例えば、Michael Jacksonがエグゼクティブ・プロデューサーとしてクレジットされている作品を持っていますが、MJが予算等の管理をしているとはとても思えません(笑)
近年の洋楽作品(特にR&B/Hip-Hop)で言えば、1枚のアルバムに複数のプロデューサーが起用されることが多くなっています。そうした中でアルバムのトータル・クオリティを保証する存在として「エグゼクティブ・プロデューサー」が必要なのかもしれませんね。