録音年:1966年
ez的ジャンル:新主流派Jazz
気分は... :幻想的な夜に...
たまにヴィブラフォン(Vibraphone、略してVibes)の音がたまらなく聴きたくなることがある。あのクールだけど優しい音色を聴くと、オシャレな気分にもなるし、幻想的な気分にもあるし、癒されている気分にもなるとても不思議な楽器だ。きっと鉄琴だけだと硬質な音色がヴィブラートすることでまろやかな音色となり、気持ちを落ち着かせてくれるのであろう。
そんなVibesの音色が大好きなんだけど、その割にはVibes奏者の名前って、Lionel Hampton、Milt Jackson、Bobby Hutcherson、Roy Ayers、Gary Burton、Mike Mainieriくらいしかパッと思い浮かばない?他に有名なVibes奏者って誰かいましたっけ?僕の場合、Milt Jackson、Bobby Hutcherson、Roy Ayers、Gary Burtonあたりをよく聴きマッスル!
Bobby Hutchersonは、1941年生まれのVibes奏者。MJQのMilt Jacksonに続くVibes奏者不在の時代が長く続いた中、現れた才能がBobbyっす。また、Wayne Shorter(ts,ss) 、Freddie Hubbard(tp)、Herbie Hancock(p) 、Joe Henderson(ts)らと並んで60年代半ばからの新主流派Jazzを代表するミュージシャンの一人デス。ミュージシャンではない僕には未だに新主流派Jazzって何か感覚的にしかわからないので、うまく説明できないのですが...
そんなBobbyの代表作が『Happenings』(1966年)デス。Herbie Hancock『Maiden Voyage』(1965年)と並び新主流派の代表的作品に挙げられることが多いアルバムっす。メンバーはBobby Hutcherson (vibe & marimba)、Herbie Hancock (p)、Bob Cranshaw (b)、Joe Chembers (ds)の4人。
他のBlue Noteの名作同様に伝説のアートディレクターReid Milesによるジャケがとてもイイカンジっす。もちろん中身もクールでスタイリッシュかつリリカルなメインストリーム・ジャズを堪能できマス。
全曲紹介しときやす。
「Aquarian Moon」
クール&スリリングなHutchersonのVibesを堪能できるナンバー。とてもスリリングなんだけど透明感のある演奏がイイカンジっす。
「Bouquet」
Erik Satieからインスピレーションを得たスローナンバー。とても幻想的でリリカルな音世界に引き込まれます。
「Rojo」
ほんのりラテンテイストのナンバー。でも全然暑苦しさはありません。いたってヒンヤリしてるっす。
「Maiden Voyage」
ご存知Herbie Hancockの代表作。Herbie自身のアルバムの「Maiden Voyage」は、大海を悠然と渡るようなエレガントな演奏が光るけど、こちらの「Maiden Voyage」は、キラキラ光る大海を淡々と渡るクールネスがたまらなくカッチョ良いっす。HutchersonのキラキラしたVibeに加え、Herbieの透明感溢れる演奏も自身のアルバム同様に素晴らしいものがありマス。
「Heat Start」
スピーディーかつ洗練されたグルーヴ感がカッチョ良いナンバー。とっても都会的な雰囲気っす。
「When You Are Near」
情感タップリのバラード。切々と歌うHutchersonのVibeが胸に響きマス。
「The Omen」
最後は現代音楽的な前衛作品っす。フリージャズしてます。よく聴くと結構面白い音世界が展開されてヤス。
他のHutcherson作品の中では、『Stick Up』(1966年)、『Oblique』(1966年)、『San Francisco』(1970年)あたりが僕の愛視盤デス。あとクラブシーンで人気の高いラテンフレーバーのアルバム『Montara』(1975年)はぜひコレクションに加えたいっす。
テリーギブスぐらいしか思い出せません。
このハプニングスは名盤ですね。
モンタラは持ってますが
人気があるとは知りませんでした。
ありがとうございます。
『Happenings』は新主流派Jazzの代表的作品として昔も今も不動の評価を得ている名盤ですね。
Jazz作品は時代が変われば評価も大きく変わりますが、『Montara』はリアルタイム派ではない次世代から再評価が高まった好例ですね。後日購入し、記事エントリーもしましたが、 当ブログで紹介したHutcherson作品では最もアクセス数が多いです。