発表年:1999年
ez的ジャンル:フューチャー・ジャズ/フュージョン
気分は... :3月攻勢を誓って...
あっという間に2月も最終日...
日本経済はどうなってしまうのでしょうね!
だんだん他人事ではなくなってきているので、3月は少し巻き返しを図らねば!
西ロンドン発のクラブ・ミュージック"ブロークン・ビーツ"♪
今日はその黎明期にリリースされ、現在も評価の高いアルバムNeon Phusion『The Future Ain't the Same as It Used 2 B』(1999年)です。
これまで当ブログにおいて、Mark De Clive-Lowe『Journey 2 The Light』(2007年)、2000Black『A Next Set A Rockers』(2008年)といったブロークン・ビーツ系の作品を紹介してきましたが、そうしたムーヴメントの先駆けとも言える作品がNeon Phusion『The Future Ain't the Same as It Used 2 B』と言えるのでは?
Neon Phusionは、Orin Walters (Afronaught)、Kaidi Tatham (Agent K)、Alex Phountziの3人から成るユニット。3人とも西ロンドンの最重要プロデューサー・クルーBugz in the Atticのメンバーであり、その意味ではBugz in the Atticのクルー内プロジェクトという位置づけになるのかもしれません。
3人の中でも特に有名なのはプロデューサー/キーボード奏者のKaidi Tathamかもしれませんね。Bugz in the Attic以外にも、先に紹介したDego(4Hero)とのユニット2000Black、Dego、Daz-I-KueとのユニットDKD、ソロ(Agent K名義も含む)でそれぞれ作品をリリースしている注目アーティストです。
さて、Neon Phusion『The Future Ain't the Same as It Used 2 B』ですが、リリース当時は本作がブロークン・ビーツ初期の名作であるなんて認識は全くありませんでした。一部評論家・リスナーの間で評価が高い作品でしたが、かなり局地的な支持だったのではないかと思います。
そもそも当時は"ブロークン・ビーツ"なんて呼称自体も知りませんでした。僕自身もこのジャンル名をちゃんと認識したのはここ数年のことですし、音自体はいまだにうまく説明できません(泣)
僕の場合、90年代前半〜半ばまではUKクラブ・ミュージックを聴く頻度がそれなりに多かったのですが、本作リリースされた90年代後半はそれほどを熱心に聴いていたわけではありませんでした。それでも本作は発売後ほどなくして購入した記憶があります。多分、CDショップで試聴し、何か心に刺さるものがあったのでしょうね。
僕の中ではユニット名の影響もあって"21世紀のフューチャー・ジャズ/フュージョン"といった印象が強かったです。今で言うNu Jazzって感じですかね。ハウス、ジャズ/フュージョン、R&B/ソウルがすっきりとスタイリッシュに融合している感じが気に入りました。
当時はKaidi TathamやThe Bugz in the Atticの名前を意識することなく聴いていましたが、その後の彼らの活躍ぶりを考えると本作への興味がさらに深まりますね。
今回、久々に通しで聴き直してみて、改めて良いアルバムだと実感していることろです。何よりKaidi Tathamを通じて、本作と昨年のお気に入りクラブ・ミュージックの1枚であった2000Black『A Next Set A Rockers』(2008年)がつながったスッキリ感で一杯です。
ブロークン・ビーツ云々は気にせず、スタイリッシュ&コズミックなUKクラブ・ミュージックとして楽しめばいいと思います。
全曲紹介しときやす。
「Intro」
「Destination」
オススメその1。イントロに続き、フューチャー・フュージョンな「Destination」へ突入。フュージョンの心地好さとブラッシュアップされたリズムを近未来的なテイストでスタイリッシュにまとめあげています。この1曲で彼らのセンスの良さが実感できますね。
https://www.youtube.com/watch?v=grzpL8zTrQs
「How Times Fly」
オススメその2。Don Ricardoのヴォーカルをフィーチャーしたクラシック。ソウルフル&アーバン・ナイトな大人のフューチャー・ソウルといった感じですね。週末の深夜に聴くのにピッタリな音ですね。
「Blue Terra」
「Hot Ice」
オススメその3。「Blue Terra」もクラシック化しているようですね。パーカッシヴなリズムとコズミックなキーボード・サウンドによる音の洪水に吸い込まれそうです。「Hot Ice」ではさらに音の洪水で畳み掛けてきます。
「Interlude」
「Space Jam」
オススメその4。スペイシーなインタールードに続き「Space Jam」へ突入します。70年代フュージョンを21世紀型クラブ・ミュージックに昇華させたフューチャー・フュージョンって感じですね。スピリチュアルな音空間が実に心地好いです。
「Electric Lady」
Sylvia Tellaによるパンチのある女性ヴォーカルをフィーチャー。クール&ミステリアスな雰囲気がグッド!
「Timecode」
オススメその5。パーカッシヴな展開がかなり僕好み。キーボードによる音の表情が局面ごとに変化していく様子がいいですね。
「Kula Maku」
Melissa Brownのヴォーカルをフィーチャーしたトライバルな仕上がり。アフロ・リズムにのって官能的なヴォーカルを堪能できます。後半になると呪文のように聴こえてきますが(笑)
「The Future Ain't the Same as It Used 2 B」
オススメその6。このタイトル曲がアルバムのハイライトなのでは?New Sector Movements(IG Culture)をフィーチャーしています。パーカッシヴなリズムに印象的なキーボード・リフが絡み、トライバル&コズミックなグルーヴが展開されます。様々な音楽吸収したまさにフューチャー・ミュージックという感じですね。名曲と呼ばれるのも納得です!
http://www.youtube.com/watch?v=TVWCb4LQmOE
「Seji's Jam」
エンディングはBugz in the Atticのクルーの一人Sejiの名を冠しています。畳み掛けるような展開に圧倒されます。僕など本来こういったサウンドはやかましく聴こえてしまうのですが、それを最後まで聴かせてしまうのが彼らの凄いところかもしれませんね。
本作とセットでBugz in the AtticのKaidi Tathamの作品もどうぞ!
Bugz in the Attic『Back in the Doghouse』(2006年)
Back In The Dog House
Kaidi Tatham『In Search Of Hope』(2008年)
In Search Of Hope