2009年03月04日

Weldon Irvine『Time Capsule』

神秘的な音宇宙を堪能できる1枚☆Weldon Irvine『Time Capsule』♪
タイム・カプセル
発表年:1973年
ez的ジャンル:コズミック・ジャズ・ファンク/ブラック・ミュージック
気分は... :神秘的ですな...

今日は時間がないので軽めな感じで...

レア・グルーヴ・ファンに人気のキーボード奏者Weldon Irvineの2回目の登場です。

『Sinbad』(1976年)に続き紹介するのは『Time Capsule』(1973年)です。

『Liberated Brother』(1972年)や本作『Time Capsule』(1973年)は Irvine自身のレーベルNodlew Musicからリリースした自主制作盤です。当時は彼独特の世界がなかなか理解されづらかったのかもしれませんね。

そんな『Time Capsule』が、他のIrvine作品同様、後年になって再評価が高まり、人によっては最高傑作に挙げる1枚となりました。

フリーソウル/レア・グルーヴの文脈で語られることが多いWeldon Irvineですが、本作あたりはブラック・ミュージックとして聴くと面白いと思います。例えば、Irvine本人や女性リサイターCharlette Cookのポエトリーリーディングをフィーチャーした楽曲が数曲あります。独特な音空間を感じさせてくれたり、ラップのルーツのようなものもあり、なかなか興味深いですよ。

それ以外にもメロウなソウル・チューンあり、ラテン・グルーヴあり、スリリングなファンク・チューンありと案外バラエティに富んだ内容になっています。

レコーディング・メンバーの中で目を引くのはドラムのLenny Whiteですかね。ジャズ/フュージョン・ファンの方は彼のドラムに注目して聴いてみるのも楽しいかもしれません。また、Irvine本人以外にもう一人George Cablesがキーボード奏者として参加しています。エレピをGeorge Cablesに任せ、Irvineはメロディカ等をプレイしている曲が数曲あり、なかなか面白い演奏を聴くことができます。

Weldon Irvineならではの神秘的な音宇宙を堪能できる1枚だと思います。

僕にとっては、何を聴こうか迷った時に手が伸びやすい1枚です。この人のミステリアスな魅力に、ついつい引き込まれてしまうのが心地好いのでしょうね。

全曲紹介しときやす。

「Time Capsule」
エレピの弾き語りをバックに、IrvineとCharlette Cookがポエトリーリーディングするスピリチュアルなオープニング。シンプルだけど神秘的です。

「Feelin' Mellow」
「Deja Vu」と並ぶ本作のハイライト曲。Willa Vaughanによる女性ヴォーカルをフィーチャーしたメロウ&ハッピーなソウルチューン。ソウル好きの人は気に入る1曲なのでは?ユルいグルーヴ感が実に心地好いですね。

「Soul Sisters」
ライナーノーツによれば、生前Irvine本人が本曲のイントロのポエトリーリーディング部分に関して、"ラップのフリースタイルのルーツであろう"と語っていたらしいです。全体としてトランペット&フリューゲル・ホーンのホーン隊のが目立つソウルフルなジャズ・ファンクに仕上がっています。中盤以降のLenny Whiteのドラムがカッチョ良いですね。この曲でもエレピはGeorge Cablesに任せ、Irvineはオルガンとラップ(?)に専念しています。
http://www.youtube.com/watch?v=U-yF52SMa7E

「Deja Vu」
本作のハイライト。Charlette Cookがポエトリー・リーディングに続き、ヴォーカル入りのメロウなラテン・グルーヴが展開されます。Irvineのエレピ・プレイを堪能できる1曲です。

Madlib率いるYesterday's New Quintetや竹村延和氏のSpiritual Vibesがカヴァーしています。また、DJ Food「Sunvibes」等のサンプリング・ネタにもなっています。

「Watergate----Don't Bug Me!」
カッチョ良さでいけば、この曲が一番かも?タイトルからもわかる通り、ニクソン大統領を辞任に追い込んだ有名なウォーターゲート事件を皮肉った曲。音的にはブラックムーヴィーのサントラっぽいスリリングなファンク・チューンに仕上がっています。この曲でもエレピはGeorge Cablesに任せ、Irvineはメロディカを吹きまくります。これが独特の雰囲気を醸し出して印象深いです。

「Spontaneous Interaction」
George Cablesがエレピ、Irvineがメロディカ&ピアノをプレイしています。Clint Houstonのベースがかなりカッチョ良いですね。各プレイヤーのエキサイティングな演奏で自然とアドレナリンの分泌が活発になります(笑)。エンディングはスピリチュアルに締めてくれるのもグッド!

「I Am」
Charlette Cookがポエトリーリーディングをフィーチャー。「Time Capsule」同様エレピ&ポエトリーリーディングのみのシンプルな演奏ながらも味わい深いです。

「Bananas」
ラストは短いながらもカッチョ良いジャズ・ファンクです。もう少し長尺で聴きたいですな。

昨日、『ヤッターマン』&深田恭子ちゃんネタを書いたら、昨日それ絡みの検索からのアクセスが結構ありました。なんか嬉しいかも〜(笑)
posted by ez at 04:16| Comment(0) | TrackBack(0) | 1970年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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