
発表年:1972年
ez的ジャンル:Stevie系ニューソウル
気分は... :愛子ちゃん、ヤッター!
昨日のWBC「日本対韓国」はテンション上がりましたね。
僕も仕事を終えた後、ビール片手にみんなでで大興奮しながらTV観戦していました。
きっと今日のスポーツ新聞はWBCの記事一色かもしれませんね。
しかし、WBCでの日本コールド勝ち"以上に僕にとって嬉しかったのが、モーグル世界選手権で上村愛子チャンが世界王者になったことです。
競技終了後、涙でインタビューに答える愛子チャンを観ていて、こちらも目がウルウルになってしまいました。映画『ヤッターマン』の公開日とも重なり、インタビューの最後に愛子スマイルで"ヤッター!"と微笑む彼女にグッときてしまいました(笑)
誰よりもオリンピックで金メダルをとって欲しいアスリートです。
ということで、今の僕の気分は愛らしい女性ヴォーカルを聴きたい気分...そこでセレクトしたのがSyreeta (Wright)の1stアルバム『Syreeta』(1972年)です。
Syreetaの紹介は『One To One』(1977年)に続き2回目になります。
ご存知の通り、本作『Syreeta』(1972年)はSyreetaがStevie Wonderとの結婚期間中に制作した唯一の作品であり、SyreetaとStevieのラブラブ・モードが生み出した1枚と言えるかもしれませんね。
正直言うと、Leon Wareプロデュースのメロウ作『One To One』を聴く機会が多い僕ですが、『Syreeta』もニューソウル的な魅力があってお気に入りです。
特に、Stevieの『Music Of My Mind』(1972年)からサブタイトルを付けている当ブログですので、『Music Of My Mind』の姉妹作と位置づけられる本作を見過ごすわけにはいきませんからね。
Stevieが全面プロデュースし、全8曲中、Smokey Robinson作「What Love Has Joined Together」、Beatlesカヴァー「She's Leaving Home」の2曲を除き、Syreeta、Stevieの作品(二人の共作も含む)になっています。
StevieのブレーンRobert Margouleff、Malcolm Cecilも参加し、ギターにはBuzz Feitenの名もあります。
シンセ、トーキング・モジュレーター、ストリングスなどを前面に押し出したニューソウルが展開されます。ソウルフルではないけど、個性的なヴォーカルの持ち主であるSyreetaの魅力を、旦那のStevieがうまく引き出していると思います。
個性的なヴォーカルという意味で、Linda Lewisあたりが好きな人がハマるアルバムなのでは?
全曲紹介しときやす。
「I Love Every Little Thing About You」
本作のハイライト曲はコレですね(Stevie作)。 Stevieの『Music Of My Mind』にも収録されている名曲。特にStevieバージョンは僕の大のお気に入りです(Stevieの全楽曲の中で一番好きかも)。Stevieバージョンと比較すると、Syreetaバージョンはキュートな彼女のヴォーカルに合わせて、クラビネットが軽やかに跳ね回っている感じが魅力です。両者を対比して聴くと楽しいのですが、YouTubeにSyreetaバージョンがないのが残念です。
Stevie Wonder「I Love Every Little Thing About You」
http://www.youtube.com/watch?v=mCDWMqWZbqQ
また、Aretha Franklin、Charlene、Rhianna、Riddim Saunter等のカヴァーがあります。
Charlene「I Love Every Little Thing About You」
http://www.youtube.com/watch?v=N0CNhT7HCdo
Rhianna「I Love Every Little Thing About You」
http://www.youtube.com/watch?v=YTLBv74yTcM
「Black Maybe」
この曲も名曲ですね(Stevie作)。この時期のStevieらしいミステリアス&コズミックなブラック・サウンドとSyreetaの愛らしいヴォーカルのギャップが逆に面白いです。Commonが本曲にインスパイアされた曲「U, Black Maybe」をリリースしていますね。
「Keep Him Like He Is」
Syreetaのキュートな魅力全開の軽やかなポップ・ソウル(Syreeta/Stevie共作)。彼女の声にはこういった曲がピッタリだと思います。
「Happiness」
Syreetaのソングらティングの非凡さを示してくれる1曲。何気ないけどいい味出しています。トーキング・モジュレーターによるコーラスが印象的です。
「She's Leaving Home」
Beatlesの名曲カヴァー。StevieがRoger Troutmanに負けないくらいトーキング・モジュレーターで唸りまくっています。Syreeta本人のヴォーカルよりも目立っているかも?
「What Love Has Joined Together」
Smokey Robinson作品のカヴァー。 Miracles以外にMary Wells、The Temptationsも歌っています。Syreetaにソウルフルという言葉はあまり似合いませんが、アルバム中一番ソウルな仕上がりです。
「How Many Days?」
Stevie作。ストリングスを前面に押し出したバラード。正統派女性シンガーがこうした曲を歌うとクドくなりますが、Syreetaのような個性的な声質のシンガーだとあまり気になりません。
「Baby Don't You Let Me Lose This」
Syreeta/Stevie共作。この曲かなり好きです!Stevieらしいシンセ・サウンドと愛らしいSyreetaのヴォーカルの組み合わせがグッド!サビの盛り上がりもいい感じ!
「To Know You Is to Love You」
最後もSyreetaとStevieの共作。ニューソウルらしいサウンドにのって二人のデュエットが聴けます。バックのサウンドがStevieというよりDonny Hathawayっぽいのが面白いですね。Buzz Feitenのギターがかなりカッチョ良いです。
http://www.youtube.com/watch?v=j-_I1_56SD0
この頃のキュート&ラブラブなSyreetaの声を聴くと、その日にあった嫌なこととか、一発で忘れ去ることができそうですな。