発表年:1989年
ez的ジャンル:マンチェスター・サウンド
気分は... :ボーッとしていたい...
昨日、今日と肉体的にも精神的にも疲れ気味...
なんかアシッドなサウンドを聴きながら、ボーッとしていたい気分。
ということで、今日はThe Stone Rosesのデビュー・アルバム『The Stone Roses』です。
The Stone Rosesは、1985年にイギリスのマンチェスターで結成されたロック・グループ。1985年にシングル「So Young」でデビューを果たします。
1987年にJohn Squire(g)、Ian Brown(vo)、Mani(b)、Reni(ds)という最強のラインナップが揃い、1989年に衝撃のデビュー・アルバム『The Stone Roses』をリリースします。
当時流行のアシッド・ハウスをグルーヴ感を吸収した、ダンス・カルチャー経由のロック・サウンドは、マンチェスター・サウンドとして1つのムーヴメントになり、Happy Mondays、Charlatans、Inspiral CarpetsらがStone Rosesに続きました。
その後5年という長いブランクを経て、1994年に2ndアルバム『Second Coming』をリリース。その後メンバーの相次ぐ脱退があり、1996年にバンドは解散します。
解散後、Ian Brownはソロ、John SquireはThe Seahorsesを結成、ManiはPrimal Screamへ加入とそれぞれの道へ進みました。
熱狂的に聴いていた訳ではありませんが、Stone Rosesは当時のUKロックの救世主というのが僕の印象です。
Stone Roses、Happy Mondays、Charlatansとマンチェスター・サウンドを代表するアーティストの作品がCD棚に揃っていますが、Stone Rosesは別格という感じがします。
僕も好き嫌いは別に当時のUKロックの必須科目という感覚でStone Rosesを聴いていた気がします。そんな感覚で聴いていたので、イマイチ思い入れ強くないのかもしれませんが(笑)
でも改めて聴いてみると、John Squire、Ian Brown、Mani、Reniというラインナップは強力ですね。特にJohn Squire、Mani、Reniという3人が生み出すグルーヴは魅力的です。
ダンス・カルチャー経由のロック・アルバムですが、必ずしもダンス・チューンばかり収録されているわけではありません。先入観で聴くと、フォーク・ロック的な楽曲の多さを意外に思うかもしれませんね。
それでも、本作はロック的な土壌ではなく、アシッド・ハウス/レイヴ的な土壌から生まれたロック・アルバムという気がします。
僕が大好きなPrimal Scream『Screamadelica』も、本作があったからこそ生まれた作品なのでは?
プロデュースはJohn Leckie。XTC『White Music』、Radiohead『The Bends』と当ブログでJohn Leckieプロデュース作を紹介する機会が多くなっていますね。
UKロックの歴史を辿る上で、欠かすことのできない1枚ですね!
全曲紹介しときやす。
「I Wanna Be Adored」
オススメその1。美しさと重苦しさが同居するオープニング。シングルにもなりました。地を這うようなManiのベースと、美しくも儚いJohn Squireのギターがグッド!ダンス・カルチャーを経由してきたアシッド感覚のギター・ロックって感じがいいですね。
http://www.youtube.com/watch?v=-cme2q0N7nM
「She Bangs the Drums」
この曲もシングルになりました。とてもポップでキャッチーなのに全然健全に聴こえてきません(笑)。フォーク・ロックっぽい味わいもありますね。
http://www.youtube.com/watch?v=---X12mY14Q
「Waterfall」
オススメその2。今聴いても名曲って感じがしますね。マンチェスター・サウンドに興味がない人でも、この曲の牧歌的な美しさにはグッとくるのでは?
http://www.youtube.com/watch?v=dQUxCQxu9og
「Don't Stop」
前曲の「Waterfall」のトラックを逆回転させたもの。わざわざ2曲並べられているので聴き比べると面白いです。
http://www.youtube.com/watch?v=zDHBA-IV0Ew
「Bye Bye Badman」
オススメその3。アコースティックな味わいの60年代フォーク・ロック風の仕上がり。単なるフォーク・ロックで終わらせず、彼ららしい展開へ持ち込むところがいいですね。
http://www.youtube.com/watch?v=C3WkIENVY_M
「Elizabeth My Dear」
メロディはSimon & Garfunkelで有名な「Scarborough Fair」です。このお馴染みの英国民謡のメロディを使って英国王室批判が展開されます。
http://www.youtube.com/watch?v=VJNcnDLWNis
「(Song for My) Sugar Spun Sister」
この曲には青春ギター・ポップっぽい爽快さがありますね。僕の中のStone Rosesのイメージとはかなりギャップがありますが(笑)
http://www.youtube.com/watch?v=zQnELW-7yZw
「Made of Stone」
60年代サイケな雰囲気たっぷりな1曲。改めてアルバムを通しで聴いてみると、60年代のフォーク・ロック/サイケからの影響が窺える曲が多いことに気付かされます。
http://www.youtube.com/watch?v=H_9Rz85N8mA
「Shoot You Down」
オススメその4。僕の中ではチルアウト的な1曲。この甘く気だるいマッタリ感がたまりません!Reniのドラムにグッときます。
http://www.youtube.com/watch?v=MuFVj6lv9m0
「This Is the One」
オススメその5。Stone Rosesらしいグルーヴ感溢れるロック・チューンに仕上がっています。ダンス・カルチャーとロック・カルチャーの素敵な出会いといった感じですね。John Squireの美しいギター・アルペジオが印象的です。
http://www.youtube.com/watch?v=YXfnZ7HYD_k
「I Am the Resurrection」
オススメその6。個人的にはアルバムのハイライト。彼ららしいアシッド感覚はありませんが、黒人音楽からの影響を最も感じる1曲に仕上がっています。前半はモータウン風のリズムにのったポップ・チューン、後半はJohn Squire、Mani、Reniのプレイが存分に堪能できるファンキーなインストパートが展開されます。特に後半の展開は圧巻です!シングルにもなりました。
http://www.youtube.com/watch?v=xTaS4AQ68xY&feature=related
UK盤のオリジナルは以上の11曲ですが、USA盤には「Fools Gold」 、「Elephant Stone」というシングルになった2曲がボーナス・トラックとして収録されています。2曲ともサイコーです。
「Fools Gold」
オススメその7。「What the World Is Waiting For」とのカップリングでUKシングル・チャート第8位のヒットとなりました。James Brown「Funky Drummer」ネタのリズムを使った、ダンス・チューンに仕上がっています。この時期のアシッドなサウンドが好きな人にはたまらない1曲なのでは?
http://www.youtube.com/watch?v=k4bHMVAKDao
「Elephant Stone」
オススメその8。UKシングル・チャート第8位となったヒット曲です。これぞStone Roses!って感じのダンス・カルチャー経由のロック・チューンに仕上がっています。
http://www.youtube.com/watch?v=FfzQLZtCZSY
これから本作をゲットする人は、上記2曲が収録されているUSA盤の方が絶対お得だと思います。