2009年04月26日

Tenorio Jr.『Embalo』

キラーチューン「Nebulosa」収録。ピアノ・ジャズ・サンバの名盤☆Tenorio Jr.『Embalo』
Embalo
録音年:1964年
ez的ジャンル:ピアノ・ジャズ・サンバ
気分は... :今聴いても鮮度抜群!

GWとは全く無縁の生活の僕ですが、音楽くらいはGW気分でセレクトしてみますね。

ということで今日はピアノ・ジャズ・サンバの名盤として名高いTenorio Jr.『Embalo』(1964年)です。

本作『Embalo』は、ブラジル音楽、クラブ・ジャズ、カフェ・アプレミディのお好きな方にはお馴染みの1枚ですね。

その割にはTenorio Jr.本人についての情報は非常に少ない気がします。
僕も彼について知っているのは、彼がブラジル出身のピアニストで、本作『Embalo』が23歳の時にレコーディングした唯一のリーダー作であり、70年代半ばにアルゼンチンで消息不明に(アルゼンチンの軍事政権に反体制分子の疑いをかけられ処刑されたらしいです)....というくらいですね。だからこそ伝説のピアニストなのかもしれませんが。

そんな唯一のリーダー作『Embalo』ですが、中身も"伝説"の名に相応しいものになっています。

何と言っても、クラブ・ジャズ、カフェ・アプレミディから絶大な人気を誇るキラーチューン「Nebulosa」収録に惹かれますね。ジャジーHip-Hopのサンプリング・ネタとしてもお馴染みのジャズ・サンバであり、この1曲をゲットするだけで十分おつりがくる作品だと思います。

クラブ・ジャズ好きの若いリスナーの方が聴いても、全く古さを感じさせない作りだと思います。逆にそのフレッシュ感に驚く方が多いのでは?さらに「Nebulosa」以外にもクラブ・ジャズ好き、カフェ・ミュージック好きを歓喜させる演奏が目白押しです。

メンバーは、Tenorio Jr.(p)以下、Jose Antonio Alves(b)、Sergio Barrozo(b)、Milton Banana(ds)、Roberto Ronal De Mesquita(ds)、Celso Brando(g)、Neco(g)、Maurilio Santos(tp)、Pedro Paulo Siqueira(tp)、Edson Maciel(tb)、Raul De Souza(tb)、Paulo Moura(as)、Hector Costita(ts)、J.T.Meirelles(ts)、Rubens Bassini(per)という編成です。このあたりは詳しくないので僕にはピンときませんが、リオ・オールスターズと呼べる布陣みたいです。

21世紀のクラブ・ジャズ、カフェ・ミュージックを予見したかのような、60年代ピアノ・ジャズ・ボッサ/サンバ最高峰を、ぜひご堪能ください。

ジャズ・ボッサの入門編としても最適な1枚なのでは?

全曲紹介しときやす。

「Embalo」
オススメその1。タイトル曲はTenorioのオリジナル。小気味良いジャズ・ボッサに仕上がっており、躍動するTenorio Jr.のピアノにRaul De Souzaをはじめとするご機嫌なホーンが絡みます。

「Inutil Paisagem」
Antonio Carlos Jobimの有名曲ですね。邦題「無意味な風景」。メロディが素晴らしいのは勿論のこと、ピアノ・トリオによるエレガントな演奏が何ともたまりません。

「Nebulosa」
オススメその2。前述のように本作のハイライトとなる躍動するジャズ・サンバ(Tenorioのオリジナル)。このミラクルなピアノ・フレーズは世代を越えてリスナーを魅了する何かを持っていますね。
http://www.youtube.com/watch?v=H2FNolvbuYs

Andrea Pozza、Kenichiro Nishiharaのカヴァーをはじめ、Cypress Hill「High Life (DJ CAM Remix) 」、A Forest Mighty Black「Fresh In My Mind」、A.Y.B. Force「Carioca Moon」、Libro「雨降りの月曜」等でサンプリングされています。

A.Y.B. Force「Carioca Moon」
 http://www.youtube.com/watch?v=xsebe-kT2WU

※Andrea Pozza、Kenichiro Nishiharaのカヴァー、A Forest Mighty Black「Fresh In My Mind」は下段のimeemでお聴きください。

「Samadhi」
Tenorioのオリジナル。落ち着いたピアノ・トリオにとる演奏にEdson Macielのレイジーなトロンボーンが絡みます。

「Sambinha」
オススメその3。Bud Shankによるボッサ・ナンバーをカヴァー。ブエノスアイレスのジャズ・フェスティバルでBud Shankと共演した経歴を持つTenorioらしい選曲かもしれませんね。ボッサ・ジャズ好きの人であれば気に入るでしょう。

「Fim de Semana Em Eldorado」
オススメその4。「Nebulosa」に次いで人気があるのがこの曲なのでは?パーカッシヴなTenorioのピアノが印象的な疾走するジャズ・サンバはいつ聴いてもスリリングです。緩急のつけ具合も絶妙ですね。邦題「エルドラードでの週末」(Johnny Alf作品)。

「Nectar」
哀愁のボッサ・チューン。Tenorioのオリジナル。

「Clouds」
ドラマティックなTenorioのピアノとPaulo Mouraのアルトサックスが印象的ですね。Durval Ferreira/Mauricio Einhorn作品。

「Consolacao」
オススメその5。クラブ・ジャズ好きの人は歓喜するラテンなハードバップ。豪華なホーン隊が暴れまくります。クラブジャズの新作と錯覚してしまいそうなこの演奏を今から45年前のものと聴いて驚く方も多いのでは?Baden Powell/Vinicius De Moraes作品。

「Estou Nessa Agora」
オススメその6。ラウンジ/カフェ・ミュージック好きの人にはたまらい1曲。邦題「それに夢中」、 Tenorio Jr.のオリジナルです。

「Carnaval Sem Assunt」
ラストはベースで参加しているJose Antonio Alvesの作品。「語るべきもののないカルナヴァル」という邦題が印象です。ギターも加わりアクセントになっています。

サッカー・リーガ・エスパニョーラ注目の一戦「バレンシア対バルセロナ」をTV観戦中!前半を終了して2対1でバレンシアがリード!なかなかの好試合を期待できそうです。
posted by ez at 05:54| Comment(0) | TrackBack(0) | 1960年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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