2009年04月30日

Common『One Day It'll All Make Sense』

Commonの存在を広く知らしめた3rd☆Common『One Day It'll All Make Sense』
ワン・デイ・イトゥル・オール・メイク・センス
発表年:1997年
ez的ジャンル:リアルHip-Hop
気分は... :胸にしみるHip-Hop

シカゴ出身の知性派ラッパーCommonの5回目の登場っす。

これまで当ブログで紹介してきたCommonは以下の4枚(発売順)。

 『Like Water For Chocolate』(2000年)
 『Be』(2005年)
 『Finding Forever』(2007年)
 『Universal Mind Control』(2008年)

5枚目の紹介となるのは1997年リリースの3rdアルバム『One Day It'll All Make Sense』です。

Hip-Hopアーティストの作品で5枚目の紹介というのは初めてになります。

これまでCommonA Tribe Called QuestThe Rootsの3アーティストが4枚で並んでいましたが、Commonが一歩抜き出ましたね!(って僕自身の意思ですが...)

それだけCommonというラッパーが、僕にとって欠かせない存在なのかもしれませんね。

昨年末に出た最新作『Universal Mind Control』は、エレクトロかつハイ・エナジーな仕上がりで新境地を開いた作品でした。それはそれで嫌いではありませんが、僕はやはりソウルフルなCommonが好きですね。

その意味では、『One Day It'll All Make Sense』『Like Water For Chocolate』『Be』の3枚が一番僕の好みにフィットします。コアなHip-Hopファンの方は2nd『Resurrection』(1994年)あたりの支持が高いのかもしれませんが。

今日紹介する『One Day It'll All Make Sense』は、初めて購入したCommon作品でした。それまでもCommon Senseの存在は知っていましたが、アルバム購入までには至っていませんでした。

本作を購入した理由は、Lauryn HillErykah BaduDe La SoulQ-TipA Tribe Called Quest)、The Rootsと僕の大好きなR&B/Hip-Hopアーティストが本作に勢揃いしていたためという不純なものでした。

そんな僕でしたが、本作を聴き終わった頃には豪華ゲスト陣以上にCommonというラッパーの存在感に魅了されていました。Hip-Hop作品で"ソウルフル"という印象を持ったのはこの作品が初めてだったかもしれません。それ以来Commonは僕にとって特別なアーティストになっています。

プロデューサーはCommon作品ではお馴染みのNo I.D.が約2/3を手掛け、それ以外にSpike Rebel、Dug Infinite、Ynot、The Roots、James Poyser、Karriem Rigginsが参加しています。

胸にしみるHip-Hop!そんな言葉が似合う1枚です。

全曲紹介しときやす。

「Introspective」
ポエトリーリーディングによるイントロダクション

「Invocation」
Jimmy Ponder「Jennifer」ネタのギター・ループが心地好いジャジーHip-Hop。

「Real Nigga Quotes」
Commonらしい鋭いリリックが突き刺さる1曲。

「Retrospect For Life」
オススメその1。Lauryn Hillをフィーチャーしたシングル曲。Donny Hathaway「Song For You」ネタのトラック、Commonのソウルフルなフロウ、Laurynが歌うStevie Wonder「Never Dreamed You'd Leave In Summer」ネタのサビと名曲の要素がバッチリ揃った心にしみるクラシック。90年代版ニューソウルって感じの仕上がりがサイコー!Commonの魅力全開の1曲だと思います。No I.D. と共にJames Poyserがプロデュースしています。
http://www.youtube.com/watch?v=pmDybzfNBG0

「Gettin' Down At The Amphitheater」
オススメその2。 De La SoulのPosとTrugoyをフィーチャー。DJ Grand Wizard Theodore「Gangbusters」ネタのオールドスクールなトラックと共に彼らの軽快なフロウを堪能しましょう。
http://www.youtube.com/watch?v=JJ06kt_0K6o

「Food For Funk」
不穏かつへヴィーなトラックが雰囲気が印象的です。

「G.O.D. (Gaining One's Definition)」
オススメその3。Cee-Loをフィーチャーした感動的な1曲。涙腺にグッとくるピアノとCommonとCee-Loのソウルフルなフロウの相性は抜群!まさにゴッドな名曲だと思います。
http://www.youtube.com/watch?v=uPEBpYSvBxk

「My City」
Alvin Rogersのサックスをフィーチャーしたジャジーなポエトリー・リーディング。

「Hungry」
短いながらも、Commonの畳み掛けるようなフロウが心に刺さる1曲。

「All Night Long」
オススメその4。Erykah Baduをフィーチャーした人気曲。The RootsプロデュースというのもHip-Hopファンは相当グッときますね。Common、Erykah BaduThe Rootsの顔合わせというだけで僕は何でもウエルカムですっ(笑)The Rootsプロデュースらしい極上ジャジー・グルーヴがたまりません。Yarbrough and Peoples「Don't Stop The Music」ネタ。その後恋仲となるCommonとErykah Baduの共演という意味でも興味深いですね。
http://www.youtube.com/watch?v=MiB2yR3sI9o

「Stolen Moments Pt. I」
「Stolen Moments Pt. II」
「1 2 Many...」を挟んでPt. IIIまであります。Pt. IIではBlack Thoughtをフィーチャー。Pt. IはGwen McCrae「90% of Me Is You」ネタ、Pt. IIはFranck Pourcel「Je L'Aime」ネタ。

「1 2 Many...」
個人的には淡白な印象も受けますが人気曲みたいですね。Roy Ayers「The Black Five」ネタ。
http://www.youtube.com/watch?v=qmelRxSeL50

「Stolen Moments Pt. III」
Pt. IIIはQ-Tipをフィーチャー。CommonとQ-Tipの組み合わせって声質的にどうなんだろう?とも思いましたが(笑)Melvin Van Peebles「Superstition」ネタ。

「Making A Name For Ourselves」
Canibusをフィーチャーした男気溢れる雰囲気の仕上がりです。
http://www.youtube.com/watch?v=OZ_3me0XUcM

「Reminding Me (Of Sef)」
オススメその5。Chantay Savageをフィーチャーしたクラシック。シングルにもなりました。Patrice Rushen「Reminding Me」のフレーズが飛び交うキャッチーな作りであり、Hip-HopファンのみならずR&Bファンにもグッとくる仕上がりです。Lowrell「Mellow Mellow Right On」ネタ。
http://www.youtube.com/watch?v=YQfq62N_Jxs

CommonがChantay Savage「I Will Survive」(Gloria Gaynorのディスコ・ヒットのカヴァー)のリミックスへ参加したことが、共演のきっかけだと思います。
Chantay Savage Feat. Common「I Will Survive(Remix) 」
 http://www.youtube.com/watch?v=F52sVCmuBis

「Pop's Rap Part 2/ Fatherhood」
最後はお馴染みのCommonパパ、Lonnie "Pops" Lynnをフィーチャー。ピアノ・トリオになるジャジーな生演奏をバックにシブく決めてくれます。

本作でコアなHip-Hopファン以外にも、その存在を知らしめたCommonは次作 『Like Water For Chocolate』(2000年)で更なる高みへ到達することになります。
posted by ez at 06:53| Comment(0) | TrackBack(0) | 1990年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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