発表年:1977年
ez的ジャンル:イージーリスニング系フュージョン
気分は... :テキーラ!
先程までサッカーUEFAチャンピオンズリーグ準決勝2nd「アーセナル対マンチェスターU」を観ていましたが、アーセナルはホームで完敗し、敗退が決まりました。
「アーセナル対バルセロナ」という大好きな2クラブによる決勝を待ち望んでいたのですが....こうなったら、何としてもバルサに決勝進出してもらい、決勝でマンUを蹴散らして欲しいですね。とは言うもののマンUはかなり強かったなぁ...その前に明日チェルシーに勝利しないといけませんな。
二日連続の自棄酒は飲みたくないので(泣)
さて、Jazz界の大物キーボード奏者、Ramsey Lewisの4回目の登場です。
『Sun Goddess』(1974年)、『The In Crowd』(1965年)、『Love Notes』(1977年)に続いて紹介するのは、『Tequila Mockingbird』(1977年)です。
やはりRamsey Lewisの場合、『Sun Goddess』(1974年)から『Routes』(1980年)あたりまでのフュージョン/クロスオーヴァー作品に惹かれてしまいますね。
勿論、『Love Notes』に続いてリリースされた本作『Tequila Mockingbird』(1977年)もそんな流れの1枚です。
本作は『Sun Goddess』(1974年)、『Salongo』(1976年)、『Routes』(1980年)と同じく、Earth,Wind & Fireメンバーとのコラボ作品ですが、『Sun Goddess』あたりの人気ぶりと比較すると、今日ではかなり地味な位置づけのような気がします。若いリスナーにウケるクラブ向け作品ではないのが大きいのかもしれませんね。逆にリアルタイムで本作を聴いたフュージョン世代の方の支持はかなり高い作品なのでは?
確かに、これまで紹介した『Sun Goddess』、『Love Notes』あたりと比較すると、よりイージーリスニング的要素が強いアルバムなのかもしれません。でも、そのように割り切って聴けば、かなり心地好く聴くことができる作品だと思います!(褒め言葉なのでフュージョン・ファンの方はご勘弁を)。
プロデュースはBert DeCoteauxとLarry Dunn。Bert DeCoteauxは前作『Love Notes』に続いての起用になり、全8曲中5曲を手掛けています。Byron Gregory (g)、Ron Harris (b)、Keith Howard (ds)、Derf Reklaw Raheem (per)というメンバーも『Love Notes』からの継続です。
残り3曲はEW&Fのキーボード奏者Larry Dunnが手掛け、Ronnie Laws(ss)、Al McKay(g)、Verdin White(b)、Fred White(ds)、Philip Bailey(per)、Johnny Graham(g)、といったEW&FファミリーがRamseyをバックアップしています。
それ以外にもEddie del Barrio (key)、Victor Feldman(key)、Ndugu Leon Chancler(ds、per)、Ernie Watts(s)等のメンバーがサポートしています。特に、CalderaのメンバーであったEddie del Barrioはアレンジ面でも貢献しているようです。
余計なことを考えず、家でリラックス・モードで聴くと心地好いフュージョン・アルバムだと思います。
全曲紹介しときやす。
「Tequila Mockingbird」
タイトル曲はLarry Dunnプロデュース(曲もLarry Dunn作)。ラテン・テイストのファンキー・チューン。ファンキーなタッチのRamseyのピアノと共にRonnie Lawsのサックスがフィーチャーされています。EW&Fらしいリズムも満喫できるキャッチーな出来栄えです。若いリスナーの方はダンス・クラシックになっているDee Dee Bridgewaterによるカヴァーもオススメです(アルバム『Bad For Me』収録)
Dee Dee Bridgewater「Tequila Mockingbird」
http://www.youtube.com/watch?v=5bz3c-Gg_yQ
「Wandering Rose」
一番のお気に入り曲。ローズの香りが漂ってきそうな爽快メロウ・フュージョン。RamseyのフェンダーローズとByron Gregoryのギターが心地好く響き渡ります。
http://www.youtube.com/watch?v=MhaOXs8Bt1c
「Skippin'」
Larry Dunnプロデュース2曲目はVictor Feldman作品のカヴァー。Feldman本人がエレピとパーカッションを演奏しています。ちなみにコンガを叩いているのはPhilip Baileyです。リラックス・モードで能天気な気分になれる1曲。
「My Angel's Smile」
ファンキーなフュージョン・チューン。コアなフュージョン・ファンの方はこういった曲がお好きなのかもしれませんが、僕には古臭く聴こえてしまいます。アルバムの中で唯一パスの演奏です。
「Camino el Bueno」
Derf Reklaw Raheem作品。彼は『Love Notes』でも楽曲提供していましたね。パーカッション奏者の楽曲だけあって、実にパーカッシヴな仕上がりで僕好みです。Ramseyのローズも実に心地好いです。
「Caring for You」
胸にグッとくるメロディ、小粋なRamseyのピアノ、Byron Gregoryの爽快なカッティング・ギター等々心に刺さりまくるお気に入り曲です。(良い意味で)まさにイージーリスニング的フュージョンって感じです。
「Intimacy」
Ramseyのドラマティックなソロに続き、ラテン・タッチの哀愁メロウ・グルーヴが展開されます。ラテン大好きの僕は勿論お気に入りです。
「That Ole Bach Magic」
Larry Dunnプロデュース3曲目。Larry DunnとEddie del Barrioの共作曲です。バロック調の出だしはタイトルにあるようにバッハを意識したもの。Ramsey、Larry Dunn、Eddie del Barrioという3人のキーボード奏者の共演を堪能しましょう。
Larry Dunnは、その後『Routes』(1980年)のプロデュースも手掛けることになります。