発表年:1965年
ez的ジャンル:エンタメ系ジャズ・サンバ
気分は... :エンタメ精神は大事ですな!
今日はLennie Dale & Sambalanco Trio『Lennie Dale E O Sambalanco Trio』(1965年)です。
国内盤CDには"1967年作品"となっていますが、他のリソースには1965年作となっています。ここでは1965年作としておきます。間違っていたならばゴメンナサイ!
Lennie Dale(1934-1994年)は、アメリカN.Y.生まれ。アメリカ、ヨーロッパでダンサー/振付師として活躍した後、ナイトクラブ・ショーの振り付けのためにブラジルへ渡ります。やがてジャズ・ボッサの本拠地、リオのBeco das Garrafasでシンガーとして活動するようになります。
そして、ブラジル音楽ファンにはお馴染みの独立レーベルElencoから、『Um Show De Bossa』(1964年、Bossa Tresとの共演)、『Lennie Dale E O Sambalanco Trio』(1965年、Sambalanco Trioとの共演)、『A 3a Dimensao de Lennie Dale』(1967年、Trio 3Dとの共演)といったアルバムをリリースしています。ジャズ・サンバの優秀なピアノ・トリオを選別する才能があったのでしょうね。。
このアメリカ人振付師のヴォーカル・スタイルがブラジル音楽シーンに与えたインパクトは大きかったようですね。その後もブラジルでショー関係の仕事に従事していましたが、エイズのため1993年にアメリカに帰国し、1994年に死去しています。
今日紹介する『Lennie Dale E O Sambalanco Trio』はSambalanco Trioとの共演作です。
Sambalanco Trioは1962年にサンパウロで結成されたピアノ・トリオ。メンバーはCesar Camargo Mariano(p)、Humberto Clayber(b)、Airto Moreira(ds)。何といってもその後人気パーカッション奏者となるAirto Moreiraの参加が目を引きますね。また、Cesar Camargo Marianoは故Elis Reginaの2番目の夫として有名ですね。
グループ名"Sambalanco"はサンバ(Samba)とバランソ(Balanco)を組み合わせたものだと思います。バランソについては先週エントリーしたClara Moreno『Miss Balanco』で取り上げたばかりですね。
さて、本作は、リオのナイトクラブZum Zumのショーをスタジオで再現したものです。
アルバム全体を1つのショーとして聴くと楽しいのでは?
Sambalanco Trioの変幻自在な演奏には相当グッときます。また、Lennie Daleのヴォーカルにも実に雰囲気があります。何よりショーマンシップに溢れたエンターテイナーぶりがいいですね。
聴き終った後にエキサイティングなショーを観終わったような満足感を得ることができます。
クラブ世代の若いリスナーの方もかなりグッとくるはずですよ!
全曲紹介しときやす。
「The Lady Is A Trump」
1937年のミュージカル『Babes In Arms』の挿入歌(Richard Rodgers/Lorenz Hart作)。ここではLennie Daleの♪ウー・アー・イ・ア・ア〜♪の掛け声と共に、スピード感のあるご機嫌なサンババランソを聴かせてくれます。この1曲だけで僕はKOされてしまいました。サイコー!
「Samba De Mudar/Consolacao」
プロテスト・ソングで知られるノルデスチのシンガーGeraldo Vandreの作品「Samba De Mudar」とBaden Powell作「Consolacao」のメドレー。「Consolacao」は以前にTamba 4のヴァージョンを紹介しました。ここでもLennie Daleのヴォーカル、Sambalanco Trioの演奏共にハイテンションで飛ばしてくれます。
「Reza」
Edu Loboの大ヒット曲をカヴァー。それまでのハイテンションな2曲から一転して、ノスタルジック・ムードが漂います。イントロのClayberのハーモニカがセンチメンタル気分にさせてくれます。
Edu Lobo「Reza」
http://www.youtube.com/watch?v=6c8WU9-PGV0
「Night And Day」
説明不要Cole Porter作のスタンダードをカヴァー。クラブ世代の若いリスナーの方もグッとくるであろう小粋なカヴァーになっています。Airtoのドラムがカッチョ良いです。
「O Morro Nao Tem Vez」
邦題「悲しみのモロ」。Antonio Carlos Jobim作品のカヴァー。前半は哀愁モードでスタートしますが、途中からどんどんテンション上がってくるのがグッド!
「Menino Das Laranjas/Opiniao」
Quarteto NovoのギタリストTheo De Barros作の「Menino Das Laranjas」とZe Ketti作「Opiniao」のメドレー。「Opiniao」はNara Leaoのヴァージョンが有名ですね。 ここではSambalanco Trioの三人がそれぞれらしい演奏を聴かせてくれます。
Nara Leao「Opiniao」
http://www.youtube.com/watch?v=sRpcc65lQZE
「Quem E Homem Nao Chora/Berimbau」
再びGeraldo Vandre作品とBaden Powell作品のメドレー。「Quem E Homem Nao Chora」はGeraldo VandreとVera Brasilの共作、「Berimbau」はBaden Powellを代表する名曲です。抑えた歌&演奏が途中から解き放たれていく感じがいいですね。
Baden Powell「Berimbau」
http://www.youtube.com/watch?v=N00YXpeRs94
「Na Baixa Do Sapateiro」
ディズニー映画『三人の騎士(The Three Caballeros )』でも使われたAry Barroso作品。ここではムーディーな歌&演奏を聴かせてくれます。
「O Pato」
邦題「あひる」。Joao Gilbertoのヴァージョンが有名な曲ですね(Jayme Silva/Neusa Teixeira作)。お茶目なアヒルのようにハジけた感じがグッときます。
Joao Gilberto「O Pato」
http://www.youtube.com/watch?v=JB28oT6KyIY
「That Old Black Magic」
1942年の映画『Star Spangled Rhythm』のために書かれたスタンダード(Johnny Mercer/Harold Arlen作)。ラストはエレガントな雰囲気でキメてくれます。
只今、昨日のサッカー「チェルシー対バルセロナ」の再放送を観戦中。
何度観てもイニエスタの同点弾には興奮しますね。
冷静に観れば、チェルシー・イレブンに同情してしまいます。
確かに審判に抗議したくなりますよね!
でも僕はバルサ!バルサ!バルサ!