発表年:1975年
ez的ジャンル:フリーソウル
気分は... :多美子さんとラブ・トリップ!
今日はTamiko Jones『Love Trip』(1975年)です。
昨日はちゃんこ鍋で一杯やっていたのですが、かなり酔っ払い状態で帰宅。
そんなフラフラ状態でCD棚をガサガサやっていたら、目に留まったのが多美子(?)さんでした(笑)
Tamiko Jones(本名:Barbara Tamiko Ferguson)は1945年ウエスト・ヴァージニア生まれ。父親はアメリカ人、母親は日本人。
19歳からデトロイトのクラブで歌い始め、その後N.Y.へ進出します。1966年、ジャズ・フルート奏者のHerbie Mannの目に留まり、彼との共演のかたちでレコーディングの機会に恵まれます。このコンビで翌年にはアルバム『A Mann & A Woman』をリリースし、ジャズ及びポピュラー分野で注目されるようになります。
その後『Tamiko』(1968年)、『I'll Be Anything For You』(1968年)、『In Muscle Shoals』(1969年)と一作ごとにレーベルを移りながらアルバムをリリースしています。同時にソウル色を強めていきました。
「Don't Go Breaking My Heart」(『Tamiko』収録)
http://www.youtube.com/watch?v=e_BW_CwUbSQ
そして、1975年に本作『Love Trip』をリリース。シングル「Touch Me Baby」が全米R&Bチャート第12位のヒットとなりました。1977年にはTommy Stewartがソングライティング/アレンジを手掛けた「Let It Flow」、Average White Bandのカヴァー「Cloudy」等を含むアルバム『Cloudy』をリリースしています。また、1979年にリリースしたシングル「Can't Live Without Your Love」もガラージ・クラシックとして人気ですね。1986年には Marvin Gayeの名曲「I Want You」をカヴァーしています。
「Can't Live Without Your Love」
http://www.youtube.com/watch?v=ZBV2jEK9_jU
やはり、日本人として気になるアーティストですよね。
ジャズ、ポップス、ソウル、ディスコと様々なフィールドで活動してきた幅広い間口を持つTamikoさんですが、フリーソウルのコンピで初めて彼女を知った方が多いのでは?僕もそうです。
そんなフリーソウル人気曲「Touch Me Baby」、「Creepin'」を含むアルバムが本作『Love Trip』(1975年)です。
Tamiko Jones自身がプロデュースし(1曲のみRoger Hawkinsがプロデュース)、The Muscle Shoals Rhythm Sectionがバックを務めています。元々がジャズ/ポピュラー系シンガーであるため、ディープでソウルフルな歌声という訳ではありませんが、キュート&ライトなヴォーカルは魅力的だと思います。
大きく括ればソウル系の作品になるのかもしれませんが、ソウルのみならず、ポップス、ロック、カントリー、ジャズの要素もあり、彼女の間口の広さを存分に楽しめる作品になっていると思います。
全曲紹介しときやす。
「Touch Me Baby」
前述のように全米R&Bチャート第12位となったシングル曲。Johnny Bristol「Reachin' Out For Your Love」のカヴァーです。カッコ良いイントロのブレイクとセクシーなTamikoのヴォーカルにグッときます。
http://www.youtube.com/watch?v=xJHisyw-wJ0
Johnny Bristol「Reachin' Out For Your Love」
http://www.youtube.com/watch?v=Uv9W7ARMXYg
「Everyone Belongs To Someone」
軽快なグルーヴとTamikoのキュートなヴォーカルのバランスがグッド!
「I'm The Woman Behind The Man (Playing The Guitar In The Band) 」
カントリー/ロック・テイストのアーシーな1曲。Muscle Shoalsらしい仕上がりなのでは?
「Just You And Me」
シングルにもなったバラード。この曲も土の匂いが漂ってきます。ディープではありませんが、じんわりと伝わってきます。
「Just Sitting Around」
完全にポップ・フィールドな仕上がり。こういったポップな楽曲に彼女のキュートなヴォーカルはマッチしますね。シンセの音色が何ともプリティ!
「Let Me In Your Life」
Bill Withersのカヴァー。ストリングスとフルートの音色が印象的なロマンティック・バラード。ジャズ・フィールドのTamikoに出会うことができます。
「Creepin'」
「Touch Me Baby」と並ぶフリーソウル人気曲。当ブログでも紹介したStevie Wonderの名曲カヴァー。数多くのカヴァーが存在する「Creepin'」ですが、その中でもこのTamikoヴァージョンが一番人気なのでは?オリジナルのミステリアスな雰囲気を残しつつ、キュート&ライトなTamikoのヴォーカルの魅力を存分に堪能できます。
「Oh How I Love You」
Phillip Mitchell作品。プリティなイントロのギターリフが印象的な爽快グルーヴ。ラブリーな感じがたまりません!
「Who Is She (And What Is She To You) 」
Bill Withers作品のカヴァー2曲目The Three Degrees、Soul Children、Madeleine Bell 、Valerie Carter等もカヴァーしていますね。明るく軽やかな楽曲が多いアルバムですが、この曲に限ってはへヴィですね。
「Read Me Right」
音的にはアルバムで一番カッチョ良い曲だと思います。うねるグルーヴがサイコー!
「Chili Dog」
Roger Hawkinsプロデュース曲。James Taylorのカヴァーです(オリジナルは『One Man Dog』収録)。バックの演奏も含めてセンスの良さが光るカヴァーに仕上がっています。
「A Long Way To Go」
Barry Mann/Cynthia Weil作品。Edwin Hawkins SingersやDionne Warwick、Emotions、David Fosterも在籍していたグループSkylarkも取り上げています。ブリル・ビルディング系の曲らしくポップなアレンジがいいですね。
入手しづらい状況ですが、Herbie Mann & Tamiko Jones『A Mann & A Woman』もゲットしたいですね。ボッサな楽曲もあり、今の僕の嗜好にフィットするのでは?と期待しています。
Herbie Mann & Tamiko Jones『A Mann & A Woman』