発表年:1967年
ez的ジャンル:オシャレ系ボッサ・ジャズ/ポップ
気分は... :センス抜群!
Sergio Mendesの4回目の登場です。
これまで紹介してきたMendes作品は以下の3枚。
『Herb Alpert Presents Sergio Mendes & Brasil'66』(1966年)
『Look Around』(1968年)
『Sergio Mendes & the New Brasil '77』(1977年)
4枚目に紹介する作品は、『Equinox』(1967年)です。
Brasil '66としては2枚目の作品となります。
全米アルバム・チャート第7位の大ヒット作『Herb Alpert Presents Sergio Mendes & Brasil'66』に続いてリリースされた作品ですが、全10曲中ブラジル人アーティストの作品が7曲、スタンダード・ナンバーが3曲という構成で、前作以上にブラジル/ボッサ色が強調された作品だと思います。
ポピュラー作品のカヴァーではなく、Antonio Carlos Jobim、Joao Gilberto、Jorge Ben、Edu Lobo、Marcos Valleといったブラジル人アーティスト作品で勝負!といったところが魅力ですね。クラブ世代の若いリスナーの嗜好にもマッチした選曲だと思います。
Brasil '66のメンバーは前作同様Bob Matthews(b)、Joao Palma(ds)、Jose Soares(per)、Lani Hall(vo)、Janis Hansen(vo)という布陣です。それ以外にJohn Pisano(g)が参加しています。
「Chove Chuva(Constant Rain)」、「For Me」、「Night And Day」の3曲がシングル・カットされています。個人的には「Triste」、「So Danco Samba (Jazz 'N' Samba)」が超お気に入りです!
『Herb Alpert Presents Sergio Mendes & Brasil'66』と『Look Around』の間に挟まれて注目されることが少ない作品かもしれませんが、"分岐点"という邦題が示すように、その後のBrasil '66の方向性を決定付けた重要作だと思います。
Mendesのセンス抜群のアレンジを堪能しましょう!
全曲紹介しときやす。
「Chove Chuva(Constant Rain)」
オープニングはJorge Ben作品。シングルにもなりました。前作『Herb Alpert Presents Sergio Mendes & Brasil'66』のオープニング「Mais Que Nada」もJorge Ben作品だったので、げん担ぎといったところでしょうか。当時流行のインド音楽風のテイストも取り入れたポップ・ボッサ。今聴いても実に小粋でスタイリッシュ!
「Cinnamon And Clove」
「Shadow of Your Smile」、「A Time For Love」等で知られる、お馴染みの映画音楽コンポーザーJohnny Mandel作品。彼の作品はボサノヴァ・アーティストに人気ですね。大人の哀愁漂う作風がボサノヴァにマッチしやすいのでしょうね。ここでも大人のボッサ・チューンといった雰囲気がたまりません!
「Watch What Happens」
Johnny Mandelに続き、映画音楽の大御所Michel LeGrandの作品です。以前にElis Reginaのヴァージョンを紹介したように、この曲もボッサ・カヴァーがハマりやすい曲ですね。ここでも洗練されたモダンなボッサ・ジャズに仕上がっています。
「For Me」
Mendesお気に入りアーティストの一人、Edu Lobo作品のカヴァー。シングルにもなりました。スリリングとロマンティックが同居する緩急の使い方が絶妙です。オルガンの音色も効果的だと思います。ソフト・ロック・ファンあたりがグッとくる仕上がりなのでは?
「Bim Bom」
Joao Gilberto作品。キュートな女声スキャットをはじめ、ラウンジ・ムードたっぷりなところが大好き!金欠の時に♪ビン・ボム、ビン・ビン・ボム♪の部分を聴きながら、♪ビンボー、ビン・ビンボー♪と自虐ネタ鼻歌にして歌うと楽しく貧乏生活を過ごせます(笑)
http://www.youtube.com/watch?v=9hKf0f-IrBA
「Night And Day」
ご存知Cole Porter作のスタンダードをカヴァー。この曲もシングルになりました。エレガントな仕上がりがグッド!ブラジルつながりで言えば、先日紹介したLennie Dale & Sambalanco Trioもカヴァーしてました。ボッサ・カヴァーという点ではTracey Thornによる新感覚のヒンヤリ・ボッサのインパクトもサイコーでしたね。
「Triste」
後半はAntonio Carlos Jobim作品が並びますが、本曲は僕の一番のお気に入りです。Brasil'66関連のベスト盤を編集するとすれば、絶対に外せませんね!とにかくアレンジのセンスが抜群!John Pisanoの爽快なギターもグッド!
「Gente」
Paulo Sergio Valle/Marcos Valle作品。Brasil'66らしい親しみやすい仕上がりです。
「Wave」
Antonio Carlos Jobim作品の2曲目。説明不要の名曲です。若い世代の方であれば、Jobim自身のアルバム『Wave』で本曲を聴くよりも、スタイリッシュなBrasil'66ヴァージョンを先に聴いた方が魅力が伝わるかもしれませんね。
http://www.youtube.com/watch?hl=ja&v=ZrLglzPWBoM&gl=JP
「So Danco Samba (Jazz 'N' Samba)」
ラストもAntonio Carlos Jobim作品。若い世代の方もお馴染みの鉄板ボッサ・チューンですね。当ブログでは先月にWanda Sa(Wanda De Sah)のカヴァーを紹介しました。この曲をBrasil'66が演奏するとハマりすぎですね。「Triste」同様、僕にとっては欠かせない1曲です。
最近、60年代カテゴリーはブラジル/ボッサものが多くなっています。
今の僕の嗜好からすると、しばらくこの傾向は続くかも...