発表年:1972年/1976年
ez的ジャンル:元祖アフロビート
気分は... :ビッグイヤー!よくやったペップ(グアルディオラ)!
今日はサッカーUEFAチャンピオンズ・リーグ決勝「バルセロナ対マンチェスターU」を観戦しながら、記事を書いています。2009年最大のスポーツ・イベントですかね。
勿論、僕はバルサの勝利を信じて観戦していましたが...
アンチ・マンUの僕ですが、朴智星だけは応援していました。
バルサ・ファンとしては序盤いきなり攻め込まれて冷や汗もんでした。
あそこで失点していたら、試合の流れは全然変わっていましたね。
そんなマンUペースの流れを一変させたのはイニエスタ!
賞賛すべきはエトーの個人技かもしれませんが、それを演出したイニエスタの働きを評価したいですね。
そして、メッシの追加点もシャビのパスが絶妙でしたね。
最終的にはエトー、メッシというスーパースターの得点で決着がつきましたが、それを支えたのはプジョル、シャビ、イニエスタというカンテラ育ちのメンバーたちでした。このあたりにバルサの強さ&魅力があるのだと思います。
今、試合終了!おめでとうバルサ!よくやったペップ(グアルディオラ)!バルサの魂ここにあり!三冠偉業達成!
バルサ!バルサ!バルサ!
決勝会場となったローマのオリンピコを久々に観ましたが、陸上トラックがありながら(まるでコロッセオのような)独特の臨場感があるスタジアムですね。会場も歴史を作る大きな要素ですね。
アフロビートの創始者Fela Kutiの2回目の登場です。
前回は『Ikoyi Blindness/No Buredi』の2in1を紹介しましたが、今回は『Na Poi/Zombie』の2in1です。ジャケ写真の左が『Na Poi』、右が『Zombie』です。
『Zombie』はFela Kutiの代表作と言える1枚ですよね。
最近発売された某MM誌の「アルバム・ランキング・ベスト100 1969〜1979年」でもThe Beatles『Abby Road』、Neil Young『After the Gold Rush』、The Band『The Band』、に続き、第4位で『Zombie』がランキングされていました。この流れでFela Kutiが第4位という結果に驚かれた方も多かったのでは?個人的にはこの手のランキングには興味がありませんが。
ナイジェリア政府・軍部や富裕層を痛烈に批判する政治的メッセージから"Black President(黒い大統領)"と呼ばれたFela Kutiですが、『Zombie』(1976年)はそんな闘うミュージシャンを象徴する作品です。
ナイジェリア軍部を直接的に批判した本作が引き金となり、1977年に軍部が約1,000名の兵士の送り込んでカラクタ共和国(Fela Kutiのコミュニティ)を襲撃し、多数の怪我人・逮捕者が発生する事態となりました。Fela自身も傷を負い、拘留されて裁判にかけられました。また、この襲撃時のケガの影響でFelaの母Funmilayoは翌年死去しています。
そういった政治的な背景を置いておき、純粋に音楽のみに注目しても、アフロビートのグルーヴ感を堪能できる充実作に仕上がっています。Fela Kutiの場合、1曲10分超は当たり前ですが、本作でも12分台の2曲で躍動的・煽動的・覚醒的なFela Kutiワールドを展開しています。
もう1枚の『Na Poi』(1972年)は、本CD化(1998年)までは入手困難な音源だったようです。制作年はWikiに1972年となっていたのでそのように表記していますが、ライナー等には1970〜71年の録音との記載もあります。ですので、情報に誤りがあるかもしれませんのでご留意願います。
モノラル録音ということもあり、『Zombie』と比較して、荒削りな印象を受けますが、逆にそれが魅力かもしれません。
先月のKing Sunny Adeの記事でも書きましたが、同じナイジェリア人ミュージシャンでも、Adeが"ジュジュ・ミュージックのエンターテイナー"というイメージであるのに対して、Fela Kutiは反逆のアフロ・ビートという感じですね。
そんな濃厚なブラック・ミュージックを堪能しましょう。
全曲紹介しときやす。
「Na Poi」
約25分の長尺。オリジナルLPではA面及びB面半分を使っていました。Fela初心者向けの演奏ではないかもしれませんが、得たいの知れないパワーを秘めた感じがサイコーっす。この頃から、お得意の不気味かつ覚醒的なエレピ・サウンドを聴くことができます。曲名はズバリ"セックス"を意味するらしいです。
「You No Go Die Unless You Want Die」
わかりやすくFela Kutiのカッコ良さを実感できます。煽動的なリズムとホーン隊の絡みがサイコーです。ジャズやソウルをも飲み込んだ独自のブラック・ミュージックを堪能しましょう。
ここまでの2曲が『Na Poi』です。
「Zombie」
ここからは『Zombie』の2曲です。タイトル曲はFelaの最も有名な曲の1つ。ここで言うゾンビとはナイジェリア軍のことです。軍部を直接批判したこの曲が、前述のような軍によるカラクタ共和国襲撃の引き金となったと言われています。Black Presidentの面目躍如といった曲かもしれませんね。サウンド面でも煽動的・攻撃的なアフロ・ビート全開であり、いやがうえにもハイ・テンションになります。
http://www.youtube.com/watch?v=iBgewcFh-cg
「Mr. Follow Follow」
曲タイトルは、欧米文化に洗脳され、後追い(フォロー)するナイジェリア人を皮肉ったものです。LPの裏ジャケ(CDのインナー)に本曲を説明した漫画が描かれています。「Zombie」のような攻撃性はありませんが、皮肉たっぷりのアフロ・ジャズ・グルーヴに仕上がっています。アフロ・ビートに絡みつくFelaの粘っこいサックスが印象的です。
http://www.youtube.com/watch?v=vnCgCXbOzgk
次は『Excuse-O』(1976年)か『Opposite People』(1977年)あたりを紹介したいと思います。