2009年06月01日

Suely Mesquita『Microswing』

ブルージー感覚が魅力のブラジル人女性SSW☆Suely Mesquita『Microswing』
Suely Mesquita.jpg
発表年:2008年
ez的ジャンル:ブルージー・ブラジリアンSSW
気分は... :この雰囲気は実に新鮮...

個人的に今年は北欧、ブラジル等の非英語圏の女性シンガー・ソングライターの新作にグッとくるものが多いですね。

最近で言えば、"スウェーデンのNorah Jones"ことMarina Martenssonのデビュー作『Fences』がサイコーです。

今日紹介するブラジル人女性シンガー・ソングライターSuely Mesquitaの2ndアルバム『Microswing』(2008年)も今年のお気に入り女性SSWアルバムの1枚です。作品自体は昨年リリースされたものですが、購入したのが今年に入ってからなので、僕の中では今年の作品という扱いになっています。

Suely Mesquitaについて知っているのは、リオデジャネイロ出身のカリオカであり、2002年に1stアルバム『Sexo Puro』をリリースしているということくらいです。ちなみに『Sexo Puro』は先日紹介したばかりのCelso Fonsecaがプロデュースを手掛けたようです。

何の予備知識もなく、CDショップのブラジル音楽コーナーで魅惑のジャケに興味を持ち試聴したのが本作でした。そして、1曲目の「Zona E Progresso」を聴き終えた頃には、購入を決めていました。

「USルーツ・ミュージックとブラジル音楽が素敵な出会いをしたアルバム!」というのが僕の本作に対する印象です。「Zona E Progresso」に代表されるブルージーな感覚のブラジル音楽はかなり新鮮でした。新感覚のブラジル音楽として聴いても、英米にはないSSW作品として聴いてもフレッシュな印象を受けると思います。その意味では、ブラジル音楽ファンに止まらない広い間口を持ったアルバムだと思います。

プロデュースはリオ出身のギタリストJoao Gaspar。昨年ソロ・アルバムもリリースしており、日本のCDショップでも輸入盤をゲットできるはずだと思います。Joaoのギターも本作を魅力的な作品に押し上げている重要な要素だと思います。

国内盤が発売されることはないでしょうし、輸入盤もいつ入手困難になってもおかしくない作品だと思うので、気になる方は早めにゲットした方が良いと思います。

色気はあるけど甘くなりすぎない、キレとコクのある辛口のブラジル音楽を堪能あれ!

全曲紹介しときやす。

「Zona E Progresso」
このオープニング曲を試聴して本作の購入を即決しました。こんなにもブルージーに洗練されたブラジル音楽に出会ったのは初めてであり、かなりグッときましたね!ボサノヴァの気だるさとは異なる、USルーツ・ミュージック的なユルさがたまりません。
http://www.youtube.com/watch?v=6MY2NqSKX7Y

「Imenso」
個性豊かな女性MPBシンガーZelia Duncanがソングライティング&ヴォーカルで参加しています。シンプルながらも推進力のあるヴォーカル&バックがいいですね!Zelia Duncanのヴォーカルも迫力満点!
http://www.youtube.com/watch?v=X5mE6gqgwpA

「Realejo」
この曲はMPBらしい仕上がりです。ミステリアスな雰囲気がたまりません。

「John Wayne」
ハリウッドを代表する西部劇の大スターをタイトルに冠しています。サウンドもブルージー&レイジーにまとめられています。しかしながら、こうした雰囲気の曲でも決して土臭くなりすぎないのが本作の特徴かもしれません。

「Longe」
ブラジル音楽ファンにはお馴染みの男性アーティストZeca Baleiroとのデュエット(作詞もZeca Baleiro)。サウダージ気分を満喫できる素敵なデュエットです。

「On The Rocks」
哀愁のジャズ・サンバ。キレのある辛口な仕上がりがグッド!

「Catastrofe」
大人の子守唄といった趣の1曲。このゆったり感に癒されます!

「Quelquer Lugar」
Trash Pour 4のメンバーNatalia Malloがソロ・アルバムのタイトル曲にした楽曲をSuely自身がセルフカヴァーしています。Suelyのソングライティング能力の高さを証明する1曲なのでは?大人のウエット感がたまりません。
http://www.youtube.com/watch?v=z5urP3C5ZMM

Natalia Mallo「Qualquer Lugar」
 http://www.youtube.com/watch?v=9v0eYlRbAA0

「Vira Lixo」
「Zona E Progresso」と並ぶ僕のお気に入り。メランコリック・モードで一人感傷的になりたい気分の1曲。Joao Gasparのギターが素晴らしいの一言です。
http://www.youtube.com/watch?v=X0FfAO7dsgQ

「Mertiolate」
しみじみと胸に沁みてくるボッサ・チューン。こういった曲でも決して甘くなりすぎないのがグッド!
http://www.youtube.com/watch?v=K5Unn8wxufg

「Cancao Brega」
子供の声入りのラブリーな1曲。本曲に限らず何でブラジル音楽やボッサ・チューンって、こんなに子供の声とマッチするんですかね。

「Blues Pra Ryta」
最後はブルージーに決めてくれます。ブラジル音楽よりも、USルーツ音楽好きがグッとくる演奏なのでは?終盤でみんなで動物の雄叫びをしているのも楽しめます。

興味のある方は1st『Sexo Puro』もどうぞ!
Sexo Puro
Sexo Puro
posted by ez at 04:24| Comment(0) | TrackBack(0) | 2000年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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