2009年06月08日

Tom Petty & The Heartbreakers『You're Gonna Get It!』

ブレイク前夜!彼らの個性を確立した2nd☆Tom Petty & The Heartbreakers『You're Gonna Get It!』
You're Gonna Get It!
発表年:1978年
ez的ジャンル:哀愁リリシズム系ロックンロール
気分は... :翳りが魅力!

Tom Petty & The Heartbreakersの4回目の登場です。

これまで当ブログで紹介してきたTom Petty作品は以下の3枚。

 『Damn The Torpedoes』(1979年)
 『Hard Promises』(1981年)
 『Long After Dark』(1982年)

4枚目に紹介するのは2ndアルバム『You're Gonna Get It!』(1978年)です。

僕がリアルタイムでTom Pettyを聴いたのは、ブレイクした次作『Damn The Torpedoes』(1979年)からでした。そして熱狂的に上記3枚のアルバムを聴き、『Southern Accents』(1985年)からはその熱狂も収まり、客観的に聴くようになりました。その後CD時代になり、デビュー作『Tom Petty & The Heartbreakers』(1976年)、2nd『You're Gonna Get It!』もコレクションに加えたという流れですね。

彼らの作品の中でも圧倒的に地味な扱いの本作『You're Gonna Get It!』ですが、『Damn The Torpedoes』以降にブレイクする彼らの土台が築かれたアルバムとして聴き逃せない作品だと思います。

正直、デビュー作『Tom Petty & The Heartbreakers』(1976年)はイモ臭い田舎のロックンロールの一歩手前といった印象が強く、彼ら本来の魅力がレコードに反映されていなかった印象を受けます。まだまだレコーディングに慣れていなかったせいかもしれませんが。

それと比較すると、『You're Gonna Get It!』では彼ら独特の哀愁感漂うリリシズムやドライブ感を感じ取ることができます。その意味で彼らの個性を確立した重要作という気がしますが...

Tom Petty(vo、g)、Mike Campbell(g)、Ron Blair(b)、Benmont Tench(key)、Stan Lynch(ds)というメンバーの一体感もグッと増しています。

本作のジャケに象徴されるように、彼らには翳りのあるロックンロールがよく似合うと思います。僕が『Southern Accents』以降Tom Pettyから離れていったのも、その翳りがどんどん薄れていったためかもしれません。僕の中では「Tom Petty=不健康そうなロックンローラー」なので(笑)。

過小評価されている作品ですが、『Damn The Torpedoes』『Hard Promises』『Long After Dark』の彼らがお好きな方ならば、本作も気に入るはずだと思います。

この翳りのあるロックンロールを堪能しましょう!

全曲紹介しときやす。

「When the Time Comes」
翳りのある疾走感溢れるカッコ良いオープニング。Tom Pettyお得意の展開パターンですね。大好き!

「You're Gonna Get It」
タイトル曲もTom Petty節炸裂のロック・チューン。独特の哀愁感とほんのりニューウェイヴの香りも漂うのがいいですね。
http://www.youtube.com/watch?v=f6d9YtGjxCw

「Hurt」
前作からの進歩を感じる1曲。前作だとイモ臭い田舎のロックンロールの一歩手前になりなそうな曲を、上手くスリリングなロック・チューンに仕上げています。

「Magnolia」
個人的にはアルバムで一番好き!この哀愁漂うリリシズムはTom Petty & The Heartbreakersにしか表現できないのでは?この曲名だとTom PettyというよりもTom Cruiseを思い浮かべてしまいますが...話が逸れますが映画『Magnolia』は傑作なのか退屈な作品なのか、何度観てもよくわかりません(笑)

「Too Much Ain't Enough」
ブルージーなロック・チューン。このあたりのドライブ感が前作から格段に良くなりましたね。
http://www.youtube.com/watch?v=rg5mmTp1pI4

「I Need to Know」
アルバムからの1stシングル。Bob Dylan調のTomのヴォーカルが冴え渡るシンプルなロックンロール。
http://www.youtube.com/watch?v=Yys9Z0CCfC0

Stevie Nicksのライブ・レパートリーとしてもお馴染みの曲ですね。YouTubeに2006年のライブで共演している映像がありました。すっかりオバちゃんになってしまったStevie Nicksにショック!...仕方ないですよね。
http://www.youtube.com/watch?v=_mEWuf056dM

「Listen to Her Heart」
アルバムからの2ndシングルであり、長年ライブ・レパートリーとして演奏されている曲ですね。Tomらしいメロディにグッときます。
http://www.youtube.com/watch?v=Qp_YM6mzefM

「No Second Thoughts」
アルバムの中でも異色の1曲。小粋な感じがたまりません。YouTubeにこの曲をラテン風にカヴァーしている映像がありましたが、そうしたくなるのがわかりますね。

「Restless」
切れ味鋭いロック・チューン。

「Baby's a Rock 'N' Roller」
ラストはライブ風の仕上がりのロック・チューン。

いよいよNBAファイナルが始まりましたね。
只今、第2戦をTV観戦中!第1戦を落としたマジックの巻き返しなるかが見物です。
posted by ez at 10:00| Comment(2) | TrackBack(0) | 1970年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
はじめまして

彼らの初期の作品が垢抜けないのは、レコーディング技術というか、(文中で書かれているように)慣れによるところが大きい気がします

それくらいに、最近の作品を聴いても特別違ったことをしているわけではない(大好きですが)んですね

またお邪魔します
Posted by col at 2009年07月08日 23:16
☆colさん

ありがとうございます。

僕は、やはり『You're Gonna Get It!』、『Damn The Torpedoes』、『Hard Promises』、『Long After Dark』の4枚が好きですね。少し翳りのある不健康そうなロックンローラーTom Pettyって感じがグッときます。

これからもお気軽にお立ち寄り下さい。
Posted by ez at 2009年07月09日 01:42
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