2009年06月16日

Thelonious Monk『Monk's Music』

Monk作品の中でも異色の人気作☆Thelonious Monk『Monk's Music』
モンクス・ミュージック
録音年:1957年
ez的ジャンル:ハプニング系ハードバップ・ジャズ
気分は... :完璧ではない楽しさ!

個性派ジャズ・ピアニストThelonious Monkの4回目の登場です。

当ブログでこれまで紹介したMonk作品は以下の3枚。

 『Brilliant Corners』(1956年)
 『Thelonious Himself』(1957年)
 『Mulligan Meets Monk』(1957年) ※Gerry Mulliganの共演

4枚目に紹介するのはThelonious Monk『Monk's Music』(1957年)です。

Monk作品の中でも異色の傑作(?)ですね。
演奏中にハプニングが生じた迷演をそのままリリースした作品であり、"最高の失敗作"なんて形容もされる作品ですね。

"永遠のジャズ初心者"である僕は、演奏の細かなことは正直よくわかりません。そんな僕でも十分に楽しめる作品であり、演奏の内容云々に関わらす愛着が湧く作品です。そういったハプニングをそのままリリースしてしまうというセンスがさすがMonk!と拍手を送りたくなりますね。

レコーディング・メンバーは、Thelonious Monk(p)以下、Ray Copeland(tp)、Coleman Hawkins(ts)、John Coltrane(ts)、Gigi Gryce(as)、Wilbur Ware(b)、Art Blakey(ds)という顔ぶれです。大先輩Coleman HawkinsやJohn ColtraneArt Blakeyあたりに目がいきますね。特にHawkinsとBlakeyはいろんな意味で大活躍しています(笑)

クラブ・ジャズ世代の若いリスナーの方が聴いても、サウンド自体にはあまりグッとくる作品ではないかもしれません。でも、完璧ではない楽しさも含めてジャズやMonkの魅力が詰まっている作品という気がします。

いろんな意味でMonkの個性が堪能できる作品なのでは?
この独特の変テコ感がクセになります!

ジャケを観て、グッときた人は聴くべし(笑)

全曲紹介しときやす。

「Abide with Me」
Ray Copeland、Coleman Hawkins、John Coltrane、Gigi Gryceというホーン隊4人による賛美歌の演奏でアルバムは幕を開けます。偶然かもしれませんが、この曲の作者もMonk(W. H. Monk)です。

「Well, You Needn't」
本作のハイライトと言えば、この演奏ですね。曲自体はMonkが1942年に作曲したスタンダードですが、演奏開始から2分21秒前後にMonkがColtraneに対して「Coltrane! Coltrane!」と叫ぶ...という名曲の迷演ですね。 "Monkが自分のソロの小節数を間違えて2小節短く終えてしまった"という説明が長らくなされてきましたが、どうやら睡魔に襲われたColtraneを起こすためにMonkが叫んだというのが真実のようですね。

結果として、Coltrane自体は正しいタイミングでソロを開始しますが、驚いたArt Blakeyのドラムが遅れてしまい、そのBlakeyのドラムにさらに驚いたWilbur Wareが戸惑ってしまい...と歴史的な迷演が生まれたようです。

ハプニングも含めて、興味の尽きないモンクならではの演奏になっているのでは?特に序盤のミスをリカバリーしようとするBlakeyのドラム・ソロが好きですね(笑)

「Ruby, My Dear」
ここではMonk、Coleman Hawkins、Wilbur Ware、Art Blakeyというワン・ホーンで演奏されています。Hawkinsのテナーを中心にしたバラードは、あまりMonk作品らしくありません(笑)。異端児Monkも大先輩Hawkinsに大きな敬意を払っているようです。

関連して1969年の演奏の映像を紹介しておきます。
Thelonious Monk「Ruby, My Dear」(Paris, 1969)
http://www.youtube.com/watch?v=aFNGppc9pJ8

「Off Minor(Take 5)」
Monk独特の変テコ感を堪能できる1曲。この何処か収まりが悪い感じこそがMonkですよね!さまにMonk's Musicって感じが好きです。

「Epistrophy」
このMonk1942年作のスタンダードも「Well, You Needn't」に続く迷演です。ここでの迷演の主役はHawkins。二箇所で演奏のタイミングを間違えてしまいます。聴いている方がハプニングの前後は緊張してしまいますね(笑)

曲自体もMonkらしくて好きです。YouTubeに1966年の演奏の映像があったので紹介しておきます。
Thelonious Monk「Epistrophy」(Paris, 1966)
http://www.youtube.com/watch?v=F2s6LZUdYaU

「Crepuscule with Nellie(Take 6)」
ラストはMonkの愛妻Nellieの名が入ったタイトル。アドリブが許されず、ソロパートが全くない珍しい演奏になっています。Take6となっているように、演奏になかなか満足できなかったMonkの様子が窺えます。

僕の保有するCDには「Off Minor(Take 4)」「Crepuscule with Nellie(Takes 4 & 5)」の2曲がボーナス・トラックとして追加されています。

NBAファイナルは、やはりレイカーズが一気に行きましたね。
第5戦の一方的な展開はマジックにとっては残酷でしたね。
やはり、第4戦終了間際のフィッシャーの3点シュートが全てだったと思います。

NBAが終了すると、僕の興味はNFLへ...
我がマイアミ・ドルフィンズの新シーズンに向けたトレーニングが気になります。新シーズンではワイルド・キャットの進化形を観たいですね!
posted by ez at 03:57| Comment(2) | TrackBack(0) | 1950年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
フィッシャー決めましたねー
僕はラマー・オドムが好きなので、彼の活躍が
見られたという点では楽しめたファイナルでした。
ドルフィンズの戦力は充実してきましたね。
昨季は接戦ばかりでハラハラし通しでしたが
来季も厳しい戦いが続くんだろうなあ。。
Posted by けん at 2009年06月20日 13:20
☆けんさん

ありがとうございます。

オドムのオールラウンダーぶりも目立ちましたね。
コービー頼みのチームから脱却できたのがチャンピオン返り咲き最大の要因かもしれませんね。

ドルフィンズは進化形ワイルドキャットが楽しみです。
来期はブレイディ復活のペイトリオッツが手強そうですが、頑張って欲しいですね。
Posted by ez at 2009年06月21日 01:19
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