発表年:1981年
ez的ジャンル:非プログレKing Crimson
気分は... :♪パォ〜(エレファント・トーク)♪
今日は久々にKing Crimsonです。
『In The Court Of The Crimson King』(1969年)に続いて紹介するのは、僕が一番好きなKing Crimson作品『Discipline』(1981年)です。
『Discipline』は、『Red』(1974年)を最後に解散していたKing Crimsonが7年ぶりに再結成されたアルバムです。
Robert Frippが新生King Crimsonのメンバーとして選んだのは、Robert Fripp(g)、Adrian Belew(g、vo)、Tony Levin(b)、Bill Bruford(ds)の3名。当初グループはは本作のタイトルにもなっているDisciplineを名乗っていましたが、最終的にはKing Crimsonとして作品をリリースしました。
後日Robert Fripp自身が『In The Court Of The Crimson King』、『Red』と並ぶ傑作と評したのが本作『Discipline』です。
リアルタイムで聴いた最初のKing Crimson作品が本作『Discipline』でした。その前に『In The Court Of The Crimson King』等は聴いていたので、殆ど"プログレ"していない本作サウンドとの間に大きなギャップを感じたものです。
今でこそ一定の評価がなされていますが、当時はファン、評論家ともにアフリカン&ニューウェイヴな本作をボロクソにけなしていた記憶があります。確かに、昔からのプログレ・ファンからは受け入れがたいアルバムかもしれませんね。もし、Disciplineのグループ名でリリースしていれば、あれほどの低評価ではなかったのでは?
僕の場合、King Crimson自体に思い入れがあったわけではないので、当時は本作にさほど興味がありませんでした。それがリリースから数年が経ち、自分の音楽嗜好がダンス・ミュージックに向かうようになってから、本作のアフロなダンサブル・サウンドが意外とカッチョ良いなぁ!と思うようになりました。King Sunny Ade『Synchro System』でアフリカン・リズムの虜になったのが大きかったかもしれません。
本作『Discipline』とTalking Heads『Remain in Light』(1980年)をセットで楽しんでいましたね。Robert FrippはTalking Heads初のアフロ・ファンク・チューン「I Zimbra」(アルバム『Fear Of Music』収録)に参加していますし、『Remain in Light』ではAdrian Belewが大活躍していました。その意味で、本作と『Remain in Light』の共通点は多いと思います。
King Crimsonの作品って、理屈っぽい聴き方をしないといけないようなところがありますよね。本作『Discipline』にも"訓練・規律"という小難しいお題が設定されていますが、直感的に格好良いリズムに体が高揚する作品に仕上がっています。
やはり音楽は理論・知識ではなく感性で楽しみたいですよね!
全曲紹介しときやす。
「Elephant Talk」
新生King Crimsonを象徴する1曲。特に新メンバーの二人、Adrian Belewによる象の鳴き声を♪パォ〜♪を模したエレファント・ギター、見た目もサウンドもインパクト大!スキンヘッドTony Levinのスティックが印象に残ります。全体的にはアフリカンなニューウェイヴ・サウンドに仕上がっています。従来のKing Crimsonでは"あり得ない"1曲。
http://www.youtube.com/watch?v=76eoyyem2K8
「Frame by Frame」
本作をアルバムのハイライトに推す人は多いのでは?本作の持つアフリカンな雰囲気とメンバーのDiscipline(訓練・規律)が生み出すスリリングなカッチョ良さを存分に堪能できる1曲。特にRobert FrippとAdrian Belewのギターの絡み合いがたまりません。
http://www.youtube.com/watch?v=fjTxM1FiTzU
「Matte Kudasai」
日本人にとっては気になる1曲ですね。浮遊感漂うバラードに仕上がっているサウンド自体はさほどインパクトはありませんが、Adrian Belewの♪マッテ、クダサ〜イ♪と歌う箇所はついついしっかり聴いてしまいます(笑)
http://www.youtube.com/watch?v=7ZyysKcJLmM
「Indiscipline」
この曲が唯一"プログレ"しているKing Crimsonを聴くことができる曲なのでは?僕自身は本作にこういう演奏を期待しているわけではないので...
http://www.youtube.com/watch?v=DoVOY9XGDBI
「The Hun Ginjeet」
僕の一番のお気に入り曲。「Heat In The Jungle」の綴りを入れ替えたタイトル通り、ヒートアップしたジャングル・ビートが炸裂するダンサブルな1曲。小難しいことは考えずに踊る狂うことができるような高揚感がたまりません!
http://www.youtube.com/watch?v=gQOGPCK1WaA
「The Sheltering Sky」
アフリカン・リズムにギター・シンセが絡む、ジャズ/フュージョン的な雰囲気の仕上がり。スピリチュアル・ジャズなんかが好きな人はグッとくる1曲なのでは?
http://www.youtube.com/watch?v=yzWmavPd0a0
「Discipline」
タイトル曲は中毒性を持った仕上がり。反復するリフを何度も聴いているうちに、脳内が覚醒してきます。King Crimson流ミニマル・ミュージックといったところでしょうか。
http://www.youtube.com/watch?v=1WSNraCN5Zg
この後、新生King Crimsonは『Beat』(1982年)、『Three of a Perfect Pair』(1984年)というアルバムを残し、解散します。さらに1994年には"ダブルトリオ"による再々結成がなされました。
個人的には本作でも大活躍のAdrian Belewのソロも愛聴していました。機会があれば、そちらも紹介しますね。
プログレファンに強く薦められて21世紀の。。。とかレッドとか聞いたなあ・・
彼らがちょっと戸惑っていたディシプリン、
僕もこっちの方が断然好みでした。
まあ「彼ら」の前では黙っていましたけれど笑
ありがとうございます。
> まあ「彼ら」の前では黙っていましたけれど
確かに!プログレ・ファンの前で"コレいいよね"とは言いづらい面がありました。
でもニューウェイヴ好きにはピンとくる音でしたよね!