2009年07月02日

Dexter Gordon『One Flight Up』

パリ録音第2弾!Dexの隠れ名盤☆Dexter Gordon『One Flight Up』
One Flight Up
録音年:1964年
ez的ジャンル:ハードボイルド系男気ジャズ
気分は... :存在感ありますな!

久々に男気溢れるテナー・サックス奏者Dexter Gordonです。

これまで当ブログで紹介したDexter Gordon(Dex)作品は以下の4枚。

 『Dexter Calling...』(1961年)
 『Go』(1962年)
 『Our Man In Paris』(1963年)
 『Gettin' Around』(1965年)

5枚目に紹介するのは『One Flight Up』(1964年)です。
『Our Man In Paris』(1963年)に続く、パリ録音第2弾アルバムです。

メンバーは、Dexter Gordon(ts)、Donald Byrd(tp)、Kenny Drew(p)、Niels-Henning Orsted Pedersen(b)、Art Taylor(ds)というクインテット編成です。名立たるメンバーに混じって、当時18歳だったデンマークの神童Pedersenの参加が目立ちますね。

前作『Our Man In Paris』が人気作であることと比較すると、本作『One Flight Up』は地味なアルバムかもしれません。でも、好きな人は"かなり好き!"という作品かもしれませんね。

豪快なワンホーンというイメージが強いDexter Gordonですが、本作ではDonald Byrdを従えて、モーダル&スマートな演奏を聴かせてくれます。特に「Tanya」「Coppin' the Haven」のハードボイルドな仕上がりには相当グッときます。

ジャケは古めかしく野暮ったい感じですが、中身はかなり粋ですよ!

全曲紹介しときやす。

「Tanya」
本作のハイライトとなるモーダル&ブルージーな18分超の大作(Donald Byrd作)。男臭いハードボイルド的な格好良さに相当グッときます。Dexのモーダルな演奏が印象的ですし、作者であるByrdのプレイもDex同様にキマっています。この二人のカッチョ良さを引き出しているのが、Drew、Pedersen、Taylorのバッキング!ブルージーな雰囲気を醸し出すDrewのピアノ、一音一音がビンビン伝わってくるPedersenのベース、メリハリの利いたTaylorのドラム、全てが噛み合っている気がします。

「Coppin' the Haven」
Kenny Drew作のブルース。「Tanya」同様、ハードボイルド的な格好良さを堪能できます。ここでもDexらしからぬ(?)スマートな演奏かもしれませんが、これだけキマってくれれば大満足です。続くByrdのクールな演奏にもグッときます。Drewの小粋なピアノ・ソロもいいですね!

「Darn That Dream」
ミュージカル『Swing That Music』の挿入歌だったスタンダード(Eddie DeLange作詞、Jimmy Van Heusen作曲)。当ブログでは以前にBill Evans & Jim Hallの演奏を紹介しています。ここではByrd抜きのワンホーン編成で演奏されています。ムーディーなDexのプレイにただただウットリするバラードに仕上がっています。

「Kong Neptune」
CDに収録されているボーナス・トラック(Dexter Gordon作)。アップテンポの小気味良い演奏が印象的です。演奏そのものは悪くはないと思いますが、他の3曲とのバランスを考えるとビミョーですね(笑)

ジャケのDexはなぜこんなに大股開きなんでしょ!
よく見ると不自然ですよね(笑)
それにしても195cmの巨漢は小さく写っていてもデカさを感じます。
posted by ez at 00:05| Comment(4) | TrackBack(0) | 1960年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
Dexに限らずジャズの人ってやたらと作品数多くてとてもすべてを聴けるものじゃないけど、私が聴いたDexのアルバムの中でこれほどCoolなのって他にはなかったと思う。
ホント、カッコ良くって大好きなアルバムです。特に「Tanya」ね。まさにハードボイルド!
音も他のブルーノート作品とは全然違いますものね。RVGじゃないからかな?
でも4曲目はこのアルバムには不要ですね。色が違うから。

あと、ジャケ自体はモノクロでシブくて大好きなんですけど、これも何か音に合っていないような..。
Posted by Kaz at 2009年07月02日 22:58
☆Kazさん

ありがとうございます。

> これほどCoolなのって他にはなかったと思う。

そうですね。
記事中でズバリ書くのを少し躊躇ったのですが、
本作の仕上がりはDex作品の中でも異色作と言えるかもしれませんね。
やはり、ボーナス・トラックは違和感がありますよね。

ジャケと音のギャップありますね。
でも『Gettin' Around』と並んで好きなジャケです。
Posted by ez at 2009年07月03日 05:10
ezさん、おはようございます。

ezさん、相当デックスがお好きなようですね。
自分も「Our Man In Paris」はよく聴きましたが、このアルバムは知りませんでした。
バド・パウエルの「Like Someone In Love」にはため息が出たもんです。
試聴してみると、なんか良さそうですね。
有意義な情報、ありがとうございます。

ではでは。
Posted by nanmo2 at 2009年10月01日 07:03
☆nanmo2さん

ありがとうございます。

僕の場合、永遠のジャズ初心者なのですが(笑)

Dexと言えば、数日前にNHK-BSで
映画「ラウンド・ミッドナイト」を放映していましたね。
僕がDexを知るきっかけとなったのがこの映画でした。
サントラのLPもよく聴きました。
俳優としてのDexもシブ〜い演技で存在感がありますね。
Posted by ez at 2009年10月02日 09:05
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