2009年08月02日

Eric Burdon & The Animals『The Twain Shall Meet』

サイケ&反戦のEric Burdon!☆Eric Burdon & The Animals『The Twain Shall Meet』
Twain Shall Meet
発表年:1968年
ez的ジャンル:サイケ&反戦系ロック
気分は... :モンタレー・ポップ・フェスティバル!

今日はサマー・オブ・ラヴ気分の作品が聴きたいです。
そこでセレクトしたのがEric Burdon & The Animals『The Twain Shall Meet』(1968年)♪

Eric Burdon & The Animalsは、1966年のThe Animals解散後にリード・ヴォーカルEric Burdonが再始動させたグループです。

The Animalsは60年代ブリティッシュ・ロックを代表するグループの1つ。1963年にニューキャッスルで結成。デビュー時のメンバーは、Eric Burdon(vo)、Hilton Valentine(g)、Alan Price(key)、Chas Chandler(b)、 John Steel(ds)の5人。Chas Chandlerは後にJimi Hendrixを見出した人物としても知られていますね。

当時のUKグループの中でもR&B/ブルース色の強いグループとして人気を博し、「House of The Rising Sun(邦題:朝日のあたる家)」(1964年)(UKチャート第1位)、「Don't Let Me Be Misunderstood(邦題:悲しき願い)」(1965年)(UKチャート第3位)、「We Gotta Get Out Of This Place(邦題:朝日のない街)」(1965年)(UKチャート第2位)等のシングル・ヒットを放ちました。

The Animals「House of The Rising Sun」
 http://www.youtube.com/watch?v=AgANuwSNsok
The Animals「We Gotta Get Out Of This Place」
 http://www.youtube.com/watch?v=dxvlI4N9h6o
The Animals「Don't Let Me Be Misunderstood」
 http://www.youtube.com/watch?v=NgVx8kAZ0a4

そんなThe Animalsの人気を支えたのがEric Burdonの激しく、ソウルフルなヴォーカルでした。そのEric Burdonがアメリカに渡り結成したグループがEric Burdon & The Animalsです。"The Animals"を名乗っていますが、かつてのThe Animalsとは全く別のグループと位置づけた方がいいと思います。

Eric Burdon & The Animalsとしては、『Winds of Change』(1967年)、『The Twain Shall Meet』(1968年)、『Every One Of Us』(1968年)、『Love Is 』(1968年)といったアルバムをリリースしています。

今日紹介する『The Twain Shall Meet』は、Eric Burdon & The Animalsとしての2ndアルバム。本作のメンバーは、Eric Burdon(vo)、Vic Briggs (g)、Danny McCulloch(b、vo)、John Weider(g、vl)、 John Steel(ds)の5人。

僕自身、The Animalsのアルバムは1枚も所有しておらず、Eric Burdonに特別な思い入れがあるわけでもありません。それでも今日紹介する『The Twain Shall Meet』は、サイケデリック・サウンド&反戦メッセージといった1968年らしい内容で気に入っています。

特に、オープニングの「Monterey」が僕のお気に入りですね。タイトルの通り、1967年6月に行われた『モンタレー・ポップ・フェスティバル』のことを歌った曲であり、夏になるとサマー・オブ・ラヴ気分を味わえるこの曲を聴きたくなります。

1967、1968年あたりのサイケデリック&フラワー・ムーヴメントな作品がお好きな方は楽しめる作品だと思います。特にUKとUSのサイケ・サウンドがブレンドしている感じが興味深いですね。

全曲紹介しときやす。

「Monterey」
前述のようにモンタレー・ポップ・フェスティバルをテーマにした曲。シングルにもなりました。曲中には同フェスティバルに出演していたThe ByrdsJefferson AirplaneThe Who、Ravi Shankar、Grateful Dead、Hugh Masakela、Jimi Hendrixといったアーティスト名が続々と登場するのが楽しいですね。サウンド的にも僕好みのラーガ・ロックに仕上がっています。
http://www.youtube.com/watch?v=iLo8GJJLUhE

「Just the Thought」
サイケなストレンジ・ワールドへ誘ってくれる1曲。美しくも儚い雰囲気がたまりません。
http://www.youtube.com/watch?v=jRgdqVjlWWs

「Closer to the Truth」
軽くサイケ・テイストのブルース・チューン。昔ながらのThe Animals気分を多少は味わえるのでは?
http://www.youtube.com/watch?v=rrKTwSIk6qk

「No Self Pity」
サイケとバロックの融合、東洋と西洋の融合といった試みが、その成果を抜きにして面白いですね。
http://www.youtube.com/watch?v=eTvqHizVJnU

「Orange and Red Beams」
「Monterey」、「Sky Pilot」に次ぐ人気曲なのでは?Danny McCullochの作品。ヴォーカルも McCullocです。アシッド・フォークっぽい仕上がりがいいですね。アルバム全体の評価を底上げしてくれる佳作だと思います。本曲はDanny McCullochのソロ・アルバム『Wings of a Man』でも再録されています。
http://www.youtube.com/watch?v=-eZYmF-RWYQ

「Sky Pilot」
「Monterey」と並ぶ本作のハイライト。シングルとして全米シングル・チャート第14位のヒットとなりました。従軍牧師について歌ったベトナム戦争に対する反戦ソング。そんなメッセージに似つかわしくないキャッチーなメロディとのギャップもグッときます。サイケな効果音あり、銃声と共に鳴るバグパイプあり、エレガントなストリングスあり...とドラマティックな展開も興味深いです。
http://www.youtube.com/watch?v=I3OTY4dMVBM

「We Love You Lil」
第二次世界大戦中に流行したドイツの歌謡曲「Lili Marlene」をモチーフにしたインスト。イントロの口笛による「Lili Marlene」のメロディが印象的です。悲壮感漂うサイケなフォーキー・サウンドの中に反戦への思いが込められているのでは?
http://www.youtube.com/watch?v=GH0lxuoqEoM

「Lili Marlene」と言えば、ベルリン出身の伝説のハリウッド女優Marlene Dietrichのレパートリーとして有名ですね。
Marlene Dietrich「Lili Marlene」
 http://www.youtube.com/watch?v=W7J6OPurrtw

「All Is One」
ラストもラブ&ピースなメッセージ・ソング。タブラ、シタール、バイオリンの音色が飛び交う刺激的なサウンドがたまりません。かなり僕好みのサウンドです。
http://www.youtube.com/watch?v=Tynp38o_SSA

本作を気に入った方は、『Winds of Change』(1967年)もセットでどうぞ!
『Winds of Change』
Winds of Change

ヒット曲「San Franciscan Nights」The Rolling Stonesのカヴァー「Paint It Black」等が収録されています。

Eric Burdon & The Animals「San Franciscan Nights」
 http://www.youtube.com/watch?v=dmIy7Ch4M84
Eric Burdon & The Animals「Paint It Black」
 http://www.youtube.com/watch?v=miLN6RJhStw
posted by ez at 00:28| Comment(0) | TrackBack(0) | 1960年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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