2006年01月30日

Aztec Camera『High Land, Hard Rain』

ネオ・アコブームの火付け役アルバム☆Aztec Camera『High Land, Hard Rain』
High Land, Hard Rain
発表年:1983年
ez的ジャンル:青春系ネオ・アコースティック
気分は... :若いってイイね...

ティーンエイジの時にリアルタイムでAztec Cameraの1stアルバム『High Land, Hard Rain』に出会い、大きく影響を受けたという人は少なくないと思う。

日本のネオ・アコ(ネオ・アコースティック)好き人口の多さを考えれば当然なのかなぁ?
というか、このアルバムがあったからこそ、ネオ・アコというジャンルが生まれ、日本人をネオ・アコ好きにしたと説明する方が適切なのかもねっ!

僕はAztec Cameraの存在を当時聴いていたFMラジオ番組「サウンドストリート」で知った。ちなみに、サウンドストリートはNHK-FMで放送されていた音楽番組であり、佐野元春、坂本龍一、甲斐よしひろ、山下達郎、渋谷陽一という個性的な日替わりパーソナリティがマニアックな選曲をしていた番組っす。学生時代の僕の音楽ライフはかなりこの番組の影響を受けていたと思いマス。結構、この番組でしか聴けない知る人ぞ知るアーティストや隠れた名曲ってあったんですよね。

で、Aztec Cameraを紹介していたのは金曜担当の渋谷陽一氏デス。若いリスナーの方は“その人誰?”ってカンジだと思いますが、今もある音楽雑誌「rockin'on」の当時編集長だった人です。記憶では、「Oblivious」、「Walk Out to Winter」の2曲を流したと思うんだけど、「Walk Out to Winter」を聴いた瞬間に“コレだ!”って思ったよね。

当時のUK音楽シーンは、Duran Duranに代表されるエレクトロニック・サウンドを全面に出したポップなダンス・ビートと、ド派手なファッションによるビジュアル訴求を武器にしたアーティストが、全英チャートのみならず、全米チャートにも次々とヒット曲を送り込んでいた第2次ブリティッシュ・インヴェンションの時期だった。

これらの音楽も好きでよく聴いたし、PVもかなり観ていてけど、そればかりで多少胃もたれ気味だったんだよね。そんな時に聴いた「Walk Out to Winter」は、胃もたれ状態を一気にスッキリさせてくれたカンジだったなぁ。その直後に迷わず『High Land, Hard Rain』を購入した記憶がありマス。

リーダーのRoddy Frameを中心したアコースティック・サウンドは、とても爽やかでみずみずしいカンジがした。それまでアコースティック・サウンドって、フォーク、カントリーなどの野暮ったいイメージがあったんだけど、そんな間違ったイメージを完全に払拭してくれまシタ。まさにネオ・アコースティックってネーミングをしたくなる衝撃作でシタ。

オススメ曲を紹介しときやす。

「Oblivious」
シングルカットもされたオープニング曲。邦題の「想い出のサニービート」には思わず苦笑してしまったけど、ラテン・フレイヴァーのアコースティックなグルーヴ感がステキなナンバーっす。

「Boy Wonders」
スコットランド出身の彼ららしい、スコティッシュ・ポップ感覚溢れるナンバー。青臭いカンジもいいっす。

「Walk Out to Winter」
シングルカットもされ、多分ファンの間で最も人気が高いと思われる曲。僕もこの曲が一番スキです。歌詞にClashのJoe Strummerの名が登場するのも興味深かったね。

このアルバムを“冬になると聴きたくなる”って人は、おそらくこの曲の影響でしょう。僕もこの曲を聴くと大学受験を思い出す。受験勉強のヤマ場の時、勉強が煮詰まって気持ちが下げモードになると、いつもこの曲を聴いていたなぁ。僕にとってドリンク剤代わりだったのかもね!

「Bugle Sounds Again」
この曲も冬の朝に聴くと、気持ちが引き締まるカンジの曲だね。淡々と歌うRoddyのボーカルって、歌詞の内容云々に関係なく妙に説得力があるカンジがしたなぁ。

「We Could Send Letters」
Roddyのソングラインティングの非凡さがわかる曲。繊細かつロマンティックなメロディがたまりません。

「Pillar to Post」
この曲もシングルカットされたポップなナンバー。計算され尽くされたプロフェッショナルなポップさではなくて、アマチュアっぽいポップ感覚こそがこのアルバムの最大の魅力だと思うなぁ。

「Lost Outside the Tunnel」
まさに悩める青春ソングってカンジの、みずみずしい憂いを感じる曲。

「Back on Board」
メロウネス溢れるバラード。何となくSpandau Balletの名曲「True」に似ているかも?「True」も同じ1983年だしね!

先の「サウンドストリート」で渋谷氏が『High Land, Hard Rain』と一緒に、Weekend『La Variete』というアルバムを紹介してくれた。こちらは『High Land, Hard Rain』ほどブレイクしなかったけど、とてもいいアルバムっす。そのせいで、この2枚をセットで聴くのがお気に入りパターンっす。
posted by ez at 00:50| Comment(2) | TrackBack(0) | 1980年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
渋谷陽一氏のラジオは僕も楽しみでした。
ロッキングオンも時々買いました・・・。
いまでも反論したくてウズウズするような記事を思い出しますが
それでも渋谷氏の文やラジオは納得のいくものが多かった気がします。
先日たまたまラジオに彼が出ているのを聞きました。
ゲスト出演だったせいなのか、彼が年老いたせいか
はたまた僕が年をとったのかは分かりませんが
面白くなかったので消してしまいました・・・笑
Posted by けん at 2006年01月30日 02:45
☆けんさん

ありがとうございます。
僕も昨年ビートル関連のテレビ番組で久々に渋谷氏を見ました。
確かに、昔のラジカルな雰囲気はなく、人のいいオッサンになっていたなぁ。

音楽雑誌で言えば、僕はロッキングオンとミュージック・マガジンの2誌を購読していました。ロッキングオンは大学生あたりまででしたが、ミュージック・マガジンは今でも面白そうな号は購読しています。
約25年も同じ雑誌を読んでいると思うと、自分が成長していないようで少し不安になりますが...
Posted by ez at 2006年01月30日 23:37
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