発表年:1978年
ez的ジャンル:メロウ・グルーヴ&ディスコ/ファンク
気分は... :もう2月...早いねぇ。
このアルバムへ辿り着く人って、ディスコ・クラシック好きの人、Michael Jackson、George Benson等を通じてRod Tempertonに興味を持った人、Hip-Hopやフリーソウル好きのクラブ系リスナーの人という3つのルートがあるんじゃないかな?
Heatwaveは、1970年代から80年代初めに活躍したR&B/ディスコグループっす。アメリカ出身のKeithとJohnnieのWilder兄弟を中心とした多国籍メンバーにより結成されたまシタ。活動の拠点がUKだったようで、UKのグループと紹介しておきマス。
『Too Hot To Handle』(1977年)からディスコ・クラシック「Boggie Nights」、逸品スロー「Always And Forever」の2曲が、『Central Heating』(1978年)からディスコナンバー「Groove Line」が大ヒットした。「Always And Forever」はLuther Vandrossのカバーでも有名だよね。個人的には90年代に初めに活動していた日本では全く無名のR&BグループWhistleのカバーを愛聴していまシタ。脱線するけど、Whistleの1st、2ndアルバムはメチャいいっすよ!
話を戻すと、上記のヒット曲以上にHeatwaveが注目される点は、グループに後の大ヒットメイカーRod Tempertonが在籍していたことかもしれないね。グループのキーボード奏者でありソングライターであったRod Tempertonは、後にプロデューサーQuincy Jonesのお抱えソングライターとなり、Quincyと組んでMichael Jacksonの「Off The Wall」、「Rock With You」、「Thriller」、George Bensonの「Love X Love」、 「Give Me The Night」などの大ヒット曲を提供したことは多くの方がご存知ですよね。
その意味ではHeatwaveから既に才能の片鱗が見えるので、そんなTemperton作品を堪能するのもHeatwaveのアルバムの楽しみ方かもしれないね。
Hip-Hop/フリーソウルなどのクラブ系リスナーは、サンプリングネタやクラブの人気曲をゲッチュするという楽しみ方もありますよ〜☆実際、そういった方面の再評価が高まり、1990年に再結成されていマス。
前述の『Too Hot To Handle』、『Central Heating』の2枚が愛聴盤ですが、今回はクラブ系リスナーの人も楽しめる『Central Heating』の方を紹介しマス。
オススメ曲を紹介しときやす。
「Groove Line」
R&Bチャートで大ヒットしたディスコナンバー。いかにも当時のディスコ/ファンクといったカンジのノリ重視のナンバーです。レイザーラモンHGも真っ青の♪フウッ♪フウッ♪の掛け声が印象的デス。Public Enemy「Sophisticated Bitch」ネタ。90年代に活躍したギタリストStevie Salasがカヴァーしているようですが、何かビミョーな組み合わせだな?
「Mind Blowing Decisions」
Hip-Hopファンは、Nice & Smooth「How to Flow」、A Tribe Called Quest(featuring Faith Evans & Raphael Saadiq)「Stressed Out」、Aim「Good Disease」などの元ネタとして、あるいはMix Tapeで有名な曲ですよね。と言うことで、クラブ系リスナーはこの曲が一番のお目当てでしょう。とってもメロウで心地よいナンバーっす。僕もこの曲が一番のお気に入りデス。ただし、これはTempertonではなく、Johnnie Wilder作というのが面白いですな。
「Star of a Story」
これまたクラブ系リスナーに人気のメロウ・ナンバー。A Tribe Called Quest「Verses from the Abstract」等の元ネタです。Yam Who?によるカヴァーも人気がありますよね。これはTemperton作っす。ソングライティングもいいけど、アレンジの良さが際立った曲だと思いマス。
「Put the Word Out」
後のMichael Jacksonの一連の作品につながっているようなTempertonらしいディスコナンバー。大音量で聴きたくなるド派手でファンキーな曲っす。
「Happiness Togetherness」
Johnnie Wilder作による小粋なナンバー。美メロとワルツ調のリズムと優しいアレンジがとてもマッチしていマス。Tempertonばかりがクローズアップされるけど、Johnnieの作品もなかなかですね!
「Party Poops」
Temperton作によるEarth,Wind & Fireを彷彿させる爽快なグルーヴ感がカッチョ良いダンスナンバー。Temperton作品ではこの曲が一番のお気に入りっす。
「Leavin' for a Dream」
アルバムのエンディングを飾るTemperton作のドリーミーでロマンティックなバラード。
少し話しが逸れるけど、Quincy Jonesが音楽を担当し、Rod Tempertonも楽曲を提供した映画の1つにSteven Spielberg監督、Whoopi Goldberg主演の「The Color Purple」(1985年)がある。Whoopiの出世作となった感動巨編なんだけど、実は僕が人生で最も大泣きした映画なんだよね。泣ける映画をお探しの方にはオススメっす。