2009年08月20日

Miles Davis『Agharta』

活動休止前の大阪公演、昼の部を収めたライブ☆Miles Davis『Agharta』
Agharta
発表年:1975年
ez的ジャンル:エレクトリック・マイルス最終章
気分は... :これぞエレクトリック・マイルス!

今日は当ブログ最多登場!帝王Miles Davis『Agharta』(1975年)です。夏の夜に少し汗ばみながら、この危険にうねりまくるサウンドを聴きたい気分です。

これまで紹介してきたMiles作品は以下の12枚(録音年順)♪
 『Bag's Groove』(1954年)
 『'Round About Midnight』(1955、56年)
 『Cookin'』(1956年)
 『Miles Ahead』(1957年)
 『Milestones』(1958年)
 『Someday My Prince Will Come』(1961年)
 『Miles Smiles』(1966年)
 『Filles De Kilimanjaro』(1968年)
 『In A Silent Way』(1969年)
 『On The Corner』(1972年)
 『Get Up With It』(1970、72、73、74年)
 『The Man With The Horn』(1981年)

ご存知の通り、本作『Agharta』(1975年)は、1975年2月1日の大阪公演昼の部のライブ録音です。同日の夕方の部を収めたライブ・アルバム『Pangaea』もあります。そして、この2枚のライブ録音を最後に病気療養のため、活動を休止してしまいます。

その意味で、『Agharta』『Pangaea』の2枚は、1960年代後半から始まったエレクトリック・マイルス時代の最終章と位置づけられるアルバムです(共にCD2枚組)。

メンバーはMiles Davis(tp、org)以下、Sonny Fortune(as、ss、fl)、Pete Cosey(g、synth,per)、Reggie Lucas(g)、Michael Henderson(b)、Al Foster(ds)、Mtume(per、rhythm box)という布陣です。昔はそれほど凄いメンツという印象は無かったのです、今眺めると凄いメンツですね!

James BrownJimi HendrixSly & The Family Stoneらに触発されて、ドス黒いファンクやエレクトリックなロック・サウンドへアプローチしていったのが"エレクトリック・マイルス"と呼ばれた時代のMiles Davisでした。

そんなファンクやロック・サウンド導入の1つの到達点を『Agharta』『Pangaea』の中で聴くことができるのでは?

僕の場合、この2枚は同時にゲットした記憶があるのですが、圧倒的に『Agharta』を聴く頻度が多いですね。単純に収録曲が多い(『Agharta』は4曲、『Pangaea』は2曲)というのも有りますが、多分、ファンクネスをより堪能できるのが『Agharta』に収録された昼の部だからだと思います。

日本人にとっては横尾忠則氏がデザインした国内盤ジャケの方がお馴染みかもしれませんね。
『Agharta』(国内盤)
【Blu-spec CD】アガルタ

危険な香り漂うエレクトリック・マイルス最終章を堪能しましょう!

全曲紹介しときやす。

「Prelude(Part One)」
「Prelude(Part Two)」
僕の一番のお気に入り。エレクトリック・マイルスの到達点とも言うべき、危険な香りのダーク&へヴィ・チューン。Part OneとPart Twoを合わせて約32分の長尺ですが、陶酔して聴いているとあっという間に終わってしまいます。

Milesがオルガンに続くReggie Lucasのギターがサイコー!Michael HendersonとAl Fosterによるへヴィ・ビート、Mtumeによるアフリカンなパーカッションも加わったうねりまくるグルーヴで脳内が完璧にヤラれてしまいます。そんなヤバすぎる音空間の中を駆け巡る、ミュート&エフェクトを用いたMilesのトランペットも格好良すぎです。Pete Coseyのジミヘンばりのギター・ソロも聴きものですね!

走り始めたら止まらないといった雰囲気の中毒性の高いオープニングです。

「Maiysha」
エレクトリック・マイルス流ブラジリアン・クロスオーヴァーといった仕上がり。Sonny Fortuneのフルートが実に涼しげですね。Mtumeのパーカッションもブラジル・モードです。危険な香りが見え隠れするものの、「Prelude」とは異なり緩急つけた演奏を聴かせてくれます。  

本曲までがCDのDisc1です。

「Interlude」
様々な表情が楽しめる演奏です。前半のスピーディでスリリングな演奏が好きです。特にMichael Hendersonのベースにグッときます。人によってはR&Bシンガー的なイメージが強いかもしれませんが、この演奏を聴けばスゴ腕ベーシストとしての彼を実感できると思います。Reggie Lucas、Pete Coseyというツイン・ギターの絡みも格好良いですな。中盤は少し落ち着いたリズムでMilesのソロを引き立てます。後半はコズミックな雰囲気の中で怪しく響くSonny Fortuneのフルートが印象的です。聴き終わった後、3〜4曲聴いたような錯覚に陥ります。

「Theme from Jack Johnson」
エレクトリック・マイルスという小宇宙の中で聴く、コズミック&スピリチュアル・チューンといった印象です。一時のSantanaなんかに通じる瞑想的な雰囲気もあります。本作は大阪公演の昼の部ですが、この演奏は白日夢といった雰囲気ですね。

大阪の夕方公演を収めた『Pangaea』もそのうち紹介しますね。
posted by ez at 02:44| Comment(0) | TrackBack(0) | 1970年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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