録音年:1967年
ez的ジャンル:グルーヴィー・ソウル・ジャズ
気分は... :オルガン・ジャズ好きにはたまりません!
ジャズ・アルトサックス奏者Lou Donaldsonの3回目の登場です。
今回はその後のソウル・ジャズ路線に弾みをつけたアルバム『Alligator Bogaloo』(1967年)です。
ソウル・ジャズを代表するアルバムとしてお馴染みですね。僕もLou Donaldsonのアルバムと言えば、妖しげに女性が舞うジャケも含めて本作が真っ先に思い浮かびます。
本作のヒットを受けて、その後も当ブログで紹介済みの『Mr. Shing-A-Ling』(1967年)、『Midnight Creeper』(1968年)といった同路線のアルバムをレコーディングしています。
本作『Alligator Bogaloo』のメンバーは、Lou Donaldson(as)以下、Melvin Lastie, Sr.(cor)、 George Benson(g)、Lonnie Smith(org)、Leo Morris(Idris Muhammad)(ds) というクインテット編成です。
全体的にはLonnie Smithの活躍が目立ちますね。Lonnie Smithのリーダー作と錯覚しそうなくらいオルガン・ジャズを堪能できます。
そんなLonnie Smithに負けじと、主役のLou Donaldsonもブルージー&ソウルフルな演奏を聴かせてくれます。
あとは当時は無名であったGeorge Bensonのギターがフレッシュです。
当時はコアなジャズ・ファンからは敬遠されたアルバムらしいです。でも、このソウル・ジャズ路線が数十年後に若いクラブ・ジャズ/モッド・ジャズ/Hip-Hopファンから支持されるというのが面白いですね。
ヒップなソウル・ジャズを堪能しましょう!
全曲紹介しときやす。
「Alligator Boogaloo」
ビルボードのシングル・チャートにもチャート・インしたタイトル曲(Lou Donaldson作)。前述の通り、ソウル・ジャズ路線を決定付けた代表曲であり、クラブ・ジャズ・ファンからの人気も高いクラシックです。演奏全体のヒップかつレイジーな雰囲気がいいですね。ソウルフルなLou Donaldsonのサックスに加えて、BensonのギターとSmithのオルガンが実に小粋ですね。
http://www.youtube.com/watch?v=pa_J9ZRmrHA
「One Cylinder」
ヴァイヴ奏者Freddie McCoyの作品。オリジナルはFreddie McCoy『Peas'n Rice』に収録されています。Smithのオルガンを中心としたブルージー&ソウルフルなグルーヴ感がグッド!そのカッチョ良さはMC Solaar「Qui Seme Le Vent Recolte Le Tempo」等のサンプリング・ネタとして使われていることでも証明済みです。
MC Solaar「Qui Seme Le Vent Recolte Le Tempo」
http://www.youtube.com/watch?v=s4bPWcojrlQ
「The Thang」
BensonのギターとSmithのオルガンが牽引する軽快なスウィンギー感が印象的です。Lou Donaldson作。
「Aw Shucks!」
Lonnie Smith作。演奏の主役もSmithですね。オルガン・ジャズ好きにはたまらないソウル・ジャズになっています。本来の主役Donaldsonのブルージーなプレイもグッド!
「Rev. Moses」
軽快なスピード感がいいですね。はつらつとしたBensonのギターが印象に残ります。Lou Donaldson作。
「I Want a Little Girl」
Murray Mencher/Billy Moll作のスタンダード。他の曲とは異なり、スタンダード然としたロマンティックな演奏を聴くことができます。
ところで、何故本作の"ブーガルー"の表記は"Boogaloo"ではなく"Bogaloo"なんですかね?
ありがとうございます。
気に入って頂けたのであれば幸いです。
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