発表年:1982年
ez的ジャンル:プリンス・ファミリー系ミネアポリス・ファンク
気分は... :今、何時?そうね大体ねぇ〜
今日はプリンス・ファミリーを代表するファンク・グループThe Timeの2ndアルバムThe Time『What Time Is It?』(1982年)です。
The Timeは1981年に結成されたミネアポリスのファンク・バンド。
The Timeの前身グループFlyte Tymeには、Jimmy Jam(key)、Monte Moir(key)、Terry Lewis(b)、Jellybean Johnson(ds)といったメンバーに加えて、後の大物男性R&BシンガーAlexander O'Nealも在籍していました。
しかしながら、Alexを除くメンバーがPrince殿下に引き抜かれ、前述の4人のメンバーにMorris Day(vo)、Jesse Johnson(g)を加えた6人が"The Time"としてデビューすることになります。
『The Time』(1981年)、『What Time Is It?』(1982年)と順調にアルバムをリリースしますが、『What Time Is It?』を最後に、Jam & LewisとしてThe S.O.S. Band等のプロデュース業が忙しくなってきたJimmy JamとTerry Lewisが脱退し、Monte Moirも彼ら二人と行動を共にするためグループを抜けます。
脱退した3人の後任として、Mark Cardenas、St. Paul Peterson、Jerry Hubbardを補充し、グループは活動を継続します。そして、Prince殿下が『Purple Rain』で大ブレイクしたのと同時期に3rdアルバム『Ice Cream Castle』をリリース。映画『Purple Rain』でMorris Dayが殿下のライバル役を演じたことも手伝ってThe Timeの知名度も一気に上昇します。
『Ice Cream Castle』リリース後は、メンバーのソロ活動等が目立つようになり、グループは活動休止状態になっています。しかしながら、1990年にオリジナル・メンバー6名にJerome Bentonを加えた7名で活動を再開し、復活アルバム『Pandemonium』をリリースしています。
まるで喜劇王チャップリンのようにおどけたポーズをとるMorris Dayの表情が印象的なアルバムですよね。
僕にとってはリアルタイムで聴いたThe Time作品が本作でした。
『Controversy』(1981年)で殿下と出会い、『1999』(1982年)で殿下と初めて向き合った僕にとっては、同時期に聴いたプリンス・ファミリーThe Time『What Time Is It?』も鮮烈な印象でした。
でも当時はこんなに凄いメンバーが集まっていたなんて知る由もありませんでした。ジャケや後の映画『Purple Rain』の影響をモロに受けていた当時の僕は 「The Time=Morris Dayのワンマン・バンド」 という印象が強かったもので...そんな僕が数年後には熱狂的なJam & Lewisファンになっているんですから笑っちゃいますねぇ!
本作も前作同様Prince殿下(The Starr ★ Companyの変名)がMorris Dayと共にプロデュースしています。
メンバー以外ではプリンス・ファミリーのセクシー・ユニットVanity 6や準メンバーとも呼べるJerome Bentonが参加しています。
キャッチーなミネアポリス・ファンクを楽しみましょう。
全曲紹介しときやす。
「Wild and Loose」
ポップな味わいファンク・チューン。殿下から変態チックな要素を除いて(いい意味で)軽薄にした感じがTimeらしくてグッドなのでは?
http://www.youtube.com/watch?v=5cSB8J7GFqs
「777-9311」
シングルとして全米R&Bチャート第2位となったヒット曲。当時のPrince殿下ファンならばグッドくるアップ・チューン。この妖しげなムードがたまりません。どうってことはないのですがTerry Lewisのベースを聴いているだけで嬉しくなってしまいます。2pac「Whatz Ya Phone #」でサンプリングされています。
http://www.youtube.com/watch?v=ZAIldz08JzA
2pac「Whatz Ya Phone #」
http://www.youtube.com/watch?v=Pl9lLjR-bYE
「Onedayi'mgonnabesomebody」
『Controversy』の頃の殿下に通じるニューウェイヴ的なノリが印象的です。
「The Walk」
ファン方にとってはこの曲が一番人気なのでは?チープなサウンドが逆に魅力となっている約9分半のファンク・チューン。初期Timeの魅力が凝縮されているのでは?MC Lyte「Everyday」等のサンプリング・ネタにもなっています。
http://www.youtube.com/watch?v=592n1KNWDxg
MC Lyte「Everyday」
http://www.youtube.com/watch?v=HMS_HmJAhnA
「Gigolos Get Lonely Too」
サンプリング・ネタとしてもお馴染みのメロウなスロウ・チューン。Above the Law「Kalifornia」、K-Dee「Gigalos Get Lonely Too」、Snoop Dogg「D.O.G. 's Get Lonely 2」等で聴くことができます。
http://www.youtube.com/watch?v=w3uJ8UWzfbE
Above the Law「Kalifornia」
http://www.youtube.com/watch?v=P94AubTGDW4
K-Dee「Gigalos Get Lonely Too」
http://www.youtube.com/watch?v=JroXmdcxI_A
Snoop Dogg「D.O.G. 's Get Lonely 2」
http://www.youtube.com/watch?v=N_OgxSskvMk
「I Don't Wanna Leave You」
意外と好きなのがこのファンク・チューン。この時期のエレポップに通じるチープな魅力に溢れています。
そう言えば、我が家のCD棚から『The Time』(1981年)が数年前から行方不明のままです。このまま迷宮入りか...無事見つかったら紹介しますね(笑)
St.ポールのデビュー・アルバムを探して
こちらに辿り着きました。
「『ザ・タイム=モーリス・デイの
ワンマン・バンド』という印象が強かった」
との仰せですが、
実は彼らの実像もそれに近かったようです。
マネジメントはカリスマ性のあるモーリス
だけをチタホヤし、バンドそのものは
後見人(支配者)プリンスの圧力に苦しみ、
活動を制限され・・・・・・。
で、ジャム&ルイスは殿下に内緒で
S.O.S.バンドをプロデュースして、
それがバレて追放されたんだとか。
全く気の毒なバンドです、ザ・タイムは。
もし仮に、プリンスがザ・タイムを放任して
自由な活動を認めていたなら、
つまりジャム&ルイスがその手腕を自分の
バンドに注いでいたなら、
ザ・タイムは80年代最強(人種問わず)
のグループになっていたかも知れません。
こちらのブログの他の記事も
読ませて頂きました。
ブーツィー・コリンズや
ジョイス・クーリングを発見し、
思わず手を叩いてしまいましたよ。
また寄らせて頂きます。
長々と失礼しました。
ありがとうございます。
お名前の通り、切れ味鋭いコメントですね!
結果的に追い出されたことで、Jam & Lewisはスーパー・プロデューサーへの道を歩み始めるのですから、人の運命はわからないものですね(笑)
個人的にはMorris DayではなくAlexのヴォーカルでFlyte Tymeとしてのアルバムを聴いてみたかったですね。
これからもお気軽にお立ち寄りください。