発表年:1986年
ez的ジャンル:クレプスキュール系フェイク・ボッサ
気分は...:フェイク・ボッサで秋モードへ
今日はIsabelle Antenaの1stアルバム『En Cavale』(1986年)です。
Isabelle Antenaは、フランス出身の女性シンガー。
1981年にPascale Moiroud、Sylvain Fasyと三人でAntenaを結成し、ベルギーの音楽レーベル、クレプスキュール(Crepuscule)との契約に成功します。
当時クレプスキュールと言えば、オシャレ系レーベルとして音楽ファンの間で話題のレーベルでしたね。Mikado、Tuxedomoon等も所属していました。
Antenaに話を戻すと、1982年に元UltravoxのJohn Foxxプロデュースによるシングル「The Boy from Ipanema」(Antonio Carlos Jobimの名曲「The Girl From Ipanema」のカヴァー)やミニ・アルバム『Camino Del Sol』をリリースしています。
Antena「The Boy from Ipanema」
http://www.youtube.com/watch?v=5zEdIQjh1MU
しかし、その後Pascale Moiroud、Sylvain Fasyの二人が抜け、ユニットとしてのAntenaは消滅し、Isabelle Antenaのソロとなりました。そして、制作されたのが今日紹介する1stアルバム☆『En Cavalle』(1986年)です。
僕が持っているIsabelle Antena(Antena)作品は、『Camino Del Sol』(1982年リリースのミニ・アルバムに「The Boy from Ipanema」等を追加収録したCD)、『En Cavale』(1986年)、『Hoping For Love』(1987年)、『On a Warm Summer Night』(1988年)、『Carpe Diem』(1992年)の5枚。
一般には『Hoping For Love』(邦題:愛にエスポワール)あたりが有名だと思いますが、熱心な音楽ファンには『Camino Del Sol』、『En Cavale』あたりが人気なのでは?
今回、本当は『Camino Del Sol』を紹介しようと思ったのですが、収録曲が異なるいくつかのヴァージョンがあるようで、僕が所有するCDとの整合作業が面倒になってきてしまいました(泣)なので、急遽『En Cavale』へ変更した次第です。
ニューウェイヴとボサノヴァが融合したような『Camino Del Sol』と比較すると、『En Cavalle』はかなりポップな印象を受けます。サウンド面では、前半はフェイク・ボッサ、後半はライトタッチのファンクといった仕上がりです。
フェイク・ボッサって馬鹿にする人もいますが、先入観なしで素直に聴けば結構楽しめると思いますよ。
Weekend、Viktor Lazlo、Loose Endsあたりがお好きな人はぜひ聴いてみてください。
全曲紹介しときやす。
「Playback」
キャッチーなボッサ・チューン。同じボッサ・チューンでもニューウェイヴ・テイストであった「The Boy from Ipanema」と比較すると、かなりポップな仕上がりです。
http://www.youtube.com/watch?v=2bW5YWqcn7M
「Easy Street」
Sister Sledgeヴァージョンでお馴染みのNile Rodgers/Bernard Edwards作品。アコースティックな味わいがグッドなライト・チューンに仕上がっています。僕の一番のお気に入り曲です。
「Seaside Weekend」
本作のハイライトはフェイク・ボサノヴァの名曲としてお馴染みの本曲でしょうね。都会的なセンスに溢れたアレンジがグッド!カフェ・ミュージックにぴったりです。
http://www.youtube.com/watch?v=yZRK-NIVbxU
「Ten Minutes」
ヴァイヴの音色が心地よいジャジーな仕上がり。大人のアーバン・ナイトって雰囲気ですね。
「How Can They Tell」
Viktor Lazloに通じるスタイリッシュなヨーロピアン・ポップに仕上がっています。
「Sois Pop」
ファンカラティーナ風のポップなファンク・チューン。当時のUKポップがお好きな人ならば気に入ると思います。
「Magic Words」
「Booby Trap」
UKらしいライトタッチのエレクトリック・ファンク。Loose Endsあたりが好きな人ならば気に入ると思います。
「La Vie Est Trop Courte」
ラテン・タッチのポップ・ファンク。いかにも80年代なエレクトリック・サウンドが逆に良かったりします。
「Naughty Naughty」
しっとりと聴かせるバラード。80年代ならではのスタイリッシュ・サウンドにグッときます。
「Don't Think About It」
ラストはキャッチーなライト・ファンク。
『Camino Del Sol』は情報を整理して、改めて紹介したいと思っています。
LP時代では、もっぱらA面ばかり聴いてました〜。
でも今聴くと確かに80年代の音満載のファンキーなB面も悪くないですね。
手作り感プンプンの「Camino Del Sol」の記事も楽しみです。
ところで・・タイトルは「En Cavale」ですよー。
ありがとうございます。
> タイトルは「En Cavale」ですよー。
失礼しました。修正しておきました。
僕もどうしてもボッサな前半ばかり聴いてしまうのですが、
後半もそれなりに80年代らしさを楽しめると思います。
『Camino Del Sol』は『En Cavale』には無い毒っ気がいいですね。