発表年:1982年
ez的ジャンル:苦節系女性ポップ・シンガー
気分は... :感動バラードのオンパレード!
今日はCharlene『I've Never Been To Me』(1982年)です。
タイトル曲「I've Never Been to Me(邦題:愛はかげろうのように)」は、80年代洋楽好きならば誰も知っている名バラードですね。僕もリアルタイムでこの名曲に随分癒されました。
Charleneは1950年L.A.生まれの女性シンガー。
1974年に彼女がモータウン・レコードに持ち込んだデモ・テープをBerry Gordy, Jr.が気に入り、白人ながらも大型新人女性シンガーとして期待を寄せられます。そして、1977年に注目のデビュー・アルバム『Charlene』をリリースしますが不発に終わり、そのままCharleneもシーンから消えていきました。
それから歳月が流れ、誰もCharleneというシンガーのことなど忘れてしまっていた1982年初頭、フロリダのラジオ局のあるDJがアルバム『Charlene』に収録されていた「I've Never Been to Me」を放送したところ、電話での問い合わせが殺到し、再びCharleneに注目が集まりはじめました。
こうして火が点いた「I've Never Been to Me」はシングルとして再リリースされ、遂には全米シングル・チャート第3位の大ヒットとなりました。
このシングル・ヒットをきっかけに急遽制作されたアルバムが今日紹介する『I've Never Been to Me』です。
プロデュースはRon Miller。Stevie Wonder「A Place in the Sun」、「Yester-Me, Yester-You, Yesterday」、Diana Ross「Touch Me in the Morning」等の作品で知られるベテラン・ソングライターですね。本作ではKen Hirschとのコンビで全ての楽曲を手掛けています。
どうしてもハイライト曲「I've Never Been To Me」ばかりに注目が集まるアルバムですが、それ以外の楽曲も粒揃いでアルバム全体としても素晴らしいバラード・アルバムに仕上がっています。
僕の場合、全編バラードの作品だと途中で飽きてしまうのですが、本作は最後までしっかり聴くことができます。
感動的なバラードで泣きたい人にはオススメのアルバムです。
全曲紹介しときやす。
「I've Never Been To Me」
説明不要の名曲。Ron Millerは元々男性シンガー用にこの曲の歌詞を用意していましたが、Charleneと出会い彼女のために女性用の歌詞に書き換えたそうです。苦難の人生を歩んできた彼女の半生を知ると、余計に目がウルウルになります。
http://www.youtube.com/watch?v=05Dm9txyWac
「It Ain't Easy Coming Down」
邦題「愛の終曲」「I've Never Been To Me」同様、デビュー・アルバム『Charlene』に収録されていた楽曲。当時シングル・カットされた曲だけあって、こちらもなかなかの出来栄えです。「I've Never Been To Me」がお好きな人であれば、このスケール感の大きなバラードにもグッとくるはず!
http://www.youtube.com/watch?v=AMAEgNCwrWM
「Can We Try」
邦題「昨日へ帰りたい」。「I've Never Been To Me」とは異なる雰囲気の大人のラブ・バラードに仕上がっています。
「Hungry」
Charleneのシンガーとしての実力を実感できるバラード。正統派バラードがお好きな人にぜひ!
http://www.youtube.com/watch?v=JtJsb0ZlnW8
「Hey Mama」
この曲もデビュー・アルバム『Charlene』収録曲。苦労して成功をつかみとったCharleneだからこそ、こういったバラードが胸に染み入るのでしょうね。
「I Won't Remember Ever Loving You」
邦題「追想」。Barbra Streisandあたりが歌ってもハマりそうなスケールの大きなバラード。
「Johnny Doesn't Love Here Anymore」
カントリー調のバラード。好みじゃないけど、アルバムのアクセントとしてはいいかも?
「After The Ball」
本作の中では一番軽快な雰囲気の楽曲ですね。
「I Need A Man」
Charleneの表現力の素晴らしさを堪能できるバラード。
「If I Could See Myself」
ラストも感動的なバラードで締め括ってくれます。これだけバラード・オンパレードでも飽きさせないのが凄いですね。
本作のヒットを受けて、1983年にはStevie Wonderと共演したタイトル曲を含むアルバム『Used to Be』をリリースしています。