2006年02月06日

Donald Byrd『Places and Spaces』

クラブ系リスナーから大人気のファンキー・ジャズ・オヤジ☆Donald Byrd『Places and Spaces』
Places and Spaces
発表年:1975年
ez的ジャンル:スカイ・ハイ系レアグルーヴ
気分は... :スーパーボウルが楽しみっす!

いよいよ今日はスーパーボウル(アメフトのプロリーグNFLのチャンピオン決定戦)の日っす。なんか興奮気味で寝れません。

音楽好きには、オープニングやハーフタイムにAretha FranklinRolling Stonesらが登場するのも楽しみっす。

にも関わらず、今回はスーパーボウルと全然関係なくDonald Byrd『Places and Spaces』デス。

ジャズ・ファンにとって、Donald Byrdは1950年代から活躍するファンキー・ジャズを代表するトランペッターという存在。一方、Hip-Hop/レア・グルーヴ/フリー・ソウル・ファンは、サンプリング・ネタや人気クラブ・チューンで数多く彼の名前を聞いているのではと思いマス。例えば、Guru『Jazzmatazz』のByrdなんて激シブでカッチョ良かったよね!

僕が最初に購入したDonald Byrdのアルバムは、ジャズを超えてブラック・ミュージックを意識した意欲作『A New Perspective』(1963年)だ。購入したきっかけは、、単に当時流行っていたHip-HopアルバムTone-Loc『Loc-ed After Dark』のジャケットのモチーフが『A New Perspective』だったというだけなんだけどね。

今回紹介する『Places and Spaces』は、クラブ系リスナーに大人気のSky High Productionにより制作されたアルバムです。Donald Byrdは、Sky High ProductionからLarry Mizellプロデュースで、『Black Byrd』(1972年)、『Street Lady』(1973年)、『Stepping Into Tomorrow』(1974年)、『Places and Spaces』(1975年)といった作品を残していマス。

『Places and Spaces』を含むSky Highでの諸作は、きっと1950年代、60年代のByrdを聴いてきたコアなジャズ・ファンからは、あまり評価されないものであろうと思いマス。その気持ちは何となくわかる気もするんだよね。個人的には、これらSky High作品はメチャ大好きですが、あまりジャズ・トランペッターDonald Byrdの作品とは思わず、プロデューサーLarry Mizellの作品だと思ってマス。

オススメ曲を紹介しときやす。

「Change (Makes You Wanna Hustle)」
Larry Mizellプロデュースらしい分厚いストリングスが印象的なレア・グルーヴ。多くの人が言うように、Earth,Wind & Fire好きの人にはピッタリのナンバー。DJ Jazzy Jeff & The Fresh Prince「A Touch Of Jazz」の元ネタ。

「Wind Parade」
女性コーラスがまさに風のパレードのような心地良いグルーヴ。Black Moon「Buck Em Down (Da Beatminerz Mix)」、2pac「Definition Of A Thug Nigga」 、Ludacris「Splash Waterfalls」等サンプリングネタとして有名な曲ですよね。

「(Fallin' Like) Dominoes」
説明不要のハイライト曲。この曲を聴けば、本アルバムが再評価されるのが即納得できるよね。Chuck RainyとHarvey Masonが生み出すグルーヴに絡むDonald Byrdのクールなトランペットと下手くそボーカルがイイ感じで、カッチョイイっす。

Ice Cube「I Wanna Kill Sam」、A.L.T.「Deez Nutz」等のサンプリングネタとしても有名ですよね。個人的は、大好きなStetsasonic「Talkin' All That Jazz」のDominoes Vocal Mixでのネタづかいがイイっす。また、Paul Wellerファンの方は『Live Wood』の「Remember How We Started」を聴きながらニヤッとしてしまいますよね。

「Places and Spaces」
モロにLarry Mizellなタイトル曲っす。Hip-Hop好きの方は、Pete Rock & C.L. Smoothの大人気チューン「All The Places」の元ネタと説明した方が手っ取り早いですよね。Smooth「Love Groove (Groove with You) 」もグッド!

「You and the Music」
Free Soulのコンピアルバムにも入っていた、少しMarvin Gayeな雰囲気の曲ですよね。

「Just My Imagination (Running Away With Me)」
The Temptationsの1971年の大ヒットのカヴァー。Rolling Stonesのカヴァーと共に大好きっす。

Sky High作品以外のアルバムでは、『Fuego』(1959年)、『A New Perspective』(1963年)、『Mustang』(1966年)、『Electric Byrd』(1970年)あたりが僕の愛聴盤デス。
posted by ez at 00:35| Comment(2) | TrackBack(0) | 1970年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
このレコードが出ていた頃はミゼルと言っていましたが、最近はマイゼルと言ってるみたいですね?
20年ほど前長男にこのレコード聴かせたら
『いまいち』といわれ、ガッカリしました。
Posted by あばちゃん at 2010年04月17日 21:30
☆あばちゃんさん

ありがとうございます。

『Places and Spaces』は今日ジャズ・ファンよりもHip-Hopファン、フリーソウル/レア・グルーヴ・ファンに人気が高い作品ですね。その意味では幅広い世代で聴かれているアルバムだと思います。
Posted by ez at 2010年04月18日 03:06
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