発表年:2007年
ez的ジャンル:北欧系ブルーアイド・ソウル
気分は... :これぞノーザン(北欧)・ソウル???
今日はTuomoのデビュー・アルバム『My Thing』(2007年)です。
当ブログでは今年リリースされたKero One『Early Believers』(2009年)の中でTuomoを紹介していました。
今年リリースした2ndアルバム『Reaches Out For You』も好評のようですね。
『Reaches Out For You』(2009年)
Tuomo(本名:Tuomo Prattala)は1979年フィンランド、ヘルシンキ生まれのシンガー/キーボード奏者。
クロスオーヴァー・ユニットQuintessenceのメンバーとして、『Talk Less Listen More』(2002年)、『5am』(2005年)といったアルバムをリリースし、さらにQuintessenceの女性ヴォーカリストEmma SalokoskiによるプロジェクトEmma Salokoski Ensemble、QuintessenceのメンバーらJupiterレーベルのミュージシャンによるプロジェクトQ-Continuumのメンバーとしても活動しています。
また、アコースティック志向のジャズ・ユニットIlmiliekki Quartetのメンバーとしても、『March of the Alpha Males』(2003年)、『Take It With Me』(2006年)といったアルバムをリリースしています。
このように様々なグループでの活動を経て、リリースされたのが初のソロ・アルバム『My Thing』です。
"フィンランドのStevie Wonder"、"フィンランドのJamiroquai"として、日本でも話題になりましたね。
前述のさまざまなグループでの活動からはジャズ畑のミュージシャンというイメージですが、本作では思い切りブルーアイド・ソウルしています。60年代、70年代ソウルへのリスペクトぶりが感じとられるアルバムです。
レコーディングにはQ-ContinuumのメンバーやEmma Salokoskiらが参加しています。
アメリカのR&Bばかり聴いていると、案外こうしたソウル・アルバムに出会えないかもしれませんね。
北欧のジャズ畑のミュージシャンだからこそできるソウル・アルバムだと思います。
全曲紹介しときやす。
「My Wish」
オープニングはギターのみのバックでソウルフルなヴォーカルを存分に披露してくれます。軽くウォーミング・アップといった感じですね。
「My Thing」
パーカッシヴなリズムにワウワウギターが絡むファンキー・ダンサー。70年代ブラック・ムーヴィーのサントラを想起させるサウンドにグッときます。Curtis Mayfieldあたりと一緒に聴きたくなりますね。
http://www.youtube.com/watch?v=AjkfXeQ7M20
「Since or Before」
「My Thing」に続きパーカッシヴな仕上がりです。中盤以降は聴き応えが増して相当グッときます。
「True Friend」
メロウな味わいがグッドなソウル・チューン。ジャケのイメージそのままの柔らかい黄昏ソウルって感じです。相当好きです!
「Don't Take It Too Hard」
本作のハイライトと言えば、シングルにもなった本曲ですね。21世紀ノーザン・ソウルといった感じの疾走感がたまりません。この曲を聴けば、思わず"フィンランドのStevie Wonder"と形容したくなるのもわかります。文句無しの名曲ですな。
http://www.youtube.com/watch?v=Db07ELQJuDE
「26」
小粋なセンスが光る佳作。Stevieの『Talking Book』あたりと一緒に聴きたくなりますね。
「Puddle of Love」
ピアノの弾き語りによるバラード。John Legendあたりと一緒に聴くとマッチするのでは?
「Sorry When I'm Gone」
アナログシンセの音がとてもいいですね。70年代ニューソウルにリスペクトしつつも、Tuomoらしさ良く出ている感じが好きです。
http://www.youtube.com/watch?v=PylI5ob8M1o
「Ballroom Girl」
淡々とした中にもメロウな味わいが光るソウル・チューン。Stevieになりそうでならないところにグッときます(笑)
「So Surreal」
ポップという点ではアルバムで一番かも。個人的にはこういう曲はイマイチですが、アルバムのアクセントとしていいのでは?
「It's You」
柔らかいピアノと優しいヴォーカルにグッときます。
「What I'm Like」
イントロを聴いた瞬間はVan Morrison「Crazy Love」のカヴァーかと思いました。全体としても「Crazy Love」の改作といった雰囲気です(笑)でも実に味わい深いですよ。大好き!
「I Won't Worry」
ラストはハンドクラップにグッとくるスウィンギーなモータウン風のソウル・チューン。
http://www.youtube.com/watch?v=OIXN7M-mqqo
「Our Selves」
日本盤のボーナス・トラック。ラテン・フレイヴァーの味わいがグッド!個人的にはこのタイプをもう少し聴きたかったなぁ!
興味のある方は関連作品もどうぞ!
Quintessence『5am』(2005年)
Q-Continuum『Presents This Is the Marienhof』(2006年)