2009年10月21日

The Replacements『Don't Tell A Soul』

バンドの1つの到達点がここに!☆The Replacements『Don't Tell A Soul』
Don't Tell a Soul
発表年:1989年
ez的ジャンル:USオルタナ・ロック
気分は... :たまにはロックを!

最近、本格的なロック作品を取り上げていなかったですね...
ということでセレクトしたのがThe Replacements『Don't Tell A Soul』(1989年)です。

80年代半ばから後半にかけて、僕の全米Top40離れ、ロック離れが進み、特に売れ線USロックを殆ど聴かなくなりました。かろうじてオルタナ系USロックを少し聴いていた程度でしたね。例えば、R.E.M.The Smithereensとか...今日紹介するThe Replacements『Don't Tell A Soul』もそんな1枚です。

The Replacementsは、1979年にミネアポリスで結成されたロック・バンド。結成時のメンバーはPaul Westerberg(vo、g)、Bob Stinson(g)、Tommy Stinson(b)、Chris Mars(ds)の4名。

1981年にエネルギッシュでハードコアなデビュー・アルバム『Sorry Ma, Forgot to Take Out the Trash』をリリース。ミニ・アルバム『Stink』(1982年)を挟んで、『Hootenanny 』(1983年)、『Let It Be』(1984年)といったアルバムをリリースし、音楽的な幅を広げたロック・バンドへと成熟していきます。

ライブ・アルバム『The Shit Hits the Fans』を最後にレコード会社を移籍し(Twin/ToneからメジャーのSireへ)、『Tim』(1985年)をリリースしますが、グループの音楽性の変化に反対であったBob Stinsonがグループを脱退します。ギタリスト不在のまま『Pleased to Meet Me』(1987年)をリリースした後、新ギタリストSlim Dunlapが加入します。

ソングライティングも手掛けるフロントマンPaul Westerbergの存在が際立つようになってきたグループは『Don't Tell a Soul』(1989年)で音楽的ピークを迎え、『All Shook Down』(1990年)のリリースを最後に解散します。

最後まで商業的な成功は皆無でしたが、その後のシーンに与えた影響は相当大きいグループだったのでは?メインストリームなロックしか聴かない人にはあまり認知されていないが、インディーズ/オルタナ系を聴く人からは絶大な支持を得ていたのがMats(Replacementsの通称)だったのではないかと思います。

6枚目のスタジオ・アルバムとなる本作The Replacements『Don't Tell A Soul』(1989年)は、彼らの最高傑作との呼び声が高い一方、ハードなサウンドを好む初期ファンには物足りなさも残る賛否両論のアルバムかもしれません。

個人的にはジャケ写真のような枯れた成熟感にグッときます。
メンバー交代もあり、バンドの持つエネルギッシュな側面は影を潜めていますが、ソングライティング能力に磨きがかかったPaul Westerbergの歌を存分に堪能できます。

成熟していったグループの1つの到達点が本作だったのではと思います。

全曲紹介しときやす。

「Talent Show」
アコースティックで聴きやすいメロディのオープニング。業界を皮肉った歌詞は彼らの面目躍如といったところなのでは?

「Back to Back」
若さ故のエネルギッシュな疾走感ではなく、様々な人生経験を経てきた枯れた疾走感って感じがいいですね。

「We'll Inherit the Earth」
彼らにしては趣向を凝らした作りの仕上がりなのでは?このあたりはメジャー作品らしいですね(笑)

「Achin' to Be」
アメリカン・リリシズムが漂う仕上がりは僕好みです。きっと70年代ロック世代の人もグッとくると思います。

「They're Blind」
ロマンティックなバラード。とは言っても、決して甘すぎないビターな味わいです。

「Achin' to Be」、「They're Blind」、「Rock 'n' Roll Ghost」は、僕の中では以前に紹介したGraham Parker『The Mona Lisa's Sister』あたりと一緒に聴きたい気分ですね。変な組み合わせかもしれませんが、枯れ具合がたまらない大人のロックといった感じでしょうか。

「Anywhere's Better Than Here」
本作の中ではハードな部類の仕上がりです。このあたりを聴くと、エネルギッシュな昔のハードコアな音も聴きたくなりますが。

「Asking Me Lies」
アルバムの中でも上位を争うキャッチーな仕上がりだと思います。「Talent Show」同様、素直じゃないのが彼ららしいですが。
http://www.youtube.com/watch?v=4fHMwrDEqso

「I'll Be You」
グループにとって最大のヒット曲。とは言ってもUSチャート最高51位ですが。メロディアスな疾走感がいいですね。
http://www.youtube.com/watch?v=VsjxdhwzemE

「I Won't」
どこか笑えるロックン・ロール・チューン。♪アワワ・ワ・ワ・ワ〜♪

「Rock 'n' Roll Ghost」
この曲もアメリカン・リリシズムが漂います。ジャケ写真の雰囲気を音にしたような大人の哀愁が...

「Darlin' One」
このラストのみメンバー全員の共作です。かろうじてグループとしての結束を保とうしたのでしょうか。それでも感動的な仕上がりにグッときます。

最近のCDにはさらにボーナス・トラックが追加されているようです。
posted by ez at 09:30| Comment(0) | TrackBack(0) | 1980年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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